2009年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 3Qの営業利益が、2Q時点の67億円の見込みから89億円へ増益となったのは経費削減が主な理由のようですが、このことについて、具体的にお聞かせください。

A1 : 3Qでは、売上高が、前回の想定に比べ減収となり、それに伴い、売上総利益が減少しましたが、為替益が6億円発生したこと、及び経費削減効果が19億円出たことなどによります。
うち、楽器事業は前回予想の営業利益63億円に対し、85億円の利益となりました。売上総利益は減収により3億円減益となりましたが、為替益7億円と販売費および一般管理費が18億円減少したことによります。
販売費および一般管理費の削減は全ての費用について、削減のためのガイドラインを設定し、各部門やグループ会社へ指示することにより、全社を挙げて取り組んでおり、4Qでも前回の予想に対し、26億円程度の経費削減効果を見込んでいます。


Q2 : 在庫の中に、不良在庫は無いとのことですが、在庫水準を適正レベルへ調整するため、1~3月の楽器の生産状況についてお聞かせください。

A2 : 楽器は、3Qでは前回の想定に比べ7億円減産しましたが、4Qでは、ピアノを中心に21億円(8%)の減産を予定しています。
AV機器は、3Qでは、前回の想定とほぼ予定通りの生産レベルでしたが、4Qでは20億円(31%)の減産を予定しています。
また、半導体は4Qで16億円(30%)の減産、自動車用内装部品とマグネシウム部品は合わせて20億円(51%)の減産を予定しています。
全体では、4Qで、前回想定比88億円(17%)の減産を計画しています。
これだけで、在庫レベルが適正レベルまでにはなりませんが、かなりの在庫削減が期待できると思います。
ピアノは、中国、インドネシア製に加え、日本製ピアノを減産する計画で、日本の工場では、昨年11月から2月末までの間、グランドピアノ工場で23日、アップライトピアノ工場で、15日の生産休業を実施します。電子楽器やAV機器は、インドネシアや中国、マレーシアでの減産となり、投入する人員の調整により、在庫調整は比較的容易に対応できると思っています。


Q3 : 北米の楽器の売り上げ予想が、4Qで対前年同期16%の減収予想となっていますが、3Qでの減収幅26%に比べて、小さくなっている理由を教えてください。

A3 : 北米の4Q計画は、やや下振れ懸念があります。3Qでは、販売店が、資金面から、仕入れを抑えたことや一部ピアノの返品等も受け入れたこともあり、減収幅が拡大しました。4Qでは新商品効 果にも期待し、やや意欲的な計画としています。


Q4 : 欧米の流通在庫の状況について、教えてください。

A4 : 現時点で、流通在庫が積み上がっているとは見ていません。北米の販売店も資金面での余裕がなく、在庫保有に慎重になっており、過剰な在庫を持てるような状況ではありません。


Q5 : 景況感の急速な悪化に伴い、企業の実力値がわかりにくくなっていますが、現在の為替動向が続くという前提で、来期の年間の利益水準をどう見ていますか?

A5 : 現在進めている経費削減効果に加え、来期は材料費の値下がりや値下げ交渉の効果が出てくると考えています。また、楽器を中心に製品価格への転嫁も実施し、円高デメリットを吸収したいと考えています。


Q6 : ピアノの稼動日調整とは、工場での生産をストップするということになりますか?

A6 : その通りです。ピアノの生産は交代勤務が無く、ラインを止めることにより、減産を進めます。


Q7 : 減産をしても、期末在庫水準は前期末以上となっていますが、来期以降に在庫調整を持ち越すということでしょうか?

A7 : 当期は、期末に向けて、在庫の削減を行いますが、前期末以下の水準まで在庫レベルを下げることは難しいと思います。
来期は、年間の生産数量については若干減らさざるを得ないと考えています。ラインをストップせず、生産量をできるだけ平準化し、日製数を下げることにより対応します。


Q8 : 収益改善施策の一環として、製品の値上げを行うとのことですが、マーケットには受け入れられそうですか?

A8 : 楽器、特にアコースティック楽器については、一部値上げを実施しました。現在のところ、市場からネガティブな反応はなく、今後も適宜、価格への転嫁を行っていく予定です。


Q9 : 来期の実効税率はどれくらいになりますか?

A9 : 通常の30~40%の水準になると想定しています。


Q10 : ドル、ユーロ以外の通貨の影響について教えてください。

A10 : 韓国ウォン、豪ドル、カナダドルなどが安くなっており、円高の影響が出ていますが、当期の計画には折り込んでいます。


Q11 : 欧州のピアノが北米に比べて堅調な理由を教えてください。

A11 : 米国と欧州ではピアノの需要構造が違っており、米国は住宅着工に連動した高額品のグランドピアノの比率が高く、欧州はアップライトピアノの比率が80%程度を占めています。
欧州は国によって状況が違いますが、主要国のドイツでは、堅調に推移しています。また、インドネシア製のピアノも好調に推移しています。
一方、イタリア、スペイン、ギリシャ等は厳しくなっています。東欧もやや減速感が出てきています。
ここにきて、全体的に若干スローダウンの傾向が出てきており、今後注視していく必要があると考えています。