2008年3月期 中間期決算説明会 質疑応答

Q1 : 楽器事業の収益が改善している要因として、商品構成の変化やコスト削減を上げられていますが、もう少し詳しく説明してください。

A1 : 管楽器の中高級モデルやPA機器、電子楽器等収益性の高い商品群が売り上げ増加となったほか、台湾等の生産拠点の閉鎖によるコスト削減効果に加え、インドネシア等での生産拠点で損益改善が進んでいることによります。


Q2 : 上期で楽器事業の売上高営業利益率が10%を超えていますが、これはたまたまなのか、今後も継続すると見ていいのでしょうか。

A2 : 管楽器等のアコースティック楽器については、中高級品を中心に、参入障壁の高い事業であることもあり、今後もこの程度の利益率が続くものと考えていますが、デジタル楽器では、競争も厳しく今後とも今以上の利益率が継続するとは言えない状況です。


Q3 : 上期の業績に比べて、下期の業績を低めに見られていますが、どういった面を厳しく見ていますか。

A3 : AV・IT事業やリビング事業は競争が激化しており、更に下振れリスクもあると懸念しています。また、楽器事業は、北米市場が不透明な状況です。昨秋からピアノ需要が減速をしており、小売販売の回復基調は見えておらず、この年末にかけても、大型鍵盤楽器が苦戦することもあり得ると見ています。


Q4 : 欧州市場の楽器売上高も上期に比べ、下期では減速する計画となっていますが、この点について説明してください。

A4 : 現在のところ、欧州市場では、特に、下期で減速する要因は無く、全体的にやや慎重な計画としています。


Q5 : 材料価格高騰の影響は?

A5 : 金属材料等の原材料価格は、前年に比べ、10億円程度のコスト増と見ています。


Q6 : AV・IT事業の下期業績予想を今回、引き下げていますが、その理由を教えてください。

A6 : 各ビジネスユニットとも、厳しい状況となっています。通信カラオケ機器は、上期売上高は前期比40%の水準で、下期も同様に対前年同期減収が見込まれること、ルーターも、市場総需要が前年比10%程度縮小しており、当社売上高も市場動向に沿った影響を受けています。
また、会議システムも前回発表の計画達成は困難な見込みで、今後、組織体制の強化と販売網開拓に注力していきます。AV機器は、新商品開発にやや遅れが発生しており、年末商戦での機会損失もある程度見込まざるを得ない状況です。


Q7 : 電子楽器が前年同期に比べて、上期で伸長していますが、下期をどう見たらいいのですか。また、上期での伸びは、シェア拡大によるものなのか、それとも市場拡大によるものですか。

A7 : デジタルピアノの単価下落が進んでいますが、国内市場では、楽器店に加え、大手家電量販、カメラ量販店等での売り上げが伸びています。今秋以後も、競合他社に対し、新商品の投入で、量販店でもシェアを挽回できると見ています。同様に、欧州、米国でも付加価値の高い多機能型の新商品を投入し、シェア増を期待しています。 アジア・パシフィック地域では、ポータブルキーボードのエントリや中級価格帯モデルが順調に推移しています。


Q8 : 管楽器が好調のようですが、国内、海外の状況を教えてください。

A8 : 管楽器は、日本市場では、バンドブームの追い風もありますが、中高級品が良く売れています。また、アメリカの競合メーカーのストライキによる減産も増収に繋がっています。
米国市場も管楽器プレーヤーとの共同開発モデルが好評を博しています。ただ、欧州市場は、少し遅れをとっています。


Q9 : ヤマハ発動機の自社株買いによるヤマハ株式の保有状況を教えてください。

A9 : 9月末現在では2.93%となっています。


Q10 : 半導体事業が、1Qから2Qにかけて、損益が改善してきている理由と3Q以後の見通しについて、教えてください。

A10 : 前年同期に対しては厳しい状況にありますが、2Qでは、商品構成の変化で損益改善しています。逆に、下期は、前回想定していた商品構成が変化し、前回予想の利益確保が難しい状況となっています。通期では、前回予想を少し上回る水準を目指しています。


Q11 : 設備投資実績が前回予想に比べ、減少している理由を教えてください。

A11 : 楽器事業を中心に検収が遅れたことによります。
また、通期では、中国での増産投資が一部来期へずれこんだことにより、前回予想を減額しています。


Q12 : 半導体事業の下期損益はどう見たらいいのですか。減産になりますか。

A12 : 半導体売上高に高い比率を占める携帯電話用音源LSIは、国内、海外ともに比較的高付加価値商品の構成比率が増加しています。
また、アミューズメント用途も順調に伸び、上期では前回予想に対し、増益となりました。
下期は、生産は、前回予想並みと見ていますが、開発経費等の発生遅れもあり、費用が増加することで、上期に比べ、営業利益が減少します。