2016年3月期 第4四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 地域別の販売状況の現地通貨ベースの前期比を見ると、楽器・音響ともに3Qまでに比べて4Qは減速しているように見えるのですが、状況を教えてください。

A1 : それぞれの地域毎に状況は違いますが、例えば北米や中国の楽器に関してですが、前年の4Qは、特に3月に特約店への出荷を積極的に行ったことにより大きく売り上げを伸ばしたものの、4月に減速した反省も踏まえ、今回は出荷を抑えたため、前年ほどは売り上げが伸びなかったという背景があります。
また、北米の音響機器は4Qに減速していますが、AV機器の出荷が前倒し、もしくは後倒しになったことに加えて、PA機器の新商品の出荷がスムーズにいかなかったことが要因です。北米の音響は17/3期に挽回していく見通しです。


Q2 : 通貨別の為替影響について説明してください。
為替変動に対する値上げ等の価格対応についても教えてください。

A2 : USドルは収支バランスが拮抗しているので営業利益の影響はほとんどありません。
ユーロに関しては1円の円高で営業利益▲4.4億円の影響があります。
中国元は円高で利益マイナス影響、インドネシアルピア、マレーシアリンギットは円高で利益プラス影響があります。
適切な価格付けのための値上げは実施していきます。
スライド16の営業利益予想増減要因の「販売粗利改善 +30億円」の中に、製品モデルミックスによる利益改善影響等とともに販売条件の適正化や値上げによる利益改善影響が含まれています。


Q3 : 新中期経営計画で、ブランディング等を含めた戦略的な投資を行っていくということでしたが、今期はどのような施策に費用を使っていくのでしょうか?

A3 : 主なものとしては、販売網拡大のために契約ディーラー数を増やしていくこと、そのためのサポート体制を拡充すること、AV機器の戦略商品であるネットワークオーディオ商品の(MusicCast)の店頭、マスメディアでの露出強化、音響設備事業者のサポート体制強化等に費用を使っていきたいと思っています。


Q4 : 4Qに販管費が上振れした理由について説明してください。

A4 : これまでは、各部門から集まってきた販管費の見込み金額に対して実績が下回る傾向がありましたので、調整を加えて全体の販管費を想定しましたが、今回は各部門の利益が好調に推移してきたことや17/3期の売り上げのために前倒しで発生した費用があったことから上振れいたしました。今回のことを反省し、今後は管理精度を上げるように努めたいと思っています。


Q5 : 前期のLine 6, Revolabs社ののれんの減損による今期の損益押上げ影響額をそれぞれ教えてください。

A5 : Line 6:11億円
Revolabs:8億円
です。


Q6 : Revolabs社のOEMビジネスの状況が変化するというような説明がありましたが、もう少し詳しく教えてください。

A6 : OEMビジネスの事業環境が変わるというような話ではなく、OEMビジネスよりも利益の取れる自社ブランドでビジネスを伸ばしていく方向で考えているということです。


Q7 : 今年度ギターに注力していくということですが、ギター業界ではチャレンジャーの立場であると思いますが、どのように売り上げ、利益を伸ばしていくのでしょうか?

A7 : ギターの中でもアコースティックギターでは、マイク、アンプ等を装備したエレアコというカテゴリーの普及価格帯の製品で市場での存在感が年々上がってきています。これに加えて中級価格帯の製品の売り上げを伸ばすための販売網政策を展開しています。
また、付属資料に挙げているヤマハ独自のTransAcoustic™技術を使ったトランスアコースティックギターやエレキギターの新シリーズRevstarといった新商品の市場導入により、売り上げを伸ばしていこうと考えています。


Q8 : スライド16の営業利益予想増減要因の「増収 42億円」についてもう少し説明してください。

A8 : 為替影響を除く実質ベースで、楽器ハードで対前年103%、音響機器で対前年106%の増収を想定しているので、その分の粗利が主な要素です。


Q9 : 17/3期の営業利益420億円という数字は、中計最終年度目標を前提とした初年度の数値目標として数字ありきで出てきた数字なのか、もしくは積み上げで出てきた数字なのでしょうか?

A9 : 積み上げをベースに算出した数字です。


Q10 : 楽器事業の中国市場の足元の状況や今後の見通しについて説明してください。

A10 : 直近の小売店での販売状況は想定通りに推移していると考えています。
ただ、16/3月期に伸長した入札関連の売り上げは、今後の見通しが立てにくいこともあり、リスク要因といえるかもしれません。


Q11 : スライド16の営業利益予想増減要因の「為替 ▲65億円」について説明してください。

A11 : 円高を想定しているので、影響が一番大きいユーロで約40億円の利益マイナス影響があります。
前述の説明にあるように生産拠点の現地通貨であるインドネシアルピア、マレーシアリンギットはコスト通貨なのでそれぞれ数億円の利益プラス影響、一方で販売通貨である豪ドル、カナダドル、ブラジルレアル、ロシアルーブル等は利益マイナス影響があり、それぞれを合計すると全体で▲65億円ということになります。