2015年3月期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 2016年3月期のその他の地域の楽器売上の前年比が現地通貨ベースで102%というのは低い気がするのですが、どのように考えているのでしょうか?

A1 : その他の地域の回復のペースについては、今期は慎重に見ています。
例えばロシアでは、急激な為替変動による度重なる値上げの際の駆け込み需要で出荷が伸びてきましたが、今後の見通しは不透明です。
また、ブラジルの経済等、懸念事項もあるので、慎重な見通しとしています。


Q2 : 2016年3月期のPA機器の売り上げは前年比109%となっていますが、9%伸びる要因について教えてください。また、二桁の伸びに達するためには何が必要でしょうか?

A2 : デジタルミキサー新商品(特にTFシリーズ)の市場導入やCIS市場(ホテル、ショッピングモール等の商業空間の音響システム)での売上拡大等で伸ばしていきたいと考えています。前期4Qに大きく伸長した音響設備工事を今期は慎重にみており、二桁の伸びとはせず109%としましたが、基調としてはようやく回復に力強さが見えてきたので、二桁を目指していきたいと考えています。


Q3 : 2015年3月期の4Qに販管費が上振れた要因について教えてください。

A3 : 3Q時点での4Q販管費削減見込みに対し、見込みが十分でなかった経費の発生や、売上プッシュの為の販促費が予定を上回ったことなどで販管費増となりました。


Q4 : PA機器事業等、成長事業に関する技術面での取り組みの状況についてご説明ください。

A4 : 以前は事業部毎に分かれていたエンジニアを、開発本部という一つの組織に集結することで、開発における技術的なシナジー効果を生み出すような組織としました。


Q5 : 2015年3月期の4Qに音響設備工事が大きく伸びたとのことですが、4月に入って反動はありますか?

A5 : 音響設備工事に関しては、受注→施工→売上という流れになっていて、受注後かなりの時間経過後に売り上げがたつ為、例年3月に売り上げが集中します。ですから、先期末の反動という要素はあまりなく、今期に入っても今のところ、昨年に続いて受注は順調です。


Q6 : 2016年3月期の音響機器事業の利益の伸びが少ないのではないでしょうか?

A6 : 音響機器事業の中の音響設備工事についてコンサバティブに見ていることもあり、営業利益は対前期+6%の65億円とみています。


Q7 : 音楽教室は国内は少子化で縮小傾向なのかもしれませんが、海外での成長計画は不変と考えて良いのでしょうか?

A7 : 音楽教室事業の運営の変更は、事業縮小のための施策ではなく、業務を一元化することで事業の強化を狙った施策です。また今回の変更は国内の音楽教室事業についてだけが対象で、海外の音楽教室事業については、引き続き従来の体制で成長を目指していきます。


Q8 : 2016年3月期の楽器事業の利益はもう少し出るのではないでしょうか?

A8 : 2016年3月期は、ユーロの為替想定が130円と前年実績の141円から大きく変動していて、これが営業利益に大きなマイナス影響を与えることを主に考慮しています。


Q9 : 消費増税の影響で伸び悩んでいる国内の高価格帯ピアノの受注の回復が遅れていると聞いていますが、どのような状況でしょうか?

A9 : まだ完全には回復していない状況です。今期は高価格帯のグランドピアノについては、完全に回復はしないとみていますが、アップライトピアノは回復してくると見込んでいます。


Q10 : 2015年3月期の当期利益が見込みを上回った要因についてご説明ください。

A10 : 受取配当金、特許料収入の増加に加えて、繰延税金資産の追加計上等が主な要因です。


Q11 : 2016年3月期の半導体事業の売り上げ、利益の考え方について教えてください。

A11 : 構造改革に伴う固定費削減や研究開発費削減等による損益改善があり、売上130億円、営業利益5億円というのが今期のベースラインですが、より利益率の高い製品の販売を伸ばしていくことでより利益を積み上げていきたいと考えています。


Q12 : 2016年3月期の楽器事業の計画をみると、中国市場を前年比111%と伸ばす計画になっていますがどのような要因を織り込んでいるのでしょうか?

A12 : 中国で販売比率の大きいピアノも伸ばしていきますが、電子ピアノやギター等、その他の楽器の市場も広がってきているので、そこも伸ばしていきたいと考えています。主要生産拠点である中国の工場で生産する新商品の市場導入も販売伸長に寄与すると考えています。市場の流通在庫については、劇的に改善していないものの、少しずつ正常化していると認識しています。


Q13 : 中期経営計画では、ネットで70億円のコストダウンを見込んでいるということでしたが、その中身についてこれまでの状況と今後の見通しについて説明してください。

A13 : コストダウンの中身は「調達コストダウン」「生産性向上による人件費抑制」「国内生産構造改革の効果」で、ほぼ計画通り進捗していて今期も順調に進んでいく見通しです。今後についてですが、調達コストダウンと生産性向上については、さらに進めていく余地があると考えています。調達コストダウンについては、中国・深圳に調達駐在員事務所を設置し、海外での部品調達を集中させることで、さらなるコストダウンができると考えています。生産性向上に関しても、生産方法等を改良することでまだコストダウンを進められると思います。


Q14 : 10月を終えて、直近の楽器の地域別の状況はいかがでしょうか?

A14 : 出荷ベースで言えば、多少地域毎に跛行性があり、北米は順調、2Q末に出荷が進んだ欧州や中国はやや弱含みに進捗、といった部分もありますが、市況自体についてはこれまでの想定から大きくは変わっていないと認識しています。


Q15 : 今回の半導体事業についての決定を機に、今後の事業、経営の方向性もしくはお金の使い道が変わる、ということはあるのでしょうか?

A15 : 基本的には、これまでの方向性が大きく変わるということはありません。