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毎日新聞│配信日:2017年12月25日│配信テーマ:クラシック  

<特薦盤>クラシック 梅津時比古・選


 ■小倉貴久子(ピアノ)/アルルの女(ALM)

 ビゼーのピアノ曲を、往時全盛を極めたプレイエルのピアノで弾いたアルバム。ピリオド楽器がここでは、作品に迫る手法といった役割をはるかに超えて、作品を作り出す原動力に一体化し、なくてはならぬ音になっている。

 息をのむのは、ビゼーの代表作「アルルの女」のビゼー自身によるピアノ編曲版。音域の違いによって音色が異なるプレイエルの特徴が、和音の妙を一層引き立てる。この精緻な編曲は、編曲を超えたピアノ芸術に至り、小倉の演奏がその魅力を十全に引き出している。有名な「序曲」も「パストラール」も通常のオーケストラ版よりはるかに面白く、曲の魅力の深奥が分かる。

毎日新聞2017年12月20日東京夕刊(1版)掲載 執筆記者:梅津時比古

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