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読売新聞│配信日:2019年2月4日│配信テーマ:その他  

[クリエイターズ]日本の現代音楽 息長く米へ 音楽家 三浦尚之


 ◇Creators
 ニューヨークで1975年、非営利団体「ミュージック・フロム・ジャパン」を、ダンサーだった妻の小野真理さんと設立し、日本の現代音楽を紹介する音楽祭を開いてきた。2018年、活動が評価され、世界の芸術家の情報を発信する米メディア「ミュージカル・アメリカ」が、革新的な活動を行う人物をたたえる「30傑」に、北米の音楽批評家らの推薦で妻と共に選出された。「資金集めなどが大変な中、二人三脚でやってきた家内への孝行になった」と喜ぶ。
 ニューヨークのジュリアード音楽院で学び、当地の楽団でコントラバス奏者としてオペラ演奏などに活躍していた時、「日本の現代音楽の素晴らしさを、この世界一のコスモポリスで伝えたい」と音楽祭を計画した。音楽祭では原則、米国の音楽家らに演奏してもらい、日本の作曲家らを交えたフォーラムなどで活発な意見交換も行うのが特徴だ。
 「創設当初、静寂感のある日本の現代音楽に対し、楽しい音楽を期待している米国の聴衆は面食らっていたが、今はじっくり聴いてくれて、『ブラボー』の声も響くようになった」と手応えを感じる。44回目となる今年3月の音楽祭では、米作曲家ジョン・ケージに影響を受けた日本の作曲家と、作曲家・斉木由美さんの作品を特集する。
 福島県出身の77歳。昨年夏には福島で、民俗芸能や飯舘村の小中学生の歌声を披露する音楽祭を開き、北米から作曲家らも招いた。「海外では風評被害が払拭(ふっしょく)されてはいないので、この音楽の出会いで福島の『安心、安全』を確認してもらいたかった。今後も福島のための活動を続けたい」(岩城択)

読売新聞2019年1月30日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:岩城択

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