2011年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : P5の1Qの営業利益増減分析の中で、実質増収、増産に伴う営業利益の前年同期に対する増加額が41億円発生していますが、P9の通期予想では、増収、増産に伴う増益額は83億円に留まっています。これは、通期予想が保守的ということなのでしょうか。ご意見をお聞かせください。

A1 : 1Qでは期首の在庫水準が低位であったことと、品番によってはやや在庫の薄い商品があったこともあり対前年同期で増産となりました。
通期では、このまま増産基調が続けばという期待感もありますが、やや慎重な計画としているためです。


Q2 : 現地通貨ベースでの前年同期に対する楽器売上高の増収率が北米、欧州とも、前回の予想に比べ、伸びる計画となっていますが、その背景を具体的に教えてください。

A2 : 欧州は当初に想定していたよりも、販売が上向き基調となっており、米国も昨年秋口から販売が回復基調にあり、1Qでも、引き続き販売が安定して推移しました。
1Qの伸び率は、欧州では、前年同期比9%と高い伸び率となっていますが、前々期比では6%減の水準となっています。
同様に、米国も対前々期比では2%の低い成長となっており、総じて、前年同期が悪かったため、大きな伸びとなりました 今後も、引き続き、欧米では、順調な伸びが期待されるため、今回、前回予想を上方修正した目標としました。


Q3 : 一方で、楽器の国内売上高が下方修正されています。インドネシア製ピアノの市場導入などの施策もありましたが、そのほかにどのような歯止め策を考えているのかについてお聞かせください。

A3 : 国内市場は昨今の経済事情に加えて、ピアノでは、少子化や普及率が高いこと等の構造的な要因があります。そのため、トータルピアノ戦略と名づけた新しい鍵盤楽器の価値提案や、音楽教室を通じて需要を喚起するなどの施策を講じるなど、国内市場の活性化策に取り組んでいます。
ただ、現時点では利益貢献に繋がるような具体的な成果出しにまでには至っていない状況です。


Q4 : P9の通期の営業利益増減要因の中で、前回予想に対し、材料価格の低下が15億円となっていますが、その内容を具体的に教えてください。
また、6月末在庫高で、部品材料、仕掛品在庫が増加とのことですが、その内容についても教えてください。

A4 : 主に、楽器の金属材料と鍵盤などに使用する樹脂などが、当初想定していた価格上昇ほど、1Qでも、通期でも上がらなかった、上がらないということによります。
また、6月末在庫高で、部品材料、仕掛品在庫が増加したのは、増産基調に伴い、材料、仕掛品が増加したこととに加えて、国内のPA機器の売上高約5億円が、工事完成基準の関係で、1Qに売り上げが計上できず、仕掛品として在庫に残ったこともあります。


Q5 : 1Qで、半導体の損益が改善した理由として、商品構成変化を挙げられていますが、利益改善に寄与している商品群を教えてください。

A5 : アミューズメント関連、車載画像半導体、地磁気センサーなどが好調に推移したことによります。一方、競争が厳しいデジタルアンプやコーデックなどは売り上げ減少となりました。


Q6 : PA機器が、欧州で回復の兆しがあるとのことですが、具体的な地域等を教えてください。
また、NEXO社買収効果は出ていますか?

A6 : 設備音響機器は、世界的に見ると、中国市場で回復が顕著となってきています。
欧州でも、全体的には、回復感は出てきていますが、英国では、競合他社と価格競争が激化しています。
また、東欧は回復基調にあります。
NEXO社買収の効果につきましては、同社の商品を全世界で販売しているほか、ヤマハ製品とワンパッケージ化にした商品の販売など、少しずつではありますが、買収効果が出てきています。


Q7 : 管楽器の中国の新工場はどういう形でスタートするのですか?また、具体的な業績への効果と時期についても教えてください。

A7 : 今回の中期経営計画の中で、日本、中国、インドネシアの管楽器工場の役割を明確にしました。
この中で中国の蕭山工場は、日本を除く全世界向けの金管楽器の供給拠点として、10月に生産活動を開始する予定をしています。同時に、日本の工場は中高級品、インドネシアは木管楽器の生産拠点として位置付けをしました。併せて、部品の現地調達率の向上と部品の相互供給も実施し、3年以内に管楽器全体の生産体制を整えていきます。
損益面では、当面、投資負担もあり、目立った効果は出にくいものの、3年を目処に業績への貢献を目指します。