2008年3月期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 2008年3月期の楽器の営業利益について、前年との増減を要因別に説明してください。
また同様に、2009年3月期予想についても説明してください。

A1 : 2008年3月期の楽器事業の営業利益は前期の220億円から279億円へ59億円の増益となりましたが、その内訳は、為替益が50億円、増収や増産、コスト削減等による為替要因以外の売上総利益増が51億円、一方で、販売管理費が42億円増加しました。
2009年3月期の楽器事業の営業利益は2008年3月期の279億円から285億円へ6億円の増益予想としていますが、その内訳は、売上高が実質170億円増収となり、為替要因以外の売上総利益増が98億円、一方で販売管理費が43億円増え、為替損が49億円発生する予定です。


Q2 : 2009年3月期の楽器の販売予想について、地域別に説明してください。
特に、北米で、実質6%増収することなっていますが、その背景を教えてください。

A2 : 楽器全体としては、PA機器で増収を考えています。当期には、大型の新製品はありませんが、人員体制の整備と販売力の強化により、増収を目指します。
デジタルピアノは、単機能型のCLPシリーズ新商品を全世界に投入し、成長を目指します。
アコースティックピアノは、欧州市場には、インドネシア製新製品で、北米は従来のアップライトピアノに続いて、CABLE-NELSONブランドのグランドピアノを投入し、ラインアップを強化します。
そのほか、デザイン性重視の高付加価値電子ピアノ「MODUS」を拡販していきます。
北米市場では、PA機器は順調に出荷できており、マーケットシェアがまだ低いため、成長が期待できると思っています。ピアノは景気低迷で厳しさが続いていますが、比較的堅調な中高級の日本製ピアノに加えて、低価格のインドネシア製のグランドピアノを市場投入し、市場の2極化に対応していきます。


Q3 : 3月末の在庫水準を、どう評価していますか? また、今後、対策が必要ですか?

A3 : 4Qでは、減産や特別販売を実施し、在庫の適正化を図りました。
期末の在庫水準は、ほぼ適正レベルと捉えています。そのため、現在のところ、特段の在庫対策を講じる予定はありません。


Q4 : 2009年3月期の楽器の上期と下期の営業利益バランスについて、説明してください。

A4 : 楽器は、従来から、季節的な要因もあり、上期のウェイトが高くなっています。
2009年3月期の予想では、従来に比べ、少し、下期のウェイトが高くなっています。


Q5 : 2009年3月期の楽器の中国の売上計画で、2008年3月期に対し、成長率が鈍化する理由は?

A5 : 2009年3月期の計画自体は、やや慎重なものとなっていますが、今までどおり、ピアノ、ポータブルキーボード、PA機器が成長を牽引していくことに変わりはありません。
一方で、管楽器は伸び悩んでおり、販売網の整備を進めています。
また、中国のピアノの総需要が、25万台/年から28万台/年へ拡大しているという統計もあり、ピアノを中心に、引き続き20%程度の成長を目指していきたいと思っています。


Q6 : シリコンマイクが量産出荷開始とのことですが、2009年3月期の販売がどれくらいになるのか、教えてください。

A6 : 3月に、ようやく量産出荷をしましたが、まだ大きな数量にはなっていません。
2009年3月期では、期中に設備投資を実施し、期後半で量産出荷に繋げたいと思っています。


Q7 : 2008年3月期の楽器事業の営業利益が3Q時点での予想に対し未達となった理由を教えてください。

A7 : 4Qの楽器売上高は、前回の予想に対し、為替影響を除けば、約4億円の減収に留まっています。
4Qの営業利益が前回予想を下回ったのは、販売管理費が増加したこと、在庫対策のための特別販売により、売上総利益が低下したことによります。


Q8 : 2009年3月期予想で、為替損が51億円となっていますが、その内訳は?

A8 : 為替影響については、急激な円高に伴い、従来と違った見方をしています。
為替損51億円の内訳は、ユーロ安影響を17億円、US$の換算差額を7億円、豪ドルおよびカナダドル安影響を8億円等見ていて、生産サイドでは人民元高10億円、マレーシアリンギット高6億円などを想定しています。


Q9 : 為替影響を除いた楽器の販売管理費は2008年3月期と2009年3月期を合わせると、2年間で、2007年3月期に比べ、80億円以上増加するのですか?

A9 : 為替影響を除いた楽器の販売管理費は、2008年3月期では、前期に対し42億円増加していますが、内、新規連結会社の販売管理費増が5億円含まれ、実質37億円の増加となっています。
この中には、ピアノや音響機器のM&A関連費用が3億円、ヤマハ発動機(株)売却に伴う租税課金が3億円、航空貨物での商品輸送費4億円、情報システム関連費用5億円等約15億円の一時的な費用と広告販促費の増加が22億円になっています。
2009年3月期は、実質43億円の増加となっていますが、内、新規連結による販売管理費の増加が13億円、運用利回り悪化に伴う退職給付債務不足の償却額7億円が含まれており、これらを除いた実質的な増加は23億円となります。主として、人件費および広告販促費の増加ですが、多少、予備的な費用も含まれていて、業績動向次第で、ある程度削減は可能であると思っています。


Q10 : AV・IT事業の収益力強化策について聞かせてください。
特に、会議システムの収益改善の具体策は?

A10 : 会議システムは、販売網整備の遅れが大きな課題となっています。
ただ、マーケティングを進める中で、顧客ニーズがクリアになってきており、それらを開発にフィードバックすることで、挽回を図っていきたいと思っています。
AV事業については、商品開発力および各製造拠点での製造力強化に取り組んでいます。
併せて、商品戦略の見直しも進めています。
今後は、AVレシーバー等のエントリーモデルやデスクトップオーディオ等の強化を進め、2009年3月期では難しいと思いますが、それ以降で成長を目指したいと思っています。