2011年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 第3四半期で楽器の営業利益が前回予想に対して上ぶれた要因を教えて下さい。

A1 : 前回予想の営業利益25億円に対して、為替影響▲1億円、材料価格アップ▲2億円が、減益影響となりますが、実質増収増産2億円、実質販管費減19億円により、トータルで18億円の増益となり43億円の営業利益となりました。


Q2 : 第4四半期の楽器の営業利益を前回予想からさらに厳しく見た理由は何ですか?

A2 : 前回に比べ、減収に伴う減益▲3億円、実質販売管理費増▲5億円により、前回予想▲19億円を▲27億円へ下方修正を行いました。販売管理費増には、第3四半期からの経費発生の期ずれのほか、一部製品の問題への対応に必要な製品保証引当金の積み増しが約6億円含まれています。


Q3 : 第3四半期の実質販売管理費が対前回予想で減少していますが、海外物流費が減少したことも一因となっていますか?

A3 : 販売管理費の減は、全般的に経費を削減効果したことによりますが、一部経費の発生遅れもあります。海外物流費は、前回予想通りに発生していて、損益計算書上は売上原価に含まれます。


Q4 : 音響機器の回復が鈍いようですが、今後回復するための条件は何と考えていますか?

A4 : 設備音響機器(CA商品)については、先進国を中心とする設備投資の回復状況と密接な動きとなるため、商品開発やマーケティングで努力は継続していますが、厳しい状況が継続しています。一方、楽器周辺機器としての小型のPA商品は回復基調にあります。今後、コストパフォーマンスの高い商品を積極的に訴求していきます。


Q5 : 当期は米国市場で、久しぶりに回復が期待されていますが、12年3月期は更にもう一段の上昇が期待できますか?

A5 : 全般に回復傾向にはありますが、リーマンショック以前の水準までは戻っておらず、今後の回復の上昇幅、ならびに回復のスピードについて、確かな予想が出来る状況にはありません。しかしながら、回復基調にあることは確かであると認識しています。


Q6 : 第3四半期末以降の北米の流通在庫レベルはどうですか?

A6 : 流通在庫レベルは高くありません。北米の1月売り上げは前年同期を2桁オーバーする状況で、年末までの出荷分については順調に販売ができているものと理解しています。


Q7 : 電子部品の売り上げは前回予想を下方修正していますが、中期的には伸びると見ていいですか?

A7 : 全体の趨勢として、回復を見込んでいます。お客様の事情での出荷遅れ等がありますが、今後は、スマートフォン向け需要で拡大する地磁気センサーを中心に販売増を期待しています。


Q8 : 第3四半期までの対前年同期での営業利益増減要因をセグメント別に聞かせてください。

A8 : 第3四半期までの対前年同期の営業利益増減は、為替影響が、楽器▲33億円、AV・IT▲9億円。合計で▲42億円あります。海外物流費のアップでは、楽器▲10億円、AV・IT▲2億円で合計▲12億円。
実質増収増産では、楽器61億円、AV・IT26億円、電子部品14億円、その他10億円。
合計111億円が主な影響要因となります。


Q9 : 楽器の地域別販売状況で、その他地域の第4四半期予想が対前年同期で実質1%減収としている理由を教えてください。

A9 : その他地域には、新興国だけでなく成熟市場も含まれています。その中で、台湾市場での対前年同期減収を見込んでいることに加えて、第3四半期まで好調に伸長した中東・アフリカ・CISや中南米で輸入代理店の在庫調整を見込んでいることによります。


Q10 : 中国の第4四半期での伸び率が鈍化する理由を教えてください。また、来期は、どう見たらいいですか?

A10 : 前年4月に中国でピアノの値上げを実施したため、前期の第4四半期では駆け込み需要があったことが主要因です。来期については、引き続き、10%以上の伸びを期待できると見ています。


Q11 : 電子楽器および管楽器が、第4四半期で減速を見込む理由を教えて下さい。

A11 : 電子楽器は、欧州でポータブルキーボードの新商品が第3四半期に大きく貢献しましたが、第4四半期では、年明け以後、この売り上げが減少することと、全体的に、保守的に見ていることが主な要因です。管楽器は、北米市場で復調の兆しがあるものの、欧州、国内の販売を厳しく見ていることによります。


Q12 : 楽器の期末在庫が対前回予想に対し、30億円増加する理由を教えてください。

A12 : 前年は期末在庫を大幅に絞り込んだ影響で4月以降の売れ筋商品の供給がやや不足しました。
今回は、販売会社での適正な在庫を確保するために生産の見直しを行い、期末在庫を若干多く保有することにしました。


Q13 : 当期の電子部品売上高を前回予想から下方修正していますが、これは一時的要因ですか?
また、来期以後の電子部品の販売、利益の実力値をどう見たらいいでしょうか?

A13 : 当期の電子部品の売り上げ下方修正は、主として、納品先の事情によるもので、中期的には、地磁気センサーなどアナログ商品を中心に売り上げ伸張を期待しています。収益性については、競合激化は想定されるものの、適正な利益レベルを確保できるよう引き続き努力していきます。また、現時点では、生産能力増強のためなどの多額の設備投資は予定していません。


Q14 : 当期で、AV・ITの通期営業利益を上方修正した背景には、カラオケ機器の好調が寄与していると思いますが、来期の営業利益は、どう見たらいいでしょうか?

A14 : カラオケ機器は10月から新商品を発売し、今期1万9千台出荷の予定です。追加オーダーも頂いていて好調を継続しています。来期も同レベルの出荷は見込めるものと期待しています。


Q15 : 楽器事業の営業利益について第3四半期実績および第4四半期予想の対前年増減要因を教えてください。

A15 : 第3四半期については、前年同期営業利益29億円に対し43億円の実績となりました。
対前年同期の営業利益減少要因としては為替影響▲16億円、材料費上昇▲3億円、海外物流費アップ▲4億円、実質販管費増▲1億円があります。
一方、増益要因は、増収増産による増益34億円、退職給付債務の利差益2億円、ピアノ掛川工場の構造改革効果2億円が内訳となります。
第4四半期の損益については、前年同期と同額の▲27億円を見込んでいます。
対前年同期の減益要因は、為替影響▲10億円、材料費上昇▲1億円、海外物流費アップ▲2億円、減収に伴う減益▲4億円。
増益要因は、実質販管費減14億円、退職給付債務の利差益1億円、ピアノ掛川工場の構造改革効果2億円を想定しています。


Q16 : 1月の楽器の販売状況をわかる範囲で教えてください。第3四半期までの販売状況に比べて、変化はありませんか?

A16 : 北米の1月売り上げは対前年同期2桁増で、第3四半期までのトレンドに変化はありません。
欧州は商品ごとにばらつきはありますが、前年同期比増と見ています。
国内は、ピアノがインドネシア製アップライトの導入等もあり復調傾向にありますが、全体では前年を少し下回って推移しています。
中国は引き続き2桁成長を維持できるものと見ています。