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読売新聞│配信日:2019年2月4日│配信テーマ:Jポップ  

中島美嘉 「雪の華」再び脚光 曲の成長、「怖いけど楽しみ」


 ◆映画化 発売15周年ベスト盤 
 冬の名バラードとして知られる中島美嘉の「雪の華」が、再び注目を集めている。この曲を基に生まれた映画が2月に公開されるほか、発売15周年を記念したベスト盤「BIBLE」(ソニー・アソシエイテッド)も1月30日に発売される。代表曲に抱く思いを、中島に聞いた。(鶴田裕介)
 「今年、最初の雪の華を 2人寄り添って 眺めているこの時間に シアワセがあふれだす」——。耳に残る切ないメロディーに乗せて歌う、普遍的なラブソング。これまで数え切れないほど歌ってきたにもかかわらず、「とにかく歌うのが一番怖い。余裕がないですね」と語る。
 高い歌唱力を求められる曲である上、広く知られ、聴き手の一人一人が明確なイメージを抱いているためだ。「みんなにハードルを上げてもらっている感じですね。私は普通に歌いたいんですけれど」と笑い、「歌詞をよく読むと、すごく強い、いちずな愛を歌っているし、ほっこりできる温かい曲だったりもする。アレンジや歌い方ひとつで変わります」。
 発表は2003年だが、曲自体は01年のデビュー直後に受け取っていたという。初めて耳にした時は「純粋に、素晴らしい曲」と思った一方、「歌いきる自信がない」とも感じ、実力が付くまで2年ほど温めた。「作曲者の松本良喜さんは『これ以上いい曲は書けません』と言ってくださった。私でいいのか、とも思いましたが、『美嘉さんに』と言っていただいた」
 長く愛される理由は「明確には分からない」としつつ、「この曲で私を知ってくださった人が多いのかな、とは思います。デモ(音源)をいただいた時、私も心をつかまれたので」。
 ライブでの聴かせ方にこだわり、演出や衣装にも積極的に関わる。昨年のアコースティック編成のツアーでは、生楽器の演奏に情念とも言える生々しい歌声をのせた。「自分の声と、ピアノとベースの音だけで、さあどこまで飽きないでいてもらえるんだろう、という限界に挑んだんです」
 映画「雪の華」(2月1日公開)では、余命1年と宣告された美雪(中条あやみ)が、ガラス工芸家を目指す青年・悠輔(登坂広臣)に「100万円で恋人になってください。1か月だけ」と頼む。“期間限定”の恋を美しく描く。中島は「『雪の華』の曲から、あそこまでストーリーを広げてもらえたのはすごい」と率直な感想を語る。
 映画やベスト盤を通じて、さらに多くの人に聴かれる機会も増えそう。「曲がどう成長していくのか。怖いような、楽しみなような気がしています」と語った。 

読売新聞2019年1月24日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:鶴田裕介

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