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非登録ライター│配信日:2016年12月9日│配信テーマ:その他  

古川昌義が聴きたかった唄声とともに奏でる セッション・シリーズに、平松愛理が登場!


(取材・文/飯島健一)

 絢香や福山雅治、嵐ほか名だたるアーティストのツアーやレコーディングへの参加など、多方面で活躍するギタリスト・古川昌義。彼が出会ってきた魅力的なヴォーカリストを迎え、スペシャルな選曲やアレンジでセッションを繰り広げるシリーズも8回目。今回のゲストは、アマチュア時代にバンドを共に組んでいたシンガーソングライターの平松愛理。両者がときにやさしく、ときに熱く音楽で語り合う一夜となった。

 ライヴは、カーペンターズによるカバーで有名な「Close To You」でスタート。森俊之(Key)のやわらかいピアノが奏でられると、平松がゆったりと温かみのある声で歌いだし、それを追うように古川がやさしいアコースティック・ギターの響きを重ねていく。さらに櫻井哲夫(Ba)と鶴谷智生(Dr)のリズム隊もゆったりテンポで加わることで、サウンドはより深みを増し、客席を心地よい空気で満たしていった。

 続く「Don’t Know Why」(ノラ・ジョーンズ)では、しなやかな歌声とバンドのオーガニックな演奏で、銀座の夜にふさわしいラグジュアリーな雰囲気を演出。そんな洋楽カバー2曲を終えたところで、古川が 「僕の聴きたい人の歌を、横でギターを弾きながら聴きたいという、勝手な企画です」と、ライヴの趣旨を説明。すると平松も「いつか呼んでくれないかと、指をくわえて待っていた」と、この夜への期待を告白。実は古川と平松、森の三人はかつてERI & WANDERLASTというアマチュアバンドで活動していた間柄だ。それゆえに、平松の音楽観や人生観が込められた「Second Birthday」や、彼女がキーボードを奏でながら女性のせつない恋心を歌う「待ってもいいよ」で、古川と森は曲の世界観に寄り添ったサウンドを奏で、その歌声を観客の心へと深くいざなっていく。

 ライヴ中盤に入ると、古川のメロディアスなギター・ソロが楽曲の感動をさらに引き出した「ハナミズキ」(一青窈)、平松のソウルフルな歌声に観客も揺れた「接吻」(ORIGINAL LOVE)、さらにファンキーなバンド・サウンドに今度は平松が踊り跳ねながら歌った「LA・LA・LA LOVE SONG」(久保田利伸)と、邦楽カバーを3曲続けて披露。続く「自分次第。」は平松がHi-hats名義で発表した曲で、鶴谷のエネルギッシュなカホンと櫻井のファンキーなベースが、心の中に渦巻く憤りを綴った歌詞を強烈に引き立てる。

 その高い熱量が客席にも伝わったところで、アマチュアバンド時代の初ライヴのMC音源と、当時のオリジナル曲2曲が披露され、会場は大盛り上がり。バンド・アレンジもヴォーカルのキーもあえて当時のままで披露された演奏からは、音楽の世界を目指しガムシャラに突き進んでいたアマチュア時代の彼らが垣間見られ、それが今や日本の音楽シーンを支える存在になっていることを考えると、感慨深い。

 本編ラストを飾ったキャッチーでディスコ・テイストな「La La, Smile」では、ラッキー池田作の手を波のように動かす振り付けと一緒に、♪ドレミファソラシド~のメロディで♪ララララララララ~というコーラスを観客と合唱。ピースフルな雰囲気に包まれた客席からはすぐにアンコールの拍手が鳴り、それに応えて「サイレント・イヴ」(辛島美登里)と、平松の代表曲「部屋とYシャツと私」を披露。ゆったりした演奏で歌われる愛の歌に、すべての観客が一心に耳を傾ける姿を見ていると、歌が持つ絶大な力を感じずにはいられなかった。



「古川昌義Presentsウタノコトバ ~聴きたかった唄声~ Vol.8 平松愛理」
日時:11月19日(土)
会場:東京・ヤマハ銀座スタジオ

2016年11月17日音楽ジャーナリスト&ライターの眼(1版)掲載

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