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読売新聞│配信日:2018年11月5日│配信テーマ:洋楽  

[旬感]都会的サウンド健在 スウィング・アウト・シスター来日公演


 音楽は記憶を呼び覚ます。
 英国のバンド、スウィング・アウト・シスターが初アルバムの「ベター・トゥ・トラベル」を出したのは1987年。記者は学生だった。直接的な恩恵には浴していないが、バブル景気に沸き立つ時代の雰囲気は感じていた。世の中全体が浮かれていたような時代に、「ブレイクアウト」「サレンダー」といったしゃれた感覚のヒット曲を連発していた彼女たちは、日本でももてはやされた。クールなボーカリスト、コリーンのファッションも注目された。
 あれから約30年が過ぎたが、彼女たちのヒット曲を耳にすると、当時を思い出す。久々の新作をひっさげ、今月行われた来日公演でも、ジャジーでファンキーな都会的なサウンドで聴衆を酔わせた。コリーンの声も変わらず、つややかだ。「日本で演奏できて幸せ」とうれしそう。「トワイライト・ワールド」でのバックコーラスのシンガーと生み出したハーモニーは素晴らしかった。CDでは管楽器などを使ったゴージャスな音作りで知られているが、この日のステージではパーカッションやギターをうまく使い、シャープな音に仕上げていた。
 会場は六本木のビルボードライブ東京。終盤にステージ後方のカーテンが開くのはいつもの演出だが、一段とその夜景が美しく見えた。「昔、このあたりは防衛庁(旧称)だったな」とふと思い出した。(桜井学)
 
 ◇スウィング・アウト・シスター 英国出身。現在はキーボードのアンディ・コーネルとボーカルのコリーン・ドリューリーのデュオ。「カレイドスコープ・ワールド」や「リヴィング・リターン」などのアルバムをリリース。テレビドラマ「真昼の月」(1996年)の主題歌となったシングル「あなたにいてほしい」は日本で大ヒットした。今年は新作アルバム「オールモスト・パスウェイディッド」の日本盤(ソニー)も発売された。

読売新聞2018年10月31日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:桜井学

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