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読売新聞│配信日:2019年2月4日│配信テーマ:洋楽  Jポップ  

OKAMOTO’Sが選ぶ洋楽名盤 文化的背景たどる面白さ


 ◇週刊エンタメ
 “洋楽離れ”と言われて久しい昨今、クイーンの映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットで、再び洋楽、とりわけオールドロックに注目が集まっている。メンバー全員が熱烈な音楽マニアの人気バンド・OKAMOTO’Sに、クイーンに続いて聴くべき洋楽の名盤を紹介してもらった。(鶴田裕介)
 ——洋楽の魅力とは。
 オカモトレイジ(ドラム、以下レイジ) 俺は歌詞がわかんねえから、音だけで判断すると、ピュアだなって感じがする。英語ができない人が聴く洋楽、邦楽の違いってだいぶでかいと思う。
 オカモトコウキ(ギター、以下コウキ) 元々黒人音楽から始まって、ブルース、ロックになっていく文化的な背景、深さが全然違う感じがして、そこをたどっていく面白さがある。
 ——英語が話せるからとドラムからボーカルになったショウさんは?
 オカモトショウ(ボーカル、以下ショウ) ボブ・ディランを聴いて難しいこと言ってるな、意味わかんないな、ってこともあります。歌詞がいいから聴く曲ももちろんあるし、音がかっこいいってだけで聴く時もある。
 ——お薦めの名盤は。
 ハマ・オカモト(ベース、以下ハマ) 僕はクリームの「カラフル・クリーム」(1967年)。壁に「クラプトンは神だ」と落書きされるほどうまかったイギリスのギタリスト、エリック・クラプトンが組んだバンド。活動期間は数年で、演奏中にお互い顔も見なくなって解散したというのが、初めて触れた「ほんとにあったロックの話」でした。楽器を始めた頃、ベースってつまらないパートだと思ってたけど、ベースのジャック・ブルースが歌も歌うし、リフ(繰り返しフレーズ)もメロディーも弾くし、全てにおいて衝撃的でしたね。
 レイジ 俺はラモーンズの「ロケット・トゥ・ロシア」(77年)。ラモーンズの持つ単純さ、「これなら自分でもできるかも」って思えるのがパンクの要素。
 コウキ 「ロケット・トゥ・ロシア」って、一体何を言ってるんだろう……。
 ハマ 「ダサッ」てならなかったのかな、当時。
 ショウ でも売れてるしさ。
 コウキ 僕のお薦めはドクター・フィールグッドの「ダウン・バイ・ザ・ジェティ」(75年)。普通のロックンロールなんですが、ギタリストのウィルコ・ジョンソンがピックを使わずに手でジャキッとしたギターを弾いて。シンプルなことを新しいスタイルで、そんなに格好良くできるのかという、たたずまいにやられましたね。
 ショウ 俺はローリング・ストーンズにします。音楽始めた時、学校でコウキと「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」という曲だけ、1年間ずっとやってた。
 ハマ どういう専門学校!?
 ショウ アルバムを1枚選ぶなら「ベガーズ・バンケット」(68年)。ビートルズが良い子だったのに対し、ストーンズは悪い子。不良で悪いことしてるんだけど、それが格好良すぎてまかり通る。今のラッパーと同じですね。
 ——音楽はもちろん、生き方にも影響を受けている。
 ショウ 学校の図書室に手塚治虫の「ブラック・ジャック」や「火の鳥」があるのと同じ。パイオニアのエネルギーってすごいんだと思うんです。何事においても。
 レイジ 粗さとか、はみ出し方とかが全然違いますよね。黒人音楽なんかを聴いていると、エネルギーや説得力が段違いで、カッケー!って思っちゃう。
 ◆新作アルバム 10年の音楽凝縮
 OKAMOTO’Sがこの4人になって10年。今まで聴いてきた音楽、演奏してきた音楽を凝縮した新作「BOY」を発表した。体で感じるのが楽しい、ロックなアルバムだ。
 レイジ 本番前、プリプロっていう録音の練習みたいなことをするんですが、今回、その音源をそのまま使った曲も結構ある。
 ハマ 清書する前の下書きの方が熱が伝わる、みたいな。
 ショウ 中学の同級生で結成して、10代でデビューして、いま28歳。俺たちいろんなものに手を出すし、飽き性だし、それ故に「これがOKAMOTO’S」っていう曲やアルバムが難しかったけれど、やっと名刺っぽいものができた。
 コウキ 僕たちはライブバンド。この10年で自信ができたし、そのままライブでやっても成立する。
 ショウ 6月27日、初めて日本武道館でワンマンライブをやります。
 レイジ 同年代のバンドがぼんぼん武道館やってて、俺らは一度もという状態。俺らみたいなバンドでも武道館やれるんだぜ、好きなもの信じてきてよかったね、っていう気持ちにみんなでなりたい。
 
 ◇オカモトズ 中学校の同級生で結成。メンバーの1人が毎日、学校にCDを100枚持って行ったほど、筋金入りの音楽マニア。岡本太郎好きが高じて、ラモーンズのように全員オカモトを名乗る。2009年、現在の4人に。10年、初の海外ツアーを行い、メジャーデビュー。

読売新聞2019年1月26日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:鶴田裕介

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