2016年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答

Q1 : Line 6減損による今期の営業損益への影響はどれぐらいでしょうか? 同じ時期に買収したRevolabsも減損の可能性がありますか?

A1 : Line 6減損により、今年度の4Q以降はのれんの償却費が発生しないので、今期の営業損益に与える影響は+4億円です。
Revolabsに関しては、現時点では減損の対象とは考えておりません。


Q2 : AV機器の新商品効果はどれくらいでしょうか? また、その効果は地域的にはどのように表れていますか? 3Qに対して4Qの前年比が落ちている理由は何でしょうか?

A2 : MusicCastという新しい機能をもった新商品の導入効果も含めてAV機器全体では3Qが対前年で117%と伸長し、地域的には欧州、北米、中国で大きく伸びています。
12月に前倒し出荷の要素もあり、その反動が4Qの前年比に影響すると想定しています。


Q3 : 自社株買いの金額を200億円に設定した理由についてご説明ください。 さらなる自社株買いをするための条件は何でしょうか。 ヤマハ発動機の株式の売却についての考え方を教えてください。

A3 : 今期の着地想定が見えてきたこの時点で、2016年3月までの現中期経営計画におけるフリーキャッシュフローの想定をベースに200億円という金額を算出しました。
さらなる自社株買い、およびヤマハ発動機の株式の売却については、現時点で申し上げられることはありません。


Q4 : 3Qの売り上げが前回想定に近かったのに対して、営業利益が大きく上振れした理由について教えてください。

A4 : モデルミックスの良化、特に利益率の高い電子ピアノが好調だったことと、販管費減が主要因です。


Q5 : 為替影響の考え方について教えてください。

A5 : ヤマハ(株)でのUSドルの為替影響算出方法を見直しました。
これまで営業外の収支も含めたUSドルのネット収支を基に算出していましたが、営業外の収支が無視できない金額になってきているため、今回から営業収支のみを取り出して算出するように変更いたしました。
第4四半期の為替レートについて、USドルは120円、ユーロは130円の想定をしており、足元の状況を勘案すると、概ね想定通りの水準で進捗すると考えています。
新興国通貨については、通貨毎にかなり跛行性があります。その中では中国、インドネシアの通貨の影響が大きく、中国元高円安で利益プラス(収入超過のため)、インドネシアルピア安円高の場合に利益プラス(支出超過のため)の方向となります。
第4四半期は、それぞれの通貨の影響が相殺する形で、全体として見れば為替影響は非常に小さくなる見通しです。(対前回予想)


Q6 : 今回、M&A案件に関する減損や株主還元施策として自己株式取得の発表がありましたが、今後の資金の使い方の方針に変化はありますか?

A6 : 基本的な方針に変更はありません。M&Aを含めて成長に向けた投資は積極的に行ってまいりますし、結果としてのフリーキャッシュフローの中から株主還元を行いたいと考えております。


Q7 : 各地域の楽器・音響事業好調の要因をどのように分析していますか?

A7 : ■欧州
楽器・音響とも市況が堅調な中、当社も電子楽器、PA機器を中心に販売を伸ばしています。
■北米
楽器市場は全体としては成長基調ですが、商品毎に跛行性があります。
ピアノ市場は厳しさがあり、当社のピアノ販売も影響を受けています。
一方でオバマ政権の方針もあり、教育市場が非常に活発で、入札案件も増えていて、追い風になっています。
■中国
市況にやや減速感はあるものの、当社としては入札案件やネット販売が増えていることや商品別にはギターの販売増等が3Qの好調な実績に寄与しました。
■その他の地域
マクロ経済に連動して、市場ごとにかなり跛行性があります。
南米、ロシア、タイ、マレーシアといった市場には厳しさがありますが、インドネシア、インド等は上方基調にあります。
■日本
市場が横ばいもしくは若干減少傾向の中、当社は競争力を維持することができていると思います。


Q8 : 来期の販売の見通しについてご説明ください。

A8 : 来期予算の策定中で、現時点で申し上げられることはあまりありませんが、基本的には今期の基調が継続するのではないかと思います。


Q9 : 今後、ヤマハ発動機株式を売却する場合に株主還元を期待できますか?

A9 : ヤマハ発動機株式の売却に関して、現時点で申し上げられることはありません。
株主還元については、成長に向けた積極的な投資行った結果としてのフリーキャッシュフローの中から適切な株主還元を行いたいと考えております。


Q10 : 楽器の足元の状況を教えてください。特に欧州と中国の市場に変調はないでしょうか?

A10 : 年末から年明けにかけて大きな基調の変化はないと考えています。
3Qに好調だった欧州と中国の4Q想定を抑えめにしているのは、市況の変化ではなく3Q末の先行出荷の影響を勘案したことが主要因です。


Q11 : 欧州の在庫の状況を教えてください。

A11 : 欧州の流通在庫は若干多めになっていると思います。当社の在庫に関しても若干上振れしていますが、不良不動在庫等の特段の問題はないと考えています。


Q12 : 好調なPA機器の3Qの状況をもう少し詳しく教えてください。

A12 : 日本国内は、設備音響工事の伸長がPA全体の大きな伸びにつながりました。
欧州、中国は二桁の伸びを示していますし、その他の地域も概ね順調な進捗をしています。
北米は、対前年を若干下回っています。特にCA機器(業務用PA機器)で苦戦しましたが、今後回復してくると考えています。


Q13 : 電子部品の市況が厳しくなっていると思いますが、来期の見通しについて教えてください。

A13 : 来期予算の策定中で、現時点で詳しくお話できる状況ではありませんが、基本的には今期から大きく売り上げを落とすということはないと考えています。
確かにアミューズメント等の市場環境は厳しくなっていると思いますが、その他の商品で拡大を見込めると考えています。
損益分岐に関しても今期と大きな変化はないと考えているので、今期並みの売上水準であれば利益が確保できると思います。


Q14 : 来期の収益性の改善についてどのように考えていますか?

A14 : 現在策定中の新しい中期経営計画の中でも収益性の改善は大きなポイントであると考えています。いかに継続的にコストを下げていくか、いかに製品、サービスの付加価値を高めていくか、ということに関して議論を深めているところです。