2021年3月期第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:今後の販売回復の見通しを地域別、商品別に教えてください。

第2四半期は前年同期比80%程度、第3四半期は95%程度、第4四半期は105%に回復する見通しです。地域別では、中国が先行し、次いで欧米がほぼ同程度のペースで回復しており、日本と新興国市場が少々遅れる見通しです。閉鎖していた店舗の再開で、大型鍵盤楽器も回復すると想定していますが、管楽器は、学校の吹奏楽部活動が再開しておらず、回復ペースが少し遅れそうです。PA機器も、ライブ・コンサート再開の見通しが立っておらず、他の商品よりも回復は遅いとみています。


Q2:第1四半期の楽器の月次販売推移を教えてください。

為替の影響を除いた前年同期比で、4月が6割、5月が7割、6月が9割というイメージです。ただし、7月以降も9割の水準が続くという見通しではありません。


Q3:Eコマース(EC)の販売状況を教えてください。

デジタルピアノ、ポータブルキーボード、ギター、AV機器、およびPA機器のうち、音楽制作用機器などを中心に堅調で、ECの販売比率は、コロナ影響前と比べると5%程度上昇しています。


Q4:モデルミックスの変化が事業利益に与える影響を教えてください。

中国でのピアノの不振、比較的利益率の低いギターの好調など利益率低下の要因はありますが、利益率の高いデジタルピアノが比較的堅調で、楽器は全体として大きな影響はありません。他方、音響機器では、AV機器が堅調な一方、利益率の高いPA機器が苦戦している影響が出ています。


Q5:供給不足の背景として、どの地域でどういった商品の生産が滞ったのでしょうか。

インドネシアで、政府による活動規制から、第1四半期から直近の7月まで工場の操業が5割程度に低下しており、デジタルピアノやギターを中心に供給不足が発生しています。影響は第2四半期にも残り、本格的な回復は下期になりそうです。


Q6:供給不足による機会損失はどの程度でしょうか。

6月末時点で、稼働制限に伴う生産に起因する供給不足が50億円ほど、ステイホーム需要による新たな注文に対して増産が間に合わなかった部分が50憶円ほど、合計100億円程度の受注残がありました。注残は、第2四半期から第3四半期にかけて順次解消していくとみていますが、新たな需要増の可能性もあり、供給体制を強化していきます。


Q7:中長期的な観点から、コロナ影響による市場の変化をどのように捉えていますか。

コロナ影響が収束すると以前の成長軌道に戻ると考えています。ステイホームに伴う新たな需要も拡大しており、こうした需要をしっかりと捉えていきます。また、様々な面でデジタルシフトが加速しており、デジタル/ネットワーク技術を多数保有する当社の優位性を発揮できると考えています。


Q8:市場の変化に対して、売り方の変化はありますか。

以前からデジタルマーケティングに注力しており、デジタルピアノやギター、AV機器では、実店舗だけでなくECを通じた販売が伸びています。こうした傾向が世界的に加速すると考えており、デジタルマーケティングやEC販路の拡充に一層注力していきます。


Q9:音楽教室の状況を教えてください。

子供の受講生は回復してきていますが、大人の受講生は、仕事帰りに会社近くの教室に通っていた方も多く、テレワークとなって戻りが遅いようです。現在、注力しているリモートレッスンは、中長期的に大変に有効な手法と考えており、効果的なレッスンプログラムの開発を進めています。


Q10:期末に向け生産と在庫のバランスについて考え方をお聞かせください。

キャッシュフローを意識して在庫圧縮に注力します。生産は、とにかく売れ筋商品を集中して生産するようメリハリを利かせた対応を行っていきます。


Q11:キャッシュ・アロケーションの考え方について教えてください。

在庫圧縮に加え、設備投資も極力抑えて、キャッシュフローを悪化させないよう意識しています。ただし、安定配当の方針から配当は、前年と同額の1株当たり年間66円を予想しています。


Q12:発生している「その他の費用」の具体的背景と、通期の見通しを教えてください。

第1四半期に、国内の店舗・教室、さらに各国の工場が一定期間稼働を停止したため、この間の固定費を操業停止損として計上しました。いずれも現在は稼働を再開しており、第2四半期以降、同様の損失は発生しない見通しです。