2019年3月期第3四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:3Qで楽器営業利益率が18%を超え好調ですが、その背景・理由と持続性について教えてください。

楽器は限界利益率が高いので売上が伸びれば利益率も伸長します。また、コストダウンの進捗遅れはありますが、各地域での販売価格適正化が進み収益に貢献しています。
今後も収益力向上は持続可能と考えています。


Q2:中国で楽器の2桁成長が継続していますが、市況感をどう見ているのでしょうか。また成長は楽器市場が伸長しているのか、それともシェアが伸長しているのかどちらでしょうか。

足下、高価格帯商品の減速感は出てきているが、ボリュームゾーンでは、まだ顕著な影響は出ていません。流通在庫状況も健全です。楽器は、子供の教育需要に根ざす為、一般消費財に比べ景気に影響されにくいことも要因のひとつだと考えています。但し、今後とも中国での景気減速が続けば、楽器にも影響が及ぶと考えています。また、ピアノの伸びは、市場そのものが拡大しているというよりは、中小メーカーが淘汰される中で、弊社がシェアを更に伸ばしていると認識しています。


Q3:北米の楽器売上が好調ですが、持続性について教えてください。特にピアノ、ギターが順調に見えますが、背景・理由は何でしょうか。また、4Qの予想が弱く見えますが理由は何でしょうか。

北米の売上は、好調な米国景気に支えられ好調です。各チャネル毎の売上も好調に進捗し、流通在庫も健全です。ピアノは新商品が貢献し、ギターはマーケティング施策による商品の展示ウォールの拡充等が貢献しています。また、当社独自の技術によるトランスアコースティックギター等が引っ張り、販売価格帯も上昇してきています。4Qは、3Qまでのピアノ新商品のバックオーダーが解消されてきた等の理由で保守的に数字を予想しておりが、市場の変化等の特別な理由がある訳ではありません。


Q4:欧州の楽器売上が停滞していますが、販売網での取引条件の見直しの進捗状況はどうでしょうか。

大手ディーラーでは条件見直しの定着が進んでおり、中小ディーラーも次第に理解が進んできています。今期、欧州売上が減収の理由として、Brexit、フランスでのデモ、イタリアの財政問題、トルコ情勢等のマクロ環境情勢の悪化があります。また、前期3Qは、5年ぶりに刷新導入された高価格帯ポータブルキーボードGenosが大きく貢献した為、その反動要素を除けば、今期3Qまでの売上は、前年比101%と進捗しています。


Q5:音響事業の4Q売上が強い理由は何でしょうか。

AV機器は北米でのスーパーボウルキャンペーン等で量販店主体に出荷が見込まれること、PA機器はフラッグシップのデジタルミキサーが好調で業務用音響機器が好調なこと、国内の受注済み音響設備工事が4Qに集中し売上が見込めることによります。


Q6:部品・装置、その他の事業で、3Qと4Qに大きく業績悪化となっていますが、どの製品と市場で起こっており、どのような対策が講じられているのか教えてください。

電子デバイスのアミューズメント向け、中国向け民生オーディオの減速が主因です。FA機器は想定通り下期ダウンするも通年では前年を上回ると予想しています。
対策としては、今後、需要縮小が見込まれるアミューズメントに代わり、緊急通報モジュール等、車載関係にシフトを行って行きます。


Q7:今期設備投資が前回予想よりダウンしている理由と従来から計画されていた生産性向上(自動化)への影響を教えてください。

旺盛な中国でのピアノ需要に答えるべくインドネシア新工場の工程を見直したことにより想定以上の時間が掛かっています。インド新工場は計画通りに進んでおり、インドネシア新工場も見直した計画通りに進んでいますが、それ以外の工場の設備投資に若干の遅れが生じています。この遅れにより、海外工場自動化には影響はありませんが、日本から海外への生産工程移管には若干の遅れが予想されます。いずれにしても経営全体に影響を及ぼすほどのものではないと捉えています。


Q8:このタイミングでの自己株式の取得を行う理由を教えてください。

機動的な株主還元と資本効率の向上の為の自己株式の取得は常に念頭に置いています。
今回の自己株式取得は、中期経営計画の最終年度にあたり、業績の進捗を踏まえて、このタイミングで行うのが適切と判断しました。