楽器事業説明会 質疑応答

Q1 : 来期から始まる次期中期計画での売上高や営業利益など目指す数値の方向感を聞かせてください。

A1 : 具体的な数値や骨子の策定は今後詰めていきますが、現在の中期計画「YSD50」の基本スタンスを踏襲し、引き続き安定的な成長を目指していきたいと考えています。


Q2 : ヤマハにしかできないことがあると思います。それをどのようにアピールしていきますか?

A2 : 例えば鍵盤楽器について言えば、コンサートグランドピアノからポータブルキーボードまでを持ち、またアコースティックとデジタルの両方を持っているというヤマハの強みを活かして、お客様により良い商品提案をしていきたいと考えています。過去は事業部別に独自に商品開発をしていましたが、この壁を思い切って取り払うことにより、お客様のニーズに合わせた、より強力な商品体系づくりを目指します。


Q3 : 「YSD50」目標未達の理由は国内売上高の不振によるところが大きいようですが、それだけではないように感じます。コメントをいただけますか?

A3 : 販売面、商品開発面を含め全体的に、お客様のニーズに沿った対応ができなかったことが業績の未達に繋がったと考えています。今後はこの点を修正した事業構造改革を進めていきたいと考えています。


Q4 : 次期中期計画での商品別の期待利益水準ですが、「YSD50」で想定した水準と大きな変化はありますか?

A4 : 大きな変化はありません。大雑把には、中高級価格帯商品で営業利益率10%以上を目指し、また競争の激しい普及価格帯商品でも、事業運営の効率化等により、収益力の強化を目指します。


Q5 : 楽器事業の損益管理の単位はどのようになっていますか?

A5 : 商品別と市場別の損益管理をしています。


Q6 : それでは、商品別、市場別の損益の実績を披露していただけますか?

A6 : 全社費用や楽器事業全体費用の配賦もあり、具体的な数値ではありませんが、楽器セグメントの平均売上高営業利益率に対しては、商品別で見ますと、06/3期では、平均よりも高い利益率となっている商品は、デジタルピアノ、ポータブルキーボード、管楽器が挙げられます。また、ピアノやシンセサイザー、設備音響機器は平均並み水準。一方、弦打楽器、エレクトーンなどは平均よりも低い利益率となっています。地域別では、日本の利益率の低下が顕著で、北米、欧州、その他の地域はほぼ同水準の売上高営業利益率となっています。


Q7 : 「YSD50」目標と今期の計画との差異ですが、売上高は国内の影響、利益は国内売上高の減少に加え、欧米での中国製品の台頭等による価格低下に伴う利益減という理解でよろしいでしょうか?

A7 : そのとおりです。利益減少の要因は、国内売上高の未達、中国製品の台頭による単価ダウンとシェアダウン、さらに前期は在庫の削減のための減産による操業度損が発生しています。


Q8 : 圧倒的な競争力を持っている国内売上高がこれほど大きく未達となった理由は何ですか?

A8 : 一言で言えば、顧客ニーズの変化に対応できなかったことです。商品ごとには、エレクトーン、ピアノ、弦打楽器の販売が期待外れであったことです。エレクトーンは、需要の拡大が思うように図れなかったこと、ピアノは、100万円を切るエントリーモデルのグランドピアノ投入で、裾野の拡大を目指しましたが、販売増加に繋がりませんでした。また、デジタルピアノは他社製品の攻勢により低価格化が進行しました。また、販売チャネルの変化にも充分な対応ができませんでした。


Q9 : 「YSD50」でもともと予定していた今期の営業利益率10%に対し、現在の計画では5.8%ですが、未達となった理由は何なのかを商品や市場を切り口として、総括してほしい。

A9 : 商品では、国内のエレクトーンの影響が大きいと思います。2年前の「STAGEA」発売時は予定通りの販売となりましたが、その後、減産を重ねることとなってしまいました。また、デジタルピアノは、国内のみならず欧米でも低価格化が進行し、それに伴い、比較的利益率の高い中高級のクラビノーバ売上高がスローダウンし、利益率が低下してしまいました。一方、市場別では、日本、北米、欧州で一様に当初予想を下回ってしまいました。その中で、アジア等のその他の地域では当初予想以上の利益となっています。


Q10 : 今後収益強化を図るにあたっては、全商品群で一律的な収益向上を目指すのか、それとも現在収益性の低い商品群を中心に強化を図っていくのでしょうか?

A10 : 商品群ごとに収益力の強化を目指します。特に収益性の低い弦打楽器群につきましては、製造改革や商品力の強化に取り組むことで、利益率向上を目指します。また。ピアノにつきましても製造改革を進め、更に収益力の向上に取り組んでいきます。そのほか、設備音響機器は商品力を強化し、一層の収益力向上を目指します。管楽器も同様に中高級品を強化し収益力を強化していきます。


Q11 : 楽器事業の推進組織について教えてほしい。

A11 : 大まかに言えば、商品軸として、ピアノ、管弦打楽器、PA・DMIの各事業部があり、これらの事業部が商品企画から製造、販売・マーケティング機能を担っています。一方、地域軸として、国内、北米、欧州、アジア・パシフィックの各営業本部が各地域での販売機能を担う組織構造となっています。


Q12 : コスト削減をはじめ、様々な施策を説明していただきましたが、キーとなるのは何だと思いますか?

A12 : 一言で言えば、ヤマハならではのオリジナリティある商品を提供し続けることだと思います。