2012年3月期第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 1Qでの震災影響はどの程度だったのでしょうか?

A1 : 1Q売上高の震災影響は、▲30億円でした。通期では▲117億円の影響を想定しています。
1Qの営業利益での震災影響は、▲12億円の震災影響でした。通期では▲40億円の影響を想定しています。


Q2 : 楽器、AV・IT、電子部品の1Q、2Qの売上高・営業利益についてコメントをお願いします。

A2 : 1Q,2Qそれぞれについて、前年比較で説明します。
1Qの為替影響を除く実質ベースでの売上高は、楽器事業は、18億円の増収となりましたが、生産品目のモデルミックス、為替の影響等もあり9億円の減益となりました。AV・ITは8億円の増収に対して2億円の増益、電子部品は、12億円の減収に対して8億円の減益となりました。
2Qについては、楽器は2億円の増収を見込んでいますが、震災による生産への影響と販売管理費の増加により、5億円の減益を想定しています。AV・ITは、5億円の減収を想定していますが、震災の生産への影響は少なく、2億円の増益を見込んでいます。電子部品は、5億円の減収に対し、利益率の高い商品の減少などモデルミックスの変化により、11億円の減益を見込んでいます。


Q3 : 電子部品の調達難についての状況と今後の見通しを教えてください。

A3 : モデル別に生産可能かどうかといった影響とは異なり、現地法人の在庫で対応できるものもあります。状況は改善されてきてはいるものの、例えば、主力の電子ピアノCLPシリーズの特定モデルや、低価格帯のYDPシリーズで生産影響が出てくるなど2Q,3Qの業績に影響は残ります。対策として、現地法人の在庫販売や代替モデルの販売拡大を進めていく予定です。


Q4 : 震災影響は1Qで営業利益▲12億円とのことですが、当初想定した震災影響から通期改善額20億円は1Qの実績に含まれているのでしょうか?

A4 : 1Qの震災影響は当初15億円を想定していたので、3億円の改善となります。今後も四半期ごとに改善を見込んでいます。


Q5 : 2Q~4Qの電子楽器の売上は▲6%を見込んでいるが、震災影響によるものですか?

A5 : 電子楽器では部品調達難による生産影響により約60億円の売上減となるが、影響を受けないモデルの販売などの対応による売上カバーも含めて、2~4Qで▲6%を見込んでいます。


Q6 : 中国及びその他の地域での楽器販売が1Qの実績に比べて、通期で対前年減速を見込む理由は何でしょうか?

A6 : 1Qの実績の伸びに特別な要素はなく、通期予想の+11%は多少慎重な見通しと言えます。震災影響も欧米に比べれば少ないものと見ています。


Q7 : 1Q営業利益が対前回予想から+26億円上振れたうち、震災影響が想定より少なかったことによる改善は3億円のみでしょうか?

A7 : 震災による直接的影響想定に対する改善は3億円ですが、在庫の販売や、欧州での好調なピアノ販売や国内楽器の堅調な推移といった要素もあり、対前回予想26億円増となりました。


Q8 : 1Qでは震災影響以外で23億円上振れたわけですが、通期では2Q以降に悪化する要素を織り込んでいるということでしょうか?

A8 : 2Q以降、楽器の欧州での若干の減速や、電子部品の厳しい粗利率などを見込み、通期営業利益を125億円(対前回25億円増)と予想しました。


Q9 : 今回の業績予想も、全般的には慎重なスタンスに見えますが、ご説明をお願いいたします。

A9 : 地域、事業毎に強気か慎重かといった今後の想定を立てる上でのスタンスの違いはありますが、これらを総合的に判断した業績予想となっています。例えば、北米市場の販売見通しは多少強気に見ていますが、中国市場については慎重な想定と言えます。また、半導体は3Q~4Qでアミューズメント市場の回復に伴う売り上げ挽回計画としており、経営の意思として織り込んでいる、といったことがあげられます。


Q10 : 生産高について、楽器と電子部品の実績と震災影響についてコメントをお願いいたします。

A10 : 生産高への震災影響は、1Q▲37億円の実績。今後2Q▲32億円、3Q+13億円、4Q▲5億円で、通期▲60億円の影響を見込んでいます。


Q11 : 為替前提のユーロ5円円安への変更が直近の一層の円高基調に比べて逆の動きと思いますが、ユーロ、ドルの影響をあらためて説明して下さい。

A11 : 1円の為替変動に対して、営業利益でユーロは3.9億円、ドルは0.7億円の影響があります。ユーロついては、Q2は116円で予約済みであり、1—2Q累計では115円の見通しに近いレートとなっています。


Q12 : 楽器事業における欧州市場の中心国であるドイツの状況変化が気になりますが、どのように見ていますが?

A12 : 欧州市場を牽引してきたドイツでは、これまで販売店が積極的に仕入れを行ってきたが、春から夏にかけて客足が少し鈍り減速の気配が見えてきました。ただ、基本的には安定的な市場と見ているので、今後も新商品の導入をしながら、必要な販促策を打ち、在庫レベルも適正な水準でおさえていけると見ています。


Q13 : 生産水準は今後どうなるのでしょうか?

A13 : 楽器は1Q実績で297億円の生産高実績でしたが、2Q 311億円、3Q 314億円、4Q 289億円という見通しを持っています。電子部品は1Q実績35億円の生産高実績に対して、2Q 41億円、3Q55億円、4Q 67億円の見通しです。


Q14 : 欧州におけるドイツの売上構成比はどの程度でしょうか?

A14 : ドイツおよびその周辺国の中欧市場で欧州地域の全売上高の半分弱、ドイツ1国では約30%と認識しています。
*欧州の今後の状況認識(補足)
震災影響のある電子ピアノやポータブルキーボードが欧州の楽器売上の3分の1を占めます。また、昨年は大型商材のポータブルキーボードTyrosの新製品を導入し、好調でしたが、今期は販売のスローダウンが想定されます。