2021年3月期第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:部品サプライヤー工場火災の影響について、可能な限り詳しく教えてください。

影響は軽微ではないと捉えています。楽器は主に電子ピアノ、ポータブル・キーボード、シンセサイザー、ハイブリッドピアノなど、音響機器ではAV機器、PA機器、ICT機器と、広範囲に影響が出る可能性があります。売上への影響は、第3四半期末から第4四半期にかけて出てくるとみています。保険求償はされないと考えております。
対応策は他社製部品への切り替えなどですが、比較的容易に代替可能なものから、設計変更を要するものまで多岐にわたっており、変更にかかる時間を含め、影響度は精査しないと分からないというのが現状で、分かり次第、情報開示させていただきます。


Q2:インドネシアの工場の稼働状況を教えてください。

稼働状況は、第2四半期で85%、10月は約9割まで回復しています。


Q3:6月末に通常の受注残に追加で100億円ほどあった受注残の現状について教えてください。

需要が旺盛で注残はさらに積みあがり、第2四半期末で約200億円という状況です。


Q4:インドネシアの工場稼働やサプライヤーの工場火災などの特殊要因が解消すれば、販売はキャッチアップできるのでしょうか。

商品そのものは全く競争力を失っておらず、市場の評価もいただいており、供給問題が解消すれば回復できると見込んでいます。問題が長期化すると他社が攻勢をかけることも想定され、早急に対策を検討しているところです。


Q5:第2四半期好調の背景を教えてください。

中国で、実店舗の再開に伴いピアノが対前年2桁成長しました。ギターは全世界で堅調で、北米、欧州、中国は1桁代後半の伸び、日本は2桁成長しています。管楽器、PA機器は苦戦が続いていますが、上向いてきています。ICT機器はテレワークが進む中で需要が旺盛で、第1四半期はすぐに増産体制を敷くことができませんでしたが、第2四半期は増産対応できたことで大きく伸長しました。


Q6:アフターコロナに向け、中長期視点で上積みできそうな事業があれば教えてください。

一番手ごたえがあるのはギターです。コロナ禍にあっても順調に実績を伸ばしていて、市場プレゼンスが上がっており、さらに強化していきたいと考えています。また、ICT機器も需要増から認知度が上がっていて、コロナ後もこの分野で成長していけると期待しています。


Q7:第2四半期は実店舗が再開しましたが、ECの状況について教えてください。

実店舗の再開で伸びたのはアコースティックピアノなどの大型商品で、それ以外の商品はEC経由の需要が継続しています。


Q8:北米は第2四半期にマイナス幅が拡大していますが、今後の見通しを教えてください。

管楽器、PA機器は苦戦が続くと予想しますが、それ以外の商品群が順調に回復してくるとみています。大統領選挙の影響が見通せない状況ですが、現時点で年末商戦に向けたディーラーからの受注は堅調に推移しており、供給さえできれば前年と比べて遜色ない水準になると想定しています。ただし、第4四半期には火災の影響が出てくる可能性があります。


Q9:楽器の利益率が回復していますが、電子楽器の供給が正常化すれば、コロナ前よりも高い利益率を目指せるのでしょうか?

電子楽器は供給不足から売上が低下しましたが、利益は確保できています。加えてピアノやギターなどの収益性が回復してきており、全体として利益率は回復しています。コロナ禍の環境においても工場のコストダウンなどは進めており、供給が回復していけば効果は出るとみています。


Q10:販売管理費抑制の内容を教えてください。

変動費は対前年8割強です。加えて、活動が再開すると見込んでいた旅費交通費は、第1四半期と変わっていません。広告・販促費は、売上の推移を見ながらコントロールしています。


Q11:今期の販管費削減計画104億円のうち固定費の金額と、また来年に向けて固定費がどのように変化するのか教えてください。

今期、104億円の販管費削減見通しにおける固定費は、人件費、旅費交通費、不要不急の修繕費など、活動をしない中で削減されるもの、意思を込めて削減するものの合計で70億円程度です。このうち旅費交通費などは、来期以降もある程度削減が継続できると考えています。一方、人件費は、ある程度戻る可能性があると考えています。


Q12:欧州の楽器業界での競争法の問題ついて解説いただくとともに、価格適正化に支障があるかお聞かせください。

英国で再販価格維持行為に関する競争法違反の疑いで、楽器業界が当局から捜査を受けたことは事実です。当社は当局による指摘の前に自ら報告し、調査に協力したため、罰金は免除されています。行為があったことは深刻に受け止めておりますが、財務的には深刻な影響はございません。価格の適正化についても、影響はないとみています。