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毎日新聞│配信日:2018年4月16日│配信テーマ:その他  

<演歌・歌謡ラボ>冠二郎/竹島宏=専門編集委員・川崎浩


 ◇冠二郎 演歌人生を見直す

 昨年50周年を迎え、新たなステップへ進むのがベテラン冠二郎。とはいえ、積み上げたイメージや練り上げた歌唱法をがらりと変えて新たな世界を打ち出すという道を選ぶことはしないようだ。先月下旬に出したばかりの新曲は、1986年に発売した「演歌人生」(コロムビア)のセルフカバーである。

 「自分の『演歌人生』にふさわしい歌というのが一番だが、この歌を録音するころ大病を患っていてちゃんと歌えていなかった。30年たった今、私の『人生』も変化し『演歌』を見つめ直したかった」と気概を語る。冠は、恩師・三浦康照を亡くすのとほぼ同時に結婚し、取り巻く環境が変わった。歌に登場する「男と女」に関しても「人間の温かさや優しさを描けるようになった」と74歳を目前にして成熟を確信する。

 ◇竹島宏 ノンジャンルを宣言

 「演歌」を極めようとする冠に対して「ノンジャンル」を宣言するのが竹島宏。昨年15周年記念盤「月枕」(松井五郎詞、都志見隆曲、テイチク)を発売し、演歌・歌謡部門の年間3位のヒット(オリコン調べ)。先月、同じ詞曲のコンビの「恋町カウンター」を発表した。両曲とも「演歌以前」の「流行歌」時代の美点を際立たせたポップ歌謡である。

 「『月枕』は難しい曲で歌唱力を磨かせてもらった。『恋町〜』はキャッチーでおしゃれで、いろんな側面から見ても“いい歌”だと思う」と冷静に判断する。松井、都志見ともにポップスのヒットメーカーである。竹島は管弦楽からジャズやアフリカンバンドとの共演まで多彩な環境で「歌」を探る。「音楽の幅を広げ、自分の歌を構築したい」と発展途上の勢いを語る。

毎日新聞2018年4月 5日東京夕刊(1版)掲載 執筆記者:川崎浩

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