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読売新聞│配信日:2018年9月10日│配信テーマ:その他  

3つの才能で異色の編成 TFC55が新作


 ◆古澤巌、東儀秀樹、cobaのユニット 
 アコーディオニストのcoba、雅楽師の東儀秀樹、バイオリニストの古澤巌——。強烈な個性を放つ3人がその才をぶつけ合うユニット「TFC55」が、4年ぶりの新作「ザ・セカンド・オブ・TFC55」(ハッツ)を出した。ツアー前、リハーサル真っ最中のcobaに聞いた。(鶴田裕介)
 2014年結成。アイドルグループのようなユニット名は、東儀、古澤、cobaの頭文字と、当時3人とも55歳だったことから決めた。結成以降、毎年ツアーを行っているが、新作は久しぶり。cobaは「期せずして同い年の3人が、我々にしかできない音楽を追究してきた。それが形になった」と率直に喜ぶ。
 雅楽の楽器・篳篥(ひちりき)、バイオリン、アコーディオンと珍しい編成ながら濃厚に絡み合い、まるでオーケストラのような音の厚みと躍動感がある。「普通は組み合わせようという気にもならない。さらに3人の非常に濃いキャラクターが音に出るわけですね」。ただ、癖が強い楽器ばかりなだけに、音の配置は困難を極める。「ともすれば、いやらしくなってしまう。3人の個性をきちんと把握して、みんなが光る編曲を目指しています」
 新作はライブを重ねる中で「残したい」と思った曲を集めた。cobaが作曲、編曲した「Sailor men’s song」は、勇ましい曲調に3人の音色が重厚に連なり、ユニットの魅力を存分に伝える。「みんなで困難な海原を航海しているような、何かを探す旅をしている。この年になってそういう同志を得ることができたのはとてもありがたい」。そんな思いを曲にした。
 ビッグネームばかりのこのメンツ、50代になって結成したのがよかった……というのが本音。「もうちょっと若かったら、早くにケンカ別れしていたかも」
 全国ツアー中。11月28、29日、東京国際フォーラム。(電)0570・550・799。

読売新聞2018年8月30日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:鶴田裕介

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