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読売新聞│配信日:2018年2月12日│配信テーマ:その他  

4月にデビュー45周年公演 村上“ポンタ”秀一 歌詞から決めるドラミング


 長年にわたり、日本の音楽界を支えてきた名ドラマー、村上“ポンタ”秀一が、デビュー45周年の記念公演「音楽境地」を4月6日、東京・中野サンプラザで行う。縁の深いギタリストの渡辺香津美や高中正義、シンガー・ソングライターの角松敏生らが出演する予定。ジャズ、フュージョンを中心に多彩な活動を振り返る好機会になりそうだ。(桜井学)
 村上は1972年、フォークグループ、赤い鳥に参加。翌年、レコードデビューした。その後、様々なグループで活動。ジャズ界の大御所から、坂本龍一や沢田研二、ピンク・レディーなど共演者は数え切れない。93年には、自身初のリーダーバンド、PONTA BOXを結成。曲に合った的確なドラミングは、常に高い評価を受けている。
 歌のバックで演奏する際は、詞をじっくりと読む。「歌詞からもらうイメージで音色やシンバルの種類を決めていく。そこから始まると思うのよ」
 今回の公演については、「スタッフや出てくれるやつには感謝するけど、たった一晩で終わるのにこんな大仰なことやって……」と苦笑する。「でも、67歳の一介の太鼓たたきにもこういうことができるというのは、後輩に勇気を与えると思う」と意義を語る。出演者も多く「選曲して、アレンジするのが大変。曲を短くして多くの曲を聴いてもらえるようにしたい」。
 公演では、亡くなったミュージシャン、深町純、松岡直也、大村憲司の3人をしのぶ企画も。キーボード奏者の深町は、村上のほか、ブレッカー・ブラザーズら米国の一流どころも参加した作品を残している。「(深町とは)ケンカしましたよ。俺は絶えずケンカしながらクリエイトしてきたけど、最近の若いやつがケンカしているのを見たことないね。ジジくさい言い方だけど、衝突から逃げてるんじゃないの」
 ピアニストの松岡は、「音楽観を変えてくれた。キューバやブラジルの音楽に日本的な味付けをしていた。希代のメロディーメーカー」と言う。ギタリストの大村とは、キャリア初期の赤い鳥時代から付き合いがあった。村上はブラスバンド出身で、もともとクラシックに取り組んでいた。「俺はクラシック以外、何も知らなかった人間だから、憲司は音楽の師といってもいいくらい」
 1月には、ピンク・レディーとして一世を風靡(ふうび)した未唯mie、ジャズピアニストの山下洋輔という全く違うタイプの共演者とそれぞれライブを行った。「今は酒を飲まないからライブが終わると、ホテルで次のプロジェクトの予習をする。“仕事”とも、つらいとも思わない。考えていると音が頭の中でいっぱい鳴る。それが面白いのよ」
 (電)03・5720・9999。 

読売新聞2018年2月 1日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:桜井学

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