2014年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 1Qの楽器販売が、その他の市場で対前年同期比▲5%の実質減収と厳しい状況でしたが具体的にどの国が振るわなかったのか教えてください。
また、通期では+4%成長となる予想で、現状から見ると達成へのハードルは高いと思いますが、今後の施策について教えてください。

A1 : 1Qの楽器販売では、韓国 マレーシア メキシコ、ブラジルなどが厳しい状況でした。
通期の成長率想定は、前回予想の6%から今回4%への見直しを実施しましたが 韓国、マレーシア等のその他市場における成熟市場では、ピアノ、管楽器等の売上比率が高く、一時的な在庫の増加などで厳しかった状況から、今後の回復を想定しています。また、ブラジル等新興国市場は、PA機器の比率が高く、今後の新商品の投入等による回復に期待しています。全地域での販売網強化、セールスフォース強化に取り組んでおり、その成果を通期で織り込んでいます。
通期予想の達成には、決してハードルは低くないと全社で共有しています。販売網の拡大と音楽教室の整備による楽器演奏人口の拡大にも継続して取り組み、そうした効果が今後見込めると考えています。
積極的な販売プロモーション展開や市場の状況を見ながらの価格政策も打ち出していくつもりです。


Q2 : 1Q在庫水準の確認をさせてください。前回予想に対しては、どの様な水準と認識しているでしょうか?

A2 : 1Q末の在庫水準については、前年から+131億円の為替による増加があり、為替影響を除外した水準では▲31億円の対前年同期実質減少となっています。
一方、前回予想との比較では、海外市場での販売が振るわなかったことがあり、若干多い水準と認識していますので、今後、一部商品での生産計画の見直しなど対応策を講じる予定です。


Q3 : 第3四半期の実質販売管理費が対前回予想で減少していますが、海外物流費が減少したことも一因となっていますか?

A3 : 電子ピアノについては、1Q販売が堅調に推移したことで、流通在庫について特に問題がある状況とは考えていません。今後も堅調な推移を継続できると考えています。


Q4 : スライド5の営業利益分析での実質販売管理費▲24億円の具体的な内容について教えてください。また、今後の販売管理費の発生についての見通しを教えてください。

A4 : 前回予想との比較で人件費や販売促進費などの減少で▲24億円となりました。 但し、一部経費の発生遅れ等もありますので今後、2~4Qで増加するものと想定しています。
1Qの販売管理費減▲24億円と通期の販売管理費減▲9億円の差が、今後発生してくるものとご認識ください。


Q5 : 四半期毎の販売想定について、楽器が1Qより2Qが増収になるにもかかわらず減益となる理由を教えてください。また電子部品 の営業利益の四半期毎の考え方も教えてください。

A5 : 四半期毎の利益の出方については、楽器販売の2Qは前年並みで推移する想定ですが、生産高を若干減らすということや、経費の発生遅れ、又、2Qまでは、売上を慎重に見ているというのが主な要因です。
電子部品については、1Qは前期の事業構造改革効果と増収により、黒字転換となりましたが、今後については、B2B事業の特性として、納入先との関係で一定の想定は出来るものの、今後のリスク等も考慮し、通期損益ブレークイーブンの想定とさせていただいたことが主な前提となっています。


Q6 : 2014年3期下期の売上高を110億円、上方修正しましたが、利益を据え置いた理由を教えてください。

A6 : 主な要因として2つあると考えています。
毎年のことですが、4Qで発生遅れ等も含め経費が出てくることで、4Qは営業利益がゼロ、若しくは赤字となることが多い為、下期のほうが利益水準は厳しくなる傾向にあります。
もう1つは、1Qの販売が振るわなかったことから、大幅なものではありませんが生産の調整をすることも想定したことがその理由です。
この2つの理由から下期の営業利益を慎重な見通しとしています。


Q7 : 音響機器が、欧州で1Q 7%の実質成長が通期で2%の成長と減速する要因を教えてください。

A7 : デジタルミキサーの主力商品のCLシリーズが、これまで欧州市場を牽引してきた訳ですが、需要の一巡などで少し減速してくると想定していることが主な要因です。また、損益面では、PA機器の新商品開発の経費が先行して発生してくることから、1Qに比べて2~4Qは厳しくなるもの想定しています。


Q8 : 楽器事業、音響機器事業の月次ベースでの対前年同期の実質成長率は4-5月と較べて6-7月はどの程度でしょうか?

A8 : 正確な数字は手元にありませんが、6月は一旦、前年に対し減収幅が拡大しましたが、7月は、多少回復の兆しが見えてきています。


Q9 : 楽器事業の6月は対前年同期比±ゼロ近くまで回復したのでしょうか?

A9 : 市場にもよりますが、インドネシア、ロシアなど新興市場の一部では前期を上回りました。
一方で、中国は、前年同期を下回りました。また欧州は前期の1Qにトレードショーでの受注分が、多く出荷できたために今期はその分が下回りました。逆にいえば前期は1Qの出荷が好調だったために、それが流通在庫となり2Qが落ち込みました。それに対して今期は、在庫増による落ち込みが無いことから2Qでの回復を見込んでいます。アメリカはほぼ前年並みで推移しています。


Q10 : 為替影響58億円について、従来お聞きしていたドル、ユーロの感応度から考えると大きい気もしますが、感応度が変わったのでしょうか?それとも他通貨の影響も含まれているのでしょうか?

A10 : 為替の感応度については、これまでと変更はなく、1円変動した場合の営業利益影響は、ドル0.6億円 ユーロ3.8億円となっています。今回の為替影響想定にはカナダドル、豪ドル等の影響も含まれています。


Q11 : 中田社長に伺います。社長に就任されてヤマハの抱える課題と、逆に成長に向けてのポテンシャルと捉えている点は何でしょうか?

A11 : 就任後1ヶ月が経過し当社の事業の現状理解に努めてきました。課題としては、楽器以外の事業で先行きの不透明感が払拭できていないことが挙げられます。
それに対して、逆に、楽器では電子楽器 PA機器 ICT機器、AV機器等のエレクトロニクス事業の成長ポテンシャルがあると認識しています。8月1日付けにて開発、生産、販売の機能別の組織に変更を行いました。昨年10月に楽器・音響機器のマーケティング部分の一本化を実施しましが、それに続くものです。専門力の強化と人材の育成、これまで交わることの無かった人材の交流等による様々な効果を期待しているものです。今中期計画、その次に控えるフェーズの目標達成に向けて進んでいきたいと考えています。


Q12 : 楽器の期末在庫が対前回予想に対し、30億円増加する理由を教えてください。

A12 : 前年は期末在庫を大幅に絞り込んだ影響で4月以降の売れ筋商品の供給がやや不足しました。
今回は、販売会社での適正な在庫を確保するために生産の見直しを行い、期末在庫を若干多く保有することにしました。


Q13 : 当期の電子部品売上高を前回予想から下方修正していますが、これは一時的要因ですか?
また、来期以後の電子部品の販売、利益の実力値をどう見たらいいでしょうか?

A13 : 当期の電子部品の売り上げ下方修正は、主として、納品先の事情によるもので、中期的には、地磁気センサーなどアナログ商品を中心に売り上げ伸張を期待しています。収益性については、競合激化は想定されるものの、適正な利益レベルを確保できるよう引き続き努力していきます。また、現時点では、生産能力増強のためなどの多額の設備投資は予定していません。


Q14 : 当期で、AV・ITの通期営業利益を上方修正した背景には、カラオケ機器の好調が寄与していると思いますが、来期の営業利益は、どう見たらいいでしょうか?

A14 : カラオケ機器は10月から新商品を発売し、今期1万9千台出荷の予定です。追加オーダーも頂いていて好調を継続しています。来期も同レベルの出荷は見込めるものと期待しています。


Q15 : 楽器事業の営業利益について第3四半期実績および第4四半期予想の対前年増減要因を教えてください。

A15 : 第3四半期については、前年同期営業利益29億円に対し43億円の実績となりました。
対前年同期の営業利益減少要因としては為替影響▲16億円、材料費上昇▲3億円、海外物流費アップ▲4億円、実質販管費増▲1億円があります。
一方、増益要因は、増収増産による増益34億円、退職給付債務の利差益2億円、ピアノ掛川工場の構造改革効果2億円が内訳となります。
第4四半期の損益については、前年同期と同額の▲27億円を見込んでいます。
対前年同期の減益要因は、為替影響▲10億円、材料費上昇▲1億円、海外物流費アップ▲2億円、減収に伴う減益▲4億円。
増益要因は、実質販管費減14億円、退職給付債務の利差益1億円、ピアノ掛川工場の構造改革効果2億円を想定しています。


Q16 : 1月の楽器の販売状況をわかる範囲で教えてください。第3四半期までの販売状況に比べて、変化はありませんか?

A16 : 北米の1月売り上げは対前年同期2桁増で、第3四半期までのトレンドに変化はありません。
欧州は商品ごとにばらつきはありますが、前年同期比増と見ています。
国内は、ピアノがインドネシア製アップライトの導入等もあり復調傾向にありますが、全体では前年を少し下回って推移しています。
中国は引き続き2桁成長を維持できるものと見ています。