コンプライアンス

コンプライアンスの推進および行動規準

ヤマハグループは、コンプライアンスを経営の最重要テーマと位置付けています。法令順守はもとより、社会規範や企業倫理に則した高いレベルでのコンプライアンス経営を追求しています。役員ならびに従業員各自の行動規範「コンプライアンス行動規準」を定め、2003年の制定以降、環境や社会情勢の変化に対応した改定や多言語化を進め、コンプライアンス経営の基盤としています。

コンプライアンス行動規準の周知・啓発

コンプライアンス行動規準の周知・啓発のために、詳細な解説を加えた冊子を発行しています。日本国内では、冊子の配布に加え、電子版をイントラネットに掲載し、全従業員および派遣社員(雇用契約のあるアルバイトなどを含む)が内容を常時確認できるようにして、コンプライアンス研修や職場での教育・啓発ツールとして活用しています。海外グループ企業各社では、日本語版の内容をベースに、各国・地域に合わせた言語で冊子を作成し、活用しています。

コンプライアンス経営の仕組みと推進体制

コンプライアンス推進の中核組織として、代表執行役社長の諮問機関であるリスクマネジメント委員会下に「コンプライアンス部会」(部会長:執行役員)を設置し、コンプライアンスに関するグループ全体の方針や施策などの審議・決定を行うとともに、各部門および各グループ企業の順法かつ倫理的な業務遂行をモニターしています。

また、健全な事業活動を維持していくために、社内教育・啓発や従業員アンケートを実施するほか、従業員や派遣社員などを対象とした「コンプライアンス相談・通報窓口」を設置しています。

[画像] コンプライアンス推進体制
コンプライアンス推進体制

コンプライアンス部会の活動状況

活動実績

2023年3月期 4回開催

主な活動内容

  • グループ全体のコンプライアンス推進状況の確認
  • 公益通報者保護法改正対応、グループ内部通報取扱専門規程の発効
  • グループ管理職に対するハラスメント防止研修
  • 通報窓口の拡充・実効性向上の取り組み

モニタリング

ヤマハグループにおいて順法かつ倫理的な業務遂行が維持されるよう、コンプライアンス部会は各部門およびグループ各社のコンプライアンス体制や推進状況を定期的にモニタリングし、必要に応じ改善支援を行っています。海外においては、従来の年1回のモニタリングから、四半期ごとのモニタリングに頻度を上げ、運用状況を適時に把握しています。また、3年に一度従業員向けにコンプライアンス・アンケートを実施しています。海外では、全グループ企業にて通報窓口設置が完了したことを受け、コンプライアンス行動規準の認知状況に加えて通報窓口の認知状況も網羅的に把握しました。国内では、グループ企業における従業員の意識を「コンプライアンス・リスク診断」と「組織風土診断」の2つの方向で診断し、組織別に分析することで、課題解決、風土改善の取り組みに反映させています。

コンプライアンス体制・推進状況のモニタリングの概要

対象 ヤマハ(株)各部門および国内外グループ各社(47社)
内容 コンプライアンス推進体制の確認、内部通報窓口の設置と通報件数 など
頻度 推進体制の確認:年1回、海外グループ企業の通報件数:四半期に1回
  • 数字は2022年4月実施の実績

コンプライアンス・アンケートの概要

対象 【国内】グループ企業の従業員および出向者、派遣社員(雇用契約のある契約社員、アルバイトなどを含む)約8,500人
【海外】グループ企業(34社)の従業員および出向者、約20,000人(工場勤務者含む)
内容 従業員のコンプライアンス意識と通報窓口認知、行動規準認知の状況を把握するための設問
頻度 3年に1回
  • 数字は、国内では2021年10月、海外では2023年1月に実施した実績

教育・啓発

ヤマハグループは、イントラネットや各種研修などを通じて、従業員へのコンプライアンス教育・啓発活動を行っています。

イントラネットでは、国内グループ企業の従業員を対象に、4コマ漫画形式の「コンプライアンス便り」や「コンプライアンスクイズ」「コンプライアンスミニテスト」など、分かりやすく親しみやすいウェブコンテンツを毎月配信しています。2023年3月期からは新たに相談・通報窓口の理解促進・窓口不安の解消を目的とした漫画形式の「窓口利用インフォメーション」を公開するなど、短時間で効果的に学べるコンテンツを連載しています。

各種研修としては、コンプライアンスに関する知識や風通しの良い職場風土醸成に向けた上司・部下間のコミュニケーション改善などのテーマを、国内グループ企業の従業員を対象にオンライン形式もしくは少人数での集合研修形式で実施しています。コンプライアンスの重要課題の一つとしてハラスメント防止にも注力し、2023年3月期においては、国内グループ企業内の管理職全体に向けて「パワーハラスメント防止オンラインセミナー」を実施しました。ハラスメントのメカニズム解説やケーススタディ、アンガーマネジメント、アンコンシャスバイアスなど、マネジメント層が直面する課題に幅広く言及する内容を展開し、聴講後のアンケートでは研修内容へのコメントやさらなる要望が寄せられ、理解と意識の向上が伺えました。また、2022年6月に改正された「公益通報者保護法」を踏まえ、同年12月に、通報内容の調査に関わる従事者に向けた従事者研修を行いました。この他にも、各国内グループ企業独自でコンプライアンスに関する教育・研修を実施しています。

2023年3月期 コンプライアンス研修実績

実施回数(回) 受講者数(人)
階層別研修 10 335
キャリア入社研修 11 44
その他 3 229
合計 24 608
[画像] 基幹職向け「パワーハラスメント防止オンラインセミナー」の様子
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山藤祐子氏(ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社)による、基幹職向け「パワーハラスメント防止オンラインセミナー」の様子
[画像] 新任管理職向けコンプライアンス研修
新任管理職向けコンプライアンス研修

コンプライアンス相談・通報窓口

ヤマハグループは、ウェブ・電話・Eメール・郵便などさまざまな方法でコンプライアンスに関する相談・通報を受け付ける窓口を開設しています。相談・通報によりコンプライアンス違反の可能性が指摘された場合は、事実関係の調査によって客観的に状況を把握し、対策や処分について判断しています。

国内では、業務委託先が運営する社外の窓口「ヤマハ コンプライアンス・ホットライン」、社内相談窓口、社外の法律事務所窓口と合わせて3つの窓口を設置・運用しています。窓口の連絡先を記載したカードを従業員に配布するほか、各種研修の機会を利用して周知・利用促進を図っています。窓口の利用は、役員、従業員(派遣社員やアルバイトなども含む)を対象とし、2022年6月に公益通報者保護法が改正されたことに伴い、誠実な通報者が不利益な取り扱いを受けることがないよう、通報者保護を強化した社内規程に改訂しました。また、調査にあたる従事者への研修を実施し、法令順守を確実なものにしています。

海外では、海外グループ企業(34社)がそれぞれ設置している通報窓口に加えて、ヤマハ(株)運営の16カ国語対応のグループ共通の通報窓口を設置しています。さらに2022年には、ほとんど全ての海外グループ企業において各企業独自の社外窓口を設置し、通報者の用途に合わせた選択肢を増やしました。また、グループ企業全体に対する内部通報取扱規定を新設し、併せて通報窓口の利用促進と迅速な案件解決を目的とした通報対応マニュアルを作成、各グループ企業のコンプライアンス責任者・担当者に対して内容の説明会を実施しました。

コンプライアンス相談・通報窓口の体制

[画像] コンプライアンス相談・通報窓口の体制(国内)
[画像] コンプライアンス相談・通報窓口の体制(海外)

寄せられる相談・通報の内容は、2022年3月末現在、ハラスメントや労務関連が過半数を占めています。2022年6月には、法改正に対応した「内部通報取扱規程」の改定を行い、通報とその対応に関するルールが明確化されました。相談・通報に関して、事実確認・コンプライアンス違反の有無判断、違反があった場合の是正など、法令を順守した適切な対応プロセスが定められています。

2023年3月期のコンプライアンス相談・通報案件のうち、社会経済分野の法規制の違反により重大な罰金および罰金以外の制裁措置などに該当する重大なコンプライアンス違反はありませんでした。

コンプライアンス相談・通報窓口受付状況 (件)

年度 実名 匿名 合計
2019年3月期 25 9 34
2020年3月期 54 12 66
2021年3月期 50 33 83
2022年3月期 44 43 87
2023年3月期 57 57 114
2022年3月期 通報件数:87件
[グラフ] 2022年3月期 通報件数:87件
2023年3月期 通報件数:114件
[グラフ] 2023年3月期 通報件数:114件