2015年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 北米市場の4Q現地通貨ベースでの販売想定ですが、対前年同期で、3Qの実績値と比較してかなり強い伸びを想定されています。その背景を教えてください。

A1 : 北米市場は全体で堅調な推移をしているとの認識が基本にあります。加えて、1月に米国西海岸で開催された楽器のトレードショーにおいて新商品の評価・受注が好調であったことも理由の一つです。音響機器については、欧州市場に比べ市場浸透の遅れがあった、新商品のローンチングも円滑にすすむとの想定をしています。アメリカ現地法人の1月の速報ベースでの販売状況でも現地通貨ベースで二桁成長を達成しており、想定線で推移していると考えています。北米市場の堅調な販売状況の背景としては、市場全体の成長と、当社新商品の効果など両面の要素があると考えています。


Q2 : 為替影響についてうかがいます。4Qのユーロ140円想定は為替予約水準等の裏付けによるものでしょうか?

A2 : 4Qのユーロについては為替予約を143円程度で済ませており、今回の為替レート見直しの前提になっています。今後のユーロの為替変動によって、今期4Qに大きな影響を受けることはありません。


Q3 : 電子部品(半導体)事業について伺います。構造改革諸施策により、来期は損益改善、黒字化想定と承知していますが、今回の業績予想の下方修正により、来期の損益の目線はどの程度の水準になるのでしょうか?また、売上高については、今期から更に減収となる可能性はあるでしょうか?

A3 : 来期は、鹿児島の工場譲渡に伴い固定費の削減効果で約15億円、研究開発費の減で約13億円 計約28億円の損益改善を想定しています。今期の損益下方修正で、黒字化へのハードルは上がりますが、黒字化に向けて取り組みます。また、来期の売り上げについては、今期から更に減収となる想定は現時点では考えていません。


Q4 : FA事業について現状を教えてください。

A4 : FA事業は上期の9月は売り上げが過去最高レベルと好調に推移しましたが、その後受注が急減しました。12月からはまた海外需要が活発化し、受注回復傾向にあるものの、通期ベースでは、前回予想の売り上げレベルまでは届かない見通しです。


Q5 : 3Qの為替の増益影響の内訳を教えてください。

A5 : 対前回予想比較+12億円の内訳ですが、対ユーロでの円安による増益影響に加え、製造子会社の対ドルの影響が約4億円、子会社の様々な通貨の読み替えによるものも約4億円程度あります。対前年同期比較+13億円の内訳は、対ユーロでの円安影響に加え、製造子会社の対ドル影響が2億円強、全世界での子会社の営業利益の円への読み替えも5億円程あります。


Q6 : 欧州の4Qの見通しを引き下げたと思いますが、その見通し変更の背景について教えてください。

A6 : 欧州市場では、厳しい状況であった南欧は回復してきていますが、主要市場のドイツが苦戦、英国についても減速傾向にあり、全体には厳しい状況で、今回の想定見直しの理由となっています。1月の速報ベースでの販売状況は前年並みの結果となっており、想定線での推移と認識しています。


Q7 : 欧州市場の販売ですが、3Qに想定していた新商品の販売が悪かったということでしょうか?

A7 : デジタルピアノを始めとする新商品は全般的に好調に推移していますが、前年導入したポータブルキーボードの大型商品が、想定よりも早く息切れたしたことなどが影響しています。


Q8 : AV機器販売状況の足元の状況はどうなっていますか?PA機器の状況についても教えてください。

A8 : AV機器市況に、特に直近で大きな変化があるわけではありません。ここ1年半程の間に需要構造が大きく変化し、CD等のメディアから楽しむのではなく、配信(ダウンロード ストリーミング)で、手軽に簡単に楽しむというライフスタイルの変化が進展、当社の商品が、十分に変化に対応出来ていないことが要因の一つであると考えています。
PA機器は成長していますが、主力のデジタルミキサーQLシリーズの北米市場での拡売をスピードアップすること、来期に向けての新商品を梃に成長を加速させていきたいと考えています。ASEAN地域においてもマーケティング体制の強化が必要と認識しており、そのための準備を進めているところです。


Q9 : 音響機器の来期回復の見通しはどうでしょう?AV機器やPA機器、カラオケの利益率の水準について教えてください。

A9 : 全社の方向性として、楽器事業での収益力強化と音響機器(特にPA機器)での成長を目指していますが、音響機器の利益水準についても改善が必要であると認識しています。AV機器の3Q累計での売上高営業利益率が一桁後半で、PA機器、カラオケ機器が二桁あることに比べると収益力が弱い状況です。PA機器につては、前期実績から利益率は上向いており、更に高めていくつもりです。


Q10 : アジアでのPA機器の拡大ですが、どの様な商品で成長を見込むのでしょうか?

A10 : デジタルミキサーのみならず、商業施設(レストラン カフェ等)向けの商品(天井設置のスピーカー等)の成長を想定しています。ミュージシャン周りのPA機器についても中産階級の増大で増やしていけると考えています。


Q11 : 新規連結2社の業績に与える影響ですが、中間期の業績から悪化していますがその内容について教えてください。

A11 : 前回見通しからの損失の拡大は、Line 6の損益悪化が主要因です。Revolabsについては想定通りで推移しています。


Q12 : 来期の新規連結企業による損益影響は、のれん償却を除外したベースで、想定はブレークイーブンもしくは黒字にしていくという考えでしょうか?

A12 : その通りです。それぞれの会社ののれん償却を除外したベースでの黒字化をめざしていくというとですが、それに加えてヤマハとの相互シナジーの創出についての取り組み効果が、来期は出てくると考えています。


Q13 : 中期経営計画の目標数値ROE 10%に向けて、どの様に考えているでしょうか?

A13 : 今回予想の数値を達成すると為替前提は異なるものの売上高4,300億円、営業利益300億円の目標は一年前倒しで達成することになります。中期計画最終年度のROE 10%の目標はマネージメントとしての重要なテーマとして意識しています。今期見通しと来期の目標にはまだ、距離がありますが、この目標を達成するために来期の計画の中で、株主還元策も含め積極的に考えていくつもりです。