2009年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 来期の普通配当は30円をベースと考えていいのですか?

A1 : 来期の配当につきましては、昨年、発表しましたように、ヤマハ発動機(株)株式の譲渡益を特別配当として年間20円の配当をする予定ですが、普通配当につきましては、業績の動向を見ながら決めさせて頂くつもりです。
従って、現時点ではいくらというようなことは申し上げられません。


Q2 : 来期の法人税実効税率をどう考えたらいいでしょうか?

A2 : 来期につきましては、当期のような特殊要因が無くなり、通常の35~36%の税率となるものと考えています。


Q3 : 来期の利益水準をどのように考えていますか?今回の業績下方修正を、どのようなスタンスで捉えていますか?また、収益改善のために、どういった対応が必要だと思いますか?

A3 : 現在の中期経営計画「YGP2010」の3年目に当たる来期は450億円の営業利益を見込んでいましたが、この目標達成は極めて困難であり、水準を見直さざるを得ないと考えています。ただ、どのような水準となるのかは現時点では決めかねています。
今回、業績を大きく下方修正し、経営を執行する上で、非常事態にあると認識しています。そのため、短期で打つ施策と中長期での施策を分けて検討を進めています。短期的には、経費の削減やコストダウン、在庫の適正化などといったことを進めていきます。
また、中長期の対応として、事業ごとに、現在の状況、課題、事業環境を確認した上で、収益改善施策の立案を進めていきます。ただ、これらは、現時点では充分に整理されているところまでは至っておらず、まずは、来期をどうするか、その後速やかに、中長期の事業戦略を策定していきます。


Q4 : 当期145億円の営業利益はミニマム水準と思いますが、この水準は是非とも維持しなければならない水準と考えますか?

A4 : 4:営業利益145億円、売上高営業利益率にして3%はボトムに近いという危機感を持っています。このままでは、来期は、為替動向、特にユーロの水準次第では更に大きな減益も予想されます。この場で、この水準をミニマムラインと約束することはできませんが、収益改善のための施策を早急に詰めていきます。


Q5 : 競争が激化する中で、AV・IT事業や電子部品等については、今後どのように考えていますか?

A5 : 両事業とも、中期計画で策定したシナリオどおりに進んでおらず、改めて、事業戦略の建て直しが必要と考えています。
AV事業については、市場飽和、競争激化の中で、事業の中心がAVレシーバーなどのニッチの分野で、マーケットシェアが低位であること、新興市場では、手付かずの状況であることもあり、商品力の強化次第では、まだ成長が出来るものと考えています。
半導体については、携帯電話用音源LSIの減少する中、それを埋めるための新規デバイスの開発が遅れています。楽器メーカーとして、半導体を自社開発してきた事業の成り立ちもあり、今後も音関連に特化した強みを活かす中で、新たなデバイスの開発に注力していくことに変わりはありません。


Q6 : 収益改善施策の具体化はいつごろになりますか?

A6 : 遅くとも、来春から年央にかけて具体化していく予定です。


Q7 : 新興市場の中では、中国はピアノの売り上げ比率が高いようですが、その他の地域でのピアノの販売をどのように見ていますか?

A7 : ロシアや東欧は、政治体制変更の中で、資金が楽器にまで回らずピアノの市場規模が縮小しましたが、底辺には、クラシックの豊かな文化があり、今後は市場が拡大すると見ています。
一方、中東、中南米市場では、ピアノの市場は小さい。
中国はかつての日本と似ていて、教育志向で、ピアノ需要が根強い。今後もピアノ中心に成長を継続すると見ていますが、その後は、子供人口の伸び悩みなどもあり、いずれ減速し、デジタル楽器が増加してくると見ています。


Q8 : 今回、8月1日発表の楽器セグメントの営業利予想280億円から180億円へ100億円下方修正した要因を教えてください。

A8 : 前回に比べて、為替損33億円、為替要因を除いた実質売上高の減少と減産による売上総利益の減少が42億円 販管費の増加が25億円(うち新規連結会社の販管費17億円)となります。


Q9 : また、前期の楽器セグメントの営業利益279億円から当期180億円へ減益となった要因を教えてください。

A9 : 為替要因を除いた実質売上高の増加と増産による売上総利益の増加が34億円ありましたが、為替損が72億円、新規連結による販管費の増加が36億円、退職給付債務の利差損、ユーティリティ関連費用、輸送費等の販管費の増加が25億円あり、全体では、99億円の減益となりました。


Q10 : 当下期での減産影響、原材料等のコスト増の影響を教えてください。

A10 : 原材料等のコスト増はトータルで対前期33億円の増加(うち、上期では15億円の増加)、楽器セグメントでは通期24億円の増加(うち、上期11億円の増加)を想定しています。
また、下期の楽器は、前回の予想に対し、56億円の減産の予定で、28億円の製造損益の悪化を見込んでいます。


Q11 : 来期には、材料費は、下がると見ていいのですか?

A11 : 既に、市場では価格が下落している材料もありますが、今後、購入先との価格交渉を進めていきます。


Q12 : 楽器セグメントでのここ数年の利益の増加は、主として為替要因によるものですか? それとも構造改革の成果と見るべきですか?

A12 : ここ数年の利益増加は、為替による部分も確かにありますが、同時に、商品開発力の強化や製造原価の低減努力を進めた結果と考えています。そのことが、PA機器などの利益率向上に成果として現れてきています。ただ、ピアノなどは、アメリカでの生産終了などによる効果は出ていますが、グローバルな生産拠点の再編による原価低減には少し時間がかかっています。
ピアノの合理化施策による効果は2011年3月期以降に出てくるものと考えています。