2012年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 対前回見込みに対して、震災による生産遅れ▲15億円の内容を具体的に教えてください。4Qにも影響が残るのでしょうか?

A1 : 11月で部品供給にめどがつき、大幅な増産を開始しましたが、確保していた要員の習熟度が充分でなく、歩留まりが悪化したことに加えて、残業や休出によって労務費が上昇し、インドネシアの電子ピアノ、ポータブルキーボードを中心に影響が出ました。影響は3Qでほぼ終息したものと認識しています。また、1月にはインドネシアのストライキの影響で数日間当社工場稼動がストップしましたが、1月中には概ねキャッチアップできており、4Qでの影響はないと認識しています。


Q2 : 電子部品の通期売上高見通しを200億円から165億円に引き下げた要因を教えてください。また、来年以降の見通しについても教えてください。

A2 : ほぼ全商品で売り上げを下方修正しました。前回見込んだ4Qでのアミューズメント機器向けの売り上げ回復は市場の冷え込みで顧客の販売が思わしくないことに加え、完成品メーカー同士の厳しい競合状況の影響も受け、思うように進んでいません。他の用途向けでも完成品メーカーでの売り上げ不振のほか、販売価格の下落が大きく影響しています。地磁気センサーは19億円の売り上げ見込みで当初の期待から大きく下方修正しています。
来期計画は策定中の為、具体的数字は申し上げられませんが、事業環境の急回復は難しいと認識しています。


Q3 : 対前回予想で楽器の実質減収による減益が▲44億円との説明がありましたが、売上高の修正幅に比べて大きすぎではないでしょうか?

A3 : 震災後の生産遅れが利益率の高いデジタル楽器だったことが大きく影響しています。 ▲44億円の内訳は、電子楽器の生産遅れによる粗利減が▲15億円、その他商品の売り上げ減32億円による粗利悪化が▲15億円、生産操業ロスその他で▲14億円です。
また、4Qは管楽器の損益改善を見込んでいましたが、生産拠点統合に伴う並行生産等で生産コストが思うように下がらず、損益悪化に影響を与えています。


Q4 : 前回予想よりも在庫が膨らみ損益も悪化していますが、商品供給遅れなのでしょうか、あるいは販売が苦戦しているのでしょうか?実需ではなく、生産遅れで本当にこれほど利益の下方修正となるのでしょうか?

A4 : 製造面では想定よりコストがかかってしまいました。年末需要期の販売に想定した商品の供給が間に合わず在庫増になり未実現利益のマイナス影響が出ました。また、生産遅れにより仕掛品も増加しました。
実需による影響が全くなかったかどうかは、厳密には欧州市場などで判然としない部分もありますが、基本的には生産遅れによる販売機会損失と捉えています。


Q5 : 75億円まで営業利益の落ちた楽器事業の実力として、来期はどの程度を見込めるのでしょうか?

A5 : 今期は、販売機会損失のあったデジタル楽器などが、本来の営業利益率を確保できなかったことに加えピアノの損益改善なども進行中であり、単純に震災影響を除いた数字が実力値とは考えていません。来期計画は策定中であり、具体的な数値をお知らせできる段階にはありません。


Q6 : 電子部品の4Q売り上げ予想が2Q時点での予想を大きく下回り、また損益予想が通期▲30億円と大きな下方修正となっていますが、その理由と今後のシナリオについて教えてください。最悪のケースを想定した対応を決断するタイミングはいつになるでしょうか?

A6 : 半導体事業の損益悪化に対しては、抜本的な対応が必要と捉えています。
タイミングは可能な限り早期にとしか申し上げられません。当初の売り上げ見通しは、商談で概ね決定していたことも含めて状況に大きな変化がありました。開発、製造、販売の各プロセスでの競争力をもっと高めていくことが当面の大きな課題と認識しています。


Q7 : 通期営業利益の対前回予想で実質減収減産▲57億円の内訳について教えてください。

A7 : 楽器▲44億円、AV・IT+10億円、電子部品▲21億円、その他事業▲2億円が内訳です。


Q8 : インドネシアのストライキの要因と状況について教えてください。

A8 : 労働者側による最低賃金20%以上のアップ要求に対し、経営者側の団体がこれを不服として提訴、これに反応して労働者団体が工場団地入口で各社従業員にデモ参加を呼びかけ通勤を妨害する等の事態が発生しました。当社のインドネシアの子会社は、工場内へのデモ隊の乱入等不測の事態を回避する為、数日間操業を停止しました。最終的には大統領により最低賃金の収束案が提示され収束したと認識しています。


Q9 : 最低賃金が仮に25%上がったとすると製造コストにどの程度響くのでしょうか?

A9 : 年々コスト増は見込まれますが、最低賃金のアップで人件費が一律に上がるわけではありません。
インドネシアの人件費は7~8%程度のコストアップを計画に見込む予定です。


Q10 : 北米・欧州での値上げによる駆け込みなど、3Qに影響はあったのでしょうか?

A10 : 12月と1月に、それぞれの地域で商品毎に分散して実施しました。欧州で一部駆け込み需要がありましたが、北米はほとんど影響がなく、概ね受け入れられたと認識しています。


Q11 : 中国でのピアノ事業は市場成長を上回る成長となっているのでしょうか?

A11 : ピアノは20%以上の成長をしてきていますが、中国市場自体の成長はそこまでの水準ではないと推定しています。当社が他社からシェアを奪い高い成長を実現できているものと認識しています。


Q12 : 4Qの電子部品が、売上高46億円に対して、営業利益▲17億円と大幅な損失となった要因について教えてください。

A12 : 4Qで新たに見込んだ要素としては、研究開発費の前倒し▲4億円、鹿児島の製造拠点の修繕費用▲1.5億円、在庫評価減▲2.5億円に加え、コーデックおよび地磁気センサー等の販売単価ダウンもその要因です。


Q13 : 在庫評価減が大きいのはなぜでしょうか?

A13 : 単価ダウンが非常に激しいことによります。


Q14 : 4QのAV・ITもマイナス幅が大きいですが、その理由について教えてください。

A14 : 4Qはカラオケ出荷減の要素が大きく、顧客の在庫調整により、先期4Q 25億円の出荷に対し、今期4Qは2億円の見通しです。


Q15 : 4Qの楽器の営業利益が▲3億円に留まるということは、従来の4Qに比べ、生産調整は少なく、流通在庫も適正ということでしょうか?

A15 : 4Qは生産・在庫について特別な増減要素はありません。販管費の削減を引き続き進めることと、電子楽器の生産遅れの挽回もあり、従来の4Qよりも損益は良化する予定です。


Q16 : 電子部品の損益分岐となる売上高の規模はどの程度でしょうか?

A16 : 現状では、年間売上高200億円(四半期ベースでは50億円)が目安と認識しています。