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読売新聞│配信日:2019年6月3日│配信テーマ:その他  

被災者の背中「歌でさすれたら」 八代亜紀、みやぞんとデュエット


 八代亜紀がみやぞんとデュエットする「だいじょうぶ」(ユニバーサル)が、2月の発売以来、息長く聴かれ続けている。大御所演歌歌手と人気お笑いタレントという異色の組み合わせもさることながら、「春が来る 誰の元にも あなたにも」と優しく包み込むような歌唱が、聴き手の心に響いているようだ。(鶴田裕介)
 自然災害が相次ぐ昨今、2016年には八代の出身地・熊本でも震災が起こった。「阪神大震災、東日本大震災と大変なことが立て続けに起こっていましたが、まさか自分のふるさとに……と思いましたね。日本全部そうなんだ、と」
 全国の被災地を訪れて支援活動を続けるが、足を運べない場所もたくさんある。「背中をさすってあげられるような歌で励まし、支えたい」。そんな思いをこの曲に込めた。
 異色デュエットだが、声をかけたのは八代側だった。面識はなかったものの、八代はみやぞんが出演するテレビのバラエティー番組をずっと見ていた。「過酷なことに挑戦しても前向きで、つらい顔をしない。一生懸命泣き笑いで笑顔を作って頑張っている。それがこの曲にぴったりだなと思った」
 レコーディングの現場で初めて顔を合わせた際、みやぞんはテレビで見るような衣装を着込んで待機していた。「ジーンズでよかったのよと言ったら、『いえ、失礼ですから』って。カメラが回ってないところでも全然変わらない」
 「だいじょうぶ」は、八代とみやぞんが声を重ねて「春が来る」と繰り返し、心に染みわたらせるように歌うのが印象的な曲だ。つらい現実と向き合っている人にも「いつか心の春は訪れる、という意味です」と語る。被災者はもちろん、つらい思いをしている全ての人に贈る応援歌だ。
 「頑張っても頑張っても給料が上がらない若者をニュースで見たりすると切ない。私が総理大臣になってお給料を上げてあげたいけど、そうはいかない。だいじょうぶ、だいじょうぶと背中をさするから、安心して頑張って、と伝えたいですね」

読売新聞2019年5月23日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:鶴田裕介

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