2009年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 退職給付債務の利差損について、1Qでの影響額および通期での影響額を教えてください。

A1 : 1Qでは前年同期に対し約5億円の影響、通期では前期に対し約20億円の影響となります。


Q2 : ギター・ドラムが好調とのことですが、それは市場要因によるものですか。それともヤマハが伸ばしているということでしょうか?

A2 : ギター市場の動向に大きな変化は無く、ヤマハの新製品、特に、エレクトリック・アコースティックギターが評価を得ているものと捉えています。
また、アコースティックドラムの販売は厳しい状況にありますが、電子ドラムが、伸びてきており、今後も成長が期待できると考えています。


Q3 : 1Qでは、管楽器の生産に遅れがあったようですが、状況を教えてください。

A3 : 管楽器は、受注増加に加え、一部品質問題などもあり、中高級品の生産に遅れが生じました。
ただ、生産遅れという面では、むしろ電子楽器の方が問題で、5月に一部、生産遅れが発生しましたが、6月ではキャッチアップしました。
ただ、6月に挽回生産した分が1Q末の在庫増の要因となりました。


Q4 : 世界的に設備投資を控える動きがありますが、PA機器の販売に影響は出ていませんか?

A4 : 一部にそのような動きがあることは聞いていますが、現時点では、それほど問題とはなっていません。


Q5 : AV・ITの1Q営業利益は前回予想に対し、増益となっていますが、通期で減益へ修正した背景はどういったことでしょうか?

A5 : 1QのAV・IT事業は、前回予想に対しては増益となっていますが、経費の発生遅れもあると見ています。
通期では、為替要因を除くと、前回予想に対し、実質8億円の減収となること、および多少、利益率の低い普及価格帯商品を強化することで、今回、減益へ修正をしました。


Q6 : 電子部品事業で、通期売上高を引き下げた理由を教えてください。特に、アミューズメント向け半導体の状況について教えてください。

A6 : 着信メロディー用音源LSIの減少は、ほぼ当初見込みどおりですが、それを埋めるべく、成長を期待している分野の半導体の市場導入に遅れが出ていることが主要因です。
1Qでは、パチンコ台の入れ替えが進まず、特に画像用アミューズメントLSIの出荷が遅れました。
また、デジタルアンプ等についても、開発に遅れがあり、全体的に下期に期待していた出荷が、来期へずれこむ見込みで、今回、通期の売り上げ見込みを下方修正することにしました。


Q7 : 楽器事業の通期予想を前回予想に対し、増収減益とした理由を教えてください。

A7 : 売上高は、為替前提の変更要素を除けば、ほぼ前回予想通りです。
また、営業利益は、前回の予想よりも、材料費が上昇しており、通期で下方修正しました。
1Qでは、在庫未実現利益の控除で、前回予想に対し、減益となりました。
例えば、本社事業部と現地法人間のルールで、一定の為替変動があった場合に、仕切り価格の調整を実施していますが、これらの調整が未実現利益の控除率に反映されなかったことも、減益となった一因と考えています。


Q8 : 工場のストライキで生産が遅れたとのことですが、どの商品に影響が出たのですか?

A8 : 5月に中国のポータブルキーボードの工場でストライキがありましたが、6月では正常化しています。


Q9 : シリコンマイクの売上高も下げたのですか?

A9 : 当期でのシリコンマイクの売上高は、もともと数億円規模と、大きな金額は想定していませんが、開発遅れにより、本格的な売り上げの計上は来期にずれ込む見込みです。


Q10 : 楽器事業で、前回の予想に対して、1Qでの販売管理費の増減を教えてください。
同様に、通期での販売管理費はどう見ていますか?

A10 : 1Qでの楽器事業の販売管理費は、新規連結会社および為替要因を除いた実質ベースで、対前年同期で9億円の増加となりましたが、前回予想からは5億円の減少となりました。
通期では、同様に、実質ベースで、対前期15億円の増加、前回予想に対し11億円の減少を見込んでいます。


Q11 : Mg成型事業は良くなったり、悪くなったりを繰り返していますが、今後どう見たらいいのですか?
また、リビング事業についても、今後の事業の方向性を教えてください。

A11 : 当社の部品事業は、もともとは、楽器生産のための金型等の技術を活かすことで、事業として発展してきていますが、今後は、これらのマグネシウム部品や自動車用内装部品の生産で獲得した新しい製造方法などを、逆に楽器の製造に応用し、コストダウンを図っていくことも検討しています。
当期のマグネシウム部品は、携帯電話用途の減少により、売り上げが減少し、歩留まり改善も遅れています。
今後は、歩留まり向上に注力し、損益改善に努めていきます。
また、自動車用内装部品については、供給先の高級車の販売動向など不透明な面はありますが、秋に、新車モデルチェンジがあり、スムーズに生産立ち上げができるよう努めるとともに、今後、欧州メーカー等への供給先の拡大も進めていきたいと考えています。
リビング事業につきましては、リフォーム事業の強化、中高級を軸とした商品展開で、収益の改善に努めていきます。
同時に、製造原価を低減するため、工場の人員体制や原材料の調達先の見直しなども進めています。


Q12 : 半導体事業の今後の展望をお聞かせください。

A12 : 当社の半導体事業は、主力の楽器事業やAV事業との技術シナジーがあり、今後も事業を強化していくことに変わりはありません。
開発体制を強化するために、増員や楽器事業、AV事業に携わる人材との人事交流も積極的に進めています。
そのことにより、中期的には、50~100億円程度の営業利益が安定的に出せるような事業にしていきたいと考えています。