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毎日新聞│配信日:2018年7月9日│配信テーマ:その他  

<Interview>林原めぐみ 「私」と「役」が半々 7年ぶり14枚目の新盤発表


 声優だけでなく歌手やラジオパーソナリティー、執筆業とマルチな才能で人気を誇る林原めぐみが約7年ぶり14枚目のオリジナルアルバム「Fifty〜Fifty」(キング)を発表、話題を集めている。

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 林原は、1980年代半ばからアニメの声優として活動を始め、80年代末には主役級のキャラクターを同時に複数掛け持ちする人気者に。「新世紀エヴァンゲリオン」「ポケットモンスター」「アンパンマン」「名探偵コナン」など人気シリーズのメインキャラクターを演じ続け、アニメ声優界の第一人者の位置を固めている。歌の世界でも、89年にシングル、91年にアルバムデビューし、継続的に上位チャートインする実力者である。

 新作は、アニメ関連の未発表曲を中心に、本人の作詞と鷺巣詩郎作曲の共作や椎名林檎詞曲の「薄ら氷心中」「今際の死神」など注目曲や、2004年に若くして急逝したシンガー・ソングライター岡崎律子の隠れた名曲「リグレット」を収録するなどバラエティーに富んだ力作となっている。

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 「タイトルは、アニメだけじゃない、ナチュラルな音楽家としての林原もいる、ということを打ち出したくて『五分五分=フィフティー・フィフティー』にしました。『50歳=フィフティー』を過ぎたこともきっかけにある」と言う。年齢と何の関係があるのか。

 「50歳って年寄り扱いされ始め『劣化』なんて言われる。失礼ですよね。劣化なんかしていないナチュラルな私を表現し、そこにアニメの世界も加えて『半々』にしてみたの」と楽しげに語る。自分が自然に出せる歌の方が楽なのでは?と振ると。

 「歌は好きだけど、やはり声優を中心に考えている。小学5年生で声優の存在を知って『年齢・性別・時間すべてを超えてキャラクターを演じられる』この仕事を目指した。ハイジがガッチャマンになれるんですよ。しかもゼロから創造できる」とアニメ声優の魅力とやりがいを熱く語る。

 洋画などの吹き替えとはまったく異なり、「一度も肉声を発したことのない『何か』に声を与える興奮」は何ものにも代えがたいと言う。そのための事前取材や読み込みは並大抵ではない。「だから、役(声)作りにおいて、誰に対してもこびを売ったり、受けを狙ったりしない」という厳しさは、ファンの間でも有名である。自然な肉声と創造された声が重なり合って形作る「林原めぐみ」は注目である。【川崎浩】

毎日新聞2018年7月 3日東京夕刊(2版)掲載 執筆記者:川崎浩

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