トップコミットメント

  1. 「なくてはならない、個性輝く企業」になることを目指して
  2. 経営とCSRの統合
  3. 「戦略的CSRテーマ」の進捗
  4. 「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献に向けて
[ 画像 ] 新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけ、社会の持続的発展に貢献してまいります

ヤマハグループは、1887年の創業以来130年にわたり、音・音楽を原点とした事業活動を通じて、お客さまや社会とともに感動を創造することに取り組み続けてまいりました。音楽は、人々の心に潤いを与え、言語を超えて世界中の人々を共感させる偉大な力を持っています。我々は、これからも事業を通じて音楽文化の普及・発展に取り組み、社会の持続的発展に貢献してまいります。
さて、当社は、今年6月にコーポレートガバナンス体制を見直し、指名委員会等設置会社に移行しました。経営における監督と執行の分離を一層明確にし、監督機能の強化、執行のスピードアップを図ってまいります。同時に、意思決定に多様な視点を取り入れるべく、当社初となる女性の社外取締役を選任しました。これらにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指していきます。
また、来年度には本社に研究・開発スタッフを結集した「イノベーションセンター」を開設するほか、インドネシアとインドにそれぞれ新工場を設立し、現地に根差したオペレーションで、拡大する新興国市場のニーズに応えてまいります。今後も、ヤマハグループは、経営ビジョン「なくてはならない、個性輝く企業」になることを目指し、未来に向けて成長を加速させ、健全で透明性の高い経営と社会課題を見据えた事業活動を通じて、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

中期経営計画「NEXT STAGE 12」の1年目にあたる2016年度は、為替によるマイナス影響はあったものの、多くの個性際立つ商品の提供や、顧客の拡大、生産性向上などにより、主要KPIである営業利益率について、中期経営計画の目標である12%達成に向け、順調なスタートを切ることができました。こうした成長を中長期的に実現していくためには、CSRを経営の根幹に据え、経営と統合して考えることが必要と認識しており、昨年、推進を強化すべきCSR課題を「戦略的CSRテーマ」として選定し、中期経営計画に組み込みました。各テーマの進捗については経営会議にてレビューを行い、グループ一丸となって、事業を通じたCSRの推進に取り組んでいます。

私たちが事業を通じて最も社会的な価値の創出に貢献できるのは、音楽文化の普及・発展に向けた活動、イノベーションであると考えています。戦略的CSRテーマに掲げている「地域に根差した事業展開」を具現化する主な取り組みとして、東南アジアの国々を中心に進めている「スクールプロジェクト」があります。これは、楽器に触れる機会に恵まれない子どもたちに器楽学習の機会を提供するプロジェクトで、インドネシア、マレーシア、ロシアでは、公立小学校に楽器と教材、指導ノウハウをパッケージとして提供、2016年度末までに3カ国248校で展開しています。
ベトナムでは、リコーダーをはじめとする器楽教育の導入支援を始めており、昨年11月、この活動が、日本の文部科学省から「日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)」公認プロジェクトに認定されました。
「社会課題を見据えた製品・サービスの開発」の代表例としては、学校の音楽教育現場向けに、子どもたちの創造性を育み、主体的な学びを生み出すICTソリューション「Smart Education System」の提供を開始しました。また、東京藝術大学を拠点として開催される、障がいの有無を超えた芸術の可能性を探求するイベント「藝大アーツ・スペシャル 障がいとアーツ」では、当社の保有技術を生かして、手足や聴覚に障がいのある方々の、より豊かな演奏表現をサポートしています。さらに、この活動を契機に、AIを活用して20世紀のピアノの巨匠・故スヴャトスラフ・リヒテルの演奏を再現し、ベルリンフィルメンバーによる弦楽四重奏との、時空を超えた共演を実現させました。今後もさらなる研究開発や他機関との技術協力を通じて、未来につながる音楽文化の創造や継承に貢献してまいります。
一方で、我々の事業が社会価値を毀損しかねない主要なリスクとして、楽器製造に用いる木材の調達があります。森林や生態系は、未来の世代に受け継ぐべき大切な社会の共有資産であり、我々にはこれらを持続可能な形で利用していく責任があります。戦略的CSRテーマとして「持続可能な木材調達」を掲げ、2016年度はサプライヤーの協力のもと、調達している木材のトレーサビリティ調査を行い、違法伐採に由来する材料を調達してしまうことがないよう、厳格なリスク評価を開始しました。また木管楽器の材料であるアフリカン・ブラックウッドに関しては、原産地タンザニアで、NGOとのパートナーシップのもと、持続的な資源管理・調達の実現に向けた活動を開始しました。
「ダイバーシティ、人材育成」に関しては、多様な人材がいきいきと働き、活躍するための環境づくりを進めています。今年2月、当社は、従業員の健康管理やワークライフバランス推進の取り組みが評価され、経済産業省の「健康経営優良法人2017」に認定されました。また、グループ会社の(株)ヤマハビジネスサポートは、女性従業員を中心に取り組んだ給与業務のプロセス改善が評価され、日本能率協会の改善活動の最優秀賞である「大野耐一・杉山友男賞」を受賞しました。今後もグループ全員で、業務の本質を追求して効率化を図り、新たな価値創造に向けた仕事や生活の時間を生むことができる「真の働き方改革」を実践してまいります。

ヤマハグループは国連グローバル・コンパクトの署名企業として、10の行動原則を順守すると同時に、国際社会の共通目標として掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献したいと考えています。今後、ますますビジネスがグローバル化する中で、ヤマハグループの一人一人がSDGsを正しく理解し、経営や事業活動に取り入れていくことが重要だと認識しています。ヤマハグループはこれからもCSRを経営の根幹に据え、事業を通じた社会課題の解決に努めてまいります。

ヤマハ株式会社
取締役 代表執行役社長
[ 署名 ] 中田 卓也