第三者意見

ヤマハグループは、CSRの諸課題への対応をグローバルに推進しています。今後の改善を図るため、ヤマハのCSRの取り組みおよびレポートについて冨田秀実様に第三者意見を頂戴しました。ご指摘いただいたご意見や課題を真摯に受け止め、今後もヤマハグループは、音・音楽を原点とする事業活動を通じて、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。


[ 顔写真 ] 冨田 秀実 様
ロイドレジスタージャパン株式会社
取締役 事業開発部門長

冨田 秀実 様

ヤマハグループCSRレポート2017および同社CSRウェブサイトで開示されている内容に対しての、筆者の専門的な見地から、特に重要と思われる項目に対しての意見は下記の通りです。今後の施策や情報開示の参考として、より高いレベルのCSRの実践に結び付けていただくことを期待いたします。


CSRと事業との関係性について

本年のレポートでは、「バリューチェーンにおけるCSR課題と取り組み」の図が新たに追加されました。これにより、ヤマハのバリューチェーンの各プロセスに対し、社会からの期待と要請、そしてヤマハが取り組むべき主なCSR課題や戦略的CSRテーマが明確に整理されたことで、読者にとって本レポートに記載される取り組みの位置付けがより明確になったことは大きな改善といえます。特に、昨年発行されたGRIスタンダードでは、課題とその該当範囲(バウンダリー)を明示することが求められていますが、その趣旨にもかなっています。

データ・情報の開示について

ヤマハのCSRレポートは、従来から、日本企業の多くが躊躇しがちなクレームや違反件数などのネガティブ情報、詳細な数値を積極的に開示していることが優れた特徴といえます。その姿勢が、報告書を単なる読み物ではなく、企業の開示媒体として信頼性を大きく高めていることは言うまでもありません。特に今年のレポートでは、昨年に比較しても、さらに労働組合の組織率の開示範囲の拡大や政治献金、サプライチェーンの点検状況の定量情報などに踏み込んで開示が拡大していることは高く評価できます。今後もこの開示姿勢を継続し、グローバルレベルの情報開示を実現する観点からGRIスタンダードへの準拠などにチャレンジしていただきたいと思います。 さらに、冊子で特集されている次代への価値創造はヤマハの特徴を生かした興味深い活動といえます。ぜひとも社会的なインパクトの評価も含めた継続的なモニタリングを期待します。

ダイバーシティ・ワークライフバランスについて

初めての女性取締役の選任はシンボリックな事例ですが、有給休暇の取得日数や男性の育児休職者にも改善傾向が見られるなど、徐々にこれまでの地道な取り組みの成果が出ていると感じられます。また、例えば有給休暇の取得に対する取り組みと実績が具体的に開示されていることで、納得感を高めています。必ずしも短期的な改善が容易な分野ではありませんが、この例に習い、まだ成果が見えていない分野に対しても新たな施策の導入によりパフォーマンスの向上に結び付けられることを期待します。

持続可能な調達について

CSR調達に関しては、自己点検が順調に進捗し、単に形式的な調査にとどまらず是正に関しても一定の成果が出ていることは、高く評価されます。加えて、こうした取り組みをするために必須であり、新たに発行されたISO 20400「持続可能な調達の手引き」において重視されている調達担当者の教育に関しても、定量的に開示するなど的確な施策が打たれていることが読み取れます。
また、ヤマハのビジネスにとって生命線ともいえる、木質資源に関し、外部ステークホルダーと連携を図り、長期的視点に立った本格的な対応を試みていることは特筆すべき点です。今後は、目指すべき長期的な将来像を描きつつ、それに対する進捗の開示を期待します。