2016年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 中国市場において好調な楽器について、今後減速の懸念はあるものの、見通しに変更はないということでしたが、もう少し背景の説明をお願いします。

A1 : 中国の楽器好調の主要因であるピアノについては、小売りは若干減速感があるものの、学校等への入札の成約件数も増加しているので、当面は上期の状況が継続していくものと考えています。
また、アコースティックピアノに対する売上比率が低かった電子ピアノが、ここにきて伸長してきていることも要因の一つです。


Q2 : 上期に対して下期の利益率が低くなるのはどのような要因があるのでしょうか?

A2 : ◇上期には半導体の利益率の高い商品の前倒し出荷があり、損益改善があったこと
◇利益率の高い電子ピアノ新商品の出荷が下期から上期に前倒しとなったこと
◇上期に発生が遅れた販管費が下期に発生すること 等が主要因です。


Q3 : 販管費について、上期は前回想定より増加したのに対し、下期は前回想定より減少する見通しとした背景についてご説明ください。

A3 : 売上伸長により、前年と比較すると、上期の販管費は7億円増加し、下期には8億円増加し、通期では15億円増加する見通しとしています。
ただ、下期に発生すると考えていた販管費が、前回想定レベルほどには増加しないと考え、対前回予想では販管費減の見通しとなっています。


Q4 : 営業利益率増減要因として「粗利率良化」とありますが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

A4 : ◇電子ピアノのコストダウンの進捗
◇半導体の商品構成の変化(粗利率の高い商品の出荷増)
◇管楽器の売上伸長による製造損益の良化 等が主な要因です。


Q5 : 楽器事業の収益性について、今後の見通しについてご説明ください。

A5 : 上期に対して下期は楽器の利益率が若干下がる見込みです。
◇利益率の高い電子ピアノ、管楽器の出荷が上期に多いこと
◇下期は、工場稼働益が上期ほどは出ないこと 等が主要因です。
長期的には、アコースティック楽器のコストダウン施策のこれまでの取り組みに加え、更なる計画もあり、今後も利益率を良化させる余地はあると考えています。


Q6 : 中国の楽器市場の状況、競合状況等についてもう少し詳しく教えてください。

A6 : ピアノの成長率は鈍化傾向にあると思います。
ただ、地域によって状況は異なり、都市部では減速傾向にありますが、周辺部ではまだ成長傾向が見られるので販売網拡充を進めています。
一方で、電子ピアノの市場が急速に拡大しているので、市場拡大に即した施策を展開しています。


Q7 : PA事業の足元の状況と下期の見通しについてご説明をお願いします。

A7 : PA事業が最も堅調に推移しているのは欧州市場です。
その一方で、期待値に届いていないのは北米市場です。販売体制を変更した直後ということもあり、上期の売上げは苦戦しましたが、下期には回復してくると想定しています。
中国市場、その他の市場においても、売上げは堅調に伸長しています。
また、下期に大型デジタルミキサー新商品の導入も予定されているので、売上伸長に寄与すると考えています。


Q8 : Line 6、Revolabsの状況について教えてください。

A8 : 両社とも概ね計画通りに推移していると認識しています。
Line 6に関しては、単体の営業利益ベースで前期赤字でしたが、今期の黒字化は難しいものの、赤字幅は大幅に縮小すると考えています。
Revolabsに関しては、新しい商品ジャンルの開拓等による経費増もありますが、売上げは前年を大きく上回る見込みです。


Q9 : ヤマハ発動機株式会社の株式についての現在のスタンスを教えてください。

A9 : ヤマハ発動機は、当社の一部門が分社独立した会社で、当初は株式の持ち分100%でしたが、その後持ち分比率を減らし、2007年には持分法適用関連会社から除外し、現在に至っています。
ヤマハ発動機は、ヤマハブランドを世界中で共に使用する企業として重要なパートナーであり、「合同ブランド委員会」を設け、様々な取り組みを共同で実施するとともに、株式の保有を通じ、相互の持続的成長を適切にモニタリングすることで、ヤマハブランド価値の維持・向上を図っています。
どのくらいの株式保有が適切かという点については、常に様々な観点から検証し、検討をしていきたと考えています。


Q10 : 今後の楽器事業の収益率について、中田社長の考え方を教えてください。

A10 : 楽器事業全体の利益率は10%を超えましたが、商品カテゴリーにより跛行性はあるので、現時点で利益率の低いエリアではまだ収益率を上げる余地が充分あると考えています。
現在策定中の新中期経営計画で、中長期的な観点から、さらにブランド価値を高め、圧倒的な差別化を図る商品価値を創造することで、収益率の向上は可能と考えているので、その方法について検討しています。


Q11 : 現在策定中の新中計の中で、どういった方向を目指すのかを教えてください。(売上規模、収益性、ROE等)

A11 : ユニークな会社であり続けたいと考えています。
いたずらに売上規模の拡大を目指すというよりは、代替のきかない、世の中になくてはならないものを創り、収益性はその結果として上がってくるものと考えています。
ROEについては、一定以上の水準を目指していきますが、それ以外にもEPS、PER、時価総額といった指標も意識して取り組んでいきたいと考えています。
また、現在は売上げ、利益の面で、楽器・音響機器事業で全社の90%以上を占めていますが、将来の成長のスタンスとしては、
◇楽器事業は更なる収益性の向上
◇音響機器事業は楽器事業に比する規模への拡大
◇楽器事業、音響機器事業に並ぶビジネスの柱となる事業の確立 を目指したいと考えています。


Q12 : マクロ経済環境の悪化等のリスク認識と、それに対する取り組みについてご説明ください。

A12 : 環境の変化に対応するために
◇第2、第3のビジネスの柱の確立
◇コスト削減施策の推進
◇為替変動をある程度反映する柔軟なプライシング といった点について検討をしています。