2011年3月期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 今期想定される部品調達困難について具体的に教えて下さい。
どの様な部品、タイミングで生産に影響が出てくるのでしょうか?

A1 : 電子楽器に使用される音源LSIが、入手困難な主な部品です。カスタムメイドでの供給を受けており汎用品では代替がききません。その他にはコンデンサー等でも影響を受けます。
4月は、在庫で対応し大きな影響はありませんでしたが、5月以降、モデルによって影響を受ける見通しで、電子ピアノ、シンセサイザーなどは、海外での最終組立品も含めて生産数量5割程度となるモデルがあります。AV機器でもコントローラーやコンデンサーなどの調達困難により、モデルによっては5~6月以降に6~7割程度の生産となる見通しです。


Q2 : 震災影響による部品調達困難が解消するタイミングをどう見ていますか?

A2 : 今回の業績予想では、上期に震災影響が継続し、下期からの回復を前提としています。
現時点で、部品調達の具体的な回復の見通しはわかりません。部品メーカーと継続して交渉をしており影響の早期解消に向け努めていきます。


Q3 : 部品の調達困難への対策はどのように取り組んでいるのでしょうか?

A3 : 代替可能な部品は、調達先の変更や必要な仕様変更などの対応を進めていますが、カスタムメイドの音源LSIなど代替が難しい部品については、残念ながら供給元の生産復旧を待つという対応になります。


Q4 : ユーロ、ドルの計画レートと為替変動への感応度を教えて下さい。

A4 : US$=85円、1ユーロ=110円の前提で計画を組んでいます。
従来、利益面ではUS$については、マリー効果により為替変動の影響をほぼ受けませんでしたが、アジア地域や半導体取引先への販売の一部を円建てからUS$建てに変更したこと等により、1円の為替変動で年間0.7億円の影響が出ることとなりました。
一方、ユーロは1円の為替変動で年間3.9億円の損益影響があります。


Q5 : 今期営業利益100億円の予想は、経営としての意志と捉えてよいでしょうか?

A5 : 昨年4月からの中期経営計画YMP125の1年目は、まずまずの実績を上げることができましたが、今回の大震災の影響など当初想定していなかった要素が様々発生しています。3年目の営業利益250億円という計画に執着し、震災影響などを乗り越え、やり切るという意志を込めた数字が中期経営計画2年目の今期営業利益100億円という数字です。


Q6 : 国内楽器事業の先期Q4での▲7%の落込みからすると、今期通期売上▲2%の見通しは強気ではないでしょうか?

A6 : 先期の国内市場は、3月11日の震災以降、被災地域のみならず、首都圏でも売上影響がありました。
国内市場については、以前から厳しい状況が継続しており、Q4での▲7%がすべて震災影響という理由ではないと考えています。今期、震災前の時点では対前期101%の計画としており、震災による消費の冷え込みとして▲3%の落ち込みを見込み、通期▲2%の減収を予想としました。


Q7 : 中国、インドネシアの工場での増産とスライドにありますが、投資計画などはあるのでしょうか?

A7 : これまで増産投資を継続して行ってきており、今期、特に投資の予定はありません。
ギターについては、一昨年からインドネシア工場の生産能力が限界に近づいており、中国杭州工場に一部生産の移管を進め、両工場での生産能力増強に取り組む予定です。
ピアノは現状の見通しでは、中国で順調な操業が続いており、インドネシア工場への増産投資は予定しておりません。
電子楽器も、インドネシア工場、天津工場への増産投資などの予定はありません。


Q8 : 順調に売上を伸ばしているTyros4の成功要因はなんでしょうか?

A8 : 8年ほど前に商品化し、4代目を迎えるTyros4は、ドイツを中心に、音質をはじめとする品質が高く評価されています。ドイツには、ピアノバーのような場所で、ギターやドラム等の他の楽器とのセッションでなく、一人で演奏をするというスタイルのミュージシャンが多数存在します。キーボードとしては多少高額ですが、他の楽器を数種類揃えるよりは、コストパフォーマンスが高いという認識があり、そのニーズをうまく捉えることが出来たと考えています。機能、スペック面で競合が比較的少ない商品であるという要因もあり、買い替え需要も含め、欧州での販売比率が非常に高いモデルです。


Q9 : 北米で苦戦しているAVレシーバーの状況と対策について教えて下さい。

A9 : 日本メーカーとの価格競争の最中にありますが、差別化の出来る機能を持つ商品を提供し、競争力を高めていくことが基本と考えています。すでに船積みを始めている新商品に期待しているところです。


Q10 : 電子部品の今期見通しは?Q3~Q4で売り上げ増を見込むわりに利益が伸びない理由を教えてください。

A10 : 基本的に2つ理由があります。ひとつは納入先での新商品発売遅れや販売状況の動向に伴う今上期での出荷の遅れです。もう一つは、震災影響による納入先での一時的な生産影響によるものです。 震災影響については、CODECやデジタルアンプの下期からの出荷回復を見込んでいます。
アミューズメント業界も厳しさはありますが、下期には回復を期待しています。
営業利益は製品構成変化による影響で下期利益水準は下がり、通期では前期から減益を想定しています。


Q11 : 地磁気センサーの韓国メーカー以外への採用の働きかけの状況を教えてください。

A11 : 現在は、韓国メーカーのスマートフォンでの採用比率が高い状況ですが、世界中のメーカーへの提案、営業活動を継続して実施しています。価格・機能面の競合が厳しい分野ですが、当社の強みである実装面積の小ささなどの訴求ポイントを中心にアピールしていきたいと考えています。


Q12 : 浜岡原発の停止に伴う、掛川工場の電力不足の影響は?

A12 : 全く影響がないとは言い切れませんが、影響は少ないと見ています。


Q13 : 投資有価証券減損の内容と今後の見通し、退職給付未認識債務について教えてください

A13 : 前期は金融機関の株式に関して15億円の減損を実施しましたが、今期は特に想定していません。 3月末での退職給付未認識債務は201億円です。