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読売新聞│配信日:2018年12月31日│配信テーマ:その他  

[イマ推しっ!]田村芽実 あどけなさと圧倒的歌唱力


 ミュージカル女優、歌手の田村芽実(めいみ)さんをご存じでしょうか。12歳で人気アイドルグループ「スマイレージ(現アンジュルム)」に加入し中心メンバーとして活躍、17歳で卒業して新たな道を歩んでいる早熟な20歳です。あどけない顔立ちと、抜群の歌唱力、演技力。26日発売の新曲「魔法をあげるよ 〜Magic In The Air〜」でも非凡さを発揮しています。(清川仁)
 今夏上演されたミュージカル「マリーゴールド」で、吸血種の血を受け継いだ難役を見事に演じきりました。鑑賞した女優の土屋太鳳さんが「天才」と絶賛したとか。「作・演出の末満健一さんの頭の中にある美しい世界を体現することに必死でした」
 同作は、末満健一さんのライフワークである「TRUMP」シリーズの最新作。田村さんはスマイレージ在籍時代に同シリーズに出演した経験があり、末満さんがその才能にほれ込み、今回は主役級として抜てきしたのです。天使のような歌声の田村さんが、狂おしい叫びのような歌唱を披露するギャップも圧巻でした。「きれいに歌うことが全てではなくて、最終的にはテクニックをそぎ落として感情で歌うことを目標にしています」
 小さい頃から劇団四季や新劇を見て育ち、子役としても活動してきました。宝塚歌劇団を夢見た時期もありましたが、仕事で共演して魅了されたスマイレージの新規オーディションを知り、「記念受験のつもりで」受けたら見事合格。加入後は、圧倒的な歌唱力ですぐに中心メンバーになりました。休みの日に滝行に繰り出すなどストイックな一面も、ファンの間では話題になりました。
 幼い頃からのミュージカルの夢を果たすために、2016年5月に惜しまれつつ卒業。今年夏からはソロ歌手としても歩み始めました。2作目となるシングル「魔法をあげるよ」は、ミュージカル女優ならではのスキルが随所で発揮されています。「息つぎやビブラート、クレッシェンド。テクニックが必要な曲」。魅力的な高音がどこまで伸びていくのだろうと胸躍らせるフレーズもあります。通常盤のボーナストラックには斉藤由貴さんの名曲「MAY」を収録。両親の影響で歌謡曲にも親しんで育ち、自分の名前の一部がついたこの曲はお気に入りだったとか。
 夢は、ミュージカルの名作「ミス・サイゴン」に出演すること。「ちょっと前までは自分が歌を歌いたいという気持ちがあったけど、今はいいものを作りたいと思う」と、発言にも成長がうかがえます。どこまで才能が伸びるのか、末恐ろしい気もします。
 美術館に行くのが趣味ですが、日常の瞬間に潜むアートを見つけるのも日課だそう。「今日は、パルム(チョコアイス)の周りの層がひび割れた瞬間が美しかった」
 「魔法をあげるよ」はビクターから発売。ミュージカル「マリーゴールド」のDVDもポニー・キャニオンから発売中です。

読売新聞2018年12月26日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:清川仁

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