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読売新聞│配信日:2018年10月8日│配信テーマ:その他  

レキシ新作 テーマは「幕末」 明るく「SEGODON」も 


 日本史を題材にした歌詞をファンキーな音楽に乗せて歌うレキシの新作「ムキシ」(ビクター)のテーマは「幕末」。歴史ファンの注目がとりわけ集まる時代に、三浦大知や上原ひろみ、手嶌葵ら豪華ゲストと共に挑んだ。(鶴田裕介)
 ミュージシャン、池田貴史のソロプロジェクト。これまでも「墾田永年私財法」「きらきら武士」といった歴史上の出来事や人物などの“語感”を曲に取り込んできた。
 「幕末って人気のある時代なので、曲にしやすそうでしょう。でも、実際は近すぎて、よくも悪くも書きづらいと思っていました」と池田。「子供の頃、うちのおばあちゃんが坂本龍馬の写真を見て『おじいちゃんも同じ靴を履いてた』と言っていた。もう少しすると現代で、歴史の境目なんです」
 そんな難しいテーマに挑んだのは、NHK大河ドラマ「西郷どん」のパワープッシュソング「SEGODON」の制作を依頼されたのがきっかけ。今回のアルバムにも収録されているが、飛び抜けて明るい1980年代風サウンドに乗せて「キミの笑い声が 夢のトビラを開いた」「幕末させて行こう」と歌う。
 実直な人柄で知られる西郷隆盛のイメージからはほど遠い気もする……が、モデルにしたのは、ドラマで西郷役を演じる鈴木亮平の方だという。「しっかりしたことを言うこともあれば、ふわっとしたことも言う。龍馬は西郷を『少しく叩(たた)けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く』と評したとも言われますが、こういう人のことなのかなって」
 イントロはヴァン・ヘイレンの代表曲「ジャンプ」を思わせる。「『西郷どん』のポスターで鈴木さんが跳んでいる写真を見て、これで書こうと思い立った」という。
 三浦大知が参加し、夜の街のイメージで歌われる「GOEMON」、手嶌葵と共に大老の生きざまを壮大なスケールで歌う「TAIROW 〜キミが目指してんのは〜」など、独特の“レキシ観”を展開。「実際の人物像にあまり近づくと、音楽的でなくなってしまう。『GOEMON』も語呂で作ったし、あくまで音楽が先なんです。自分でも何のことを歌ってるんだろうってよく思います」
 今年も音楽フェスティバルに多数出演し、ライブミュージシャンとしての存在感を見せつけた。大胆なアドリブを交えた演奏やトーク、観客が稲穂を振って応援する姿はもはや風物詩だ。「思いついたことを止められないんです。楽しんでもらいたいですから」
 11月から全国ツアー。来年1月22日、23日、横浜アリーナ。(電)050・5533・0888。

読売新聞2018年9月27日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:鶴田裕介

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