汚染の防止

  1. 環境汚染防止の仕組み
  2. 汚染、有害物質への対応
  3. 化学物質の管理と排出削減
  4. 環境関連の事故・訴訟について

ヤマハグループでは、事業活動における環境汚染を未然に防ぐため、環境設備の設置や管理・運用についてのグループ基準を定めた「ヤマハグループ環境設備基準」を2014年に整備しました。拠点ごとに定めたロードマップに沿って、計画的に適合を進めています。全拠点での適合を2020年度に完了する予定です。

モニタリングと法規制対応

ヤマハグループでは、事業活動に伴う環境負荷の低減と法令順守を目的として、ヤマハ(株)環境部門と各事業所の管理部門が策定した年度計画に沿って、環境測定担当部門が各事業所の排ガス、排水、騒音、臭気などを定期的にモニタリングし、これらの管理状況の確認と順守評価を実施しています。
モニタリングにあたっては、法令基準値よりも厳しい自主管理基準値を設定しており、基準値の超過や異常が発見された場合は、ただちに応急処置を講ずるとともに是正措置を展開しています。
法令などの改正に迅速に対応できるよう、最新情報をグループで収集し、ヤマハ(株)環境部門が情報を集約、チェックし、グループとしての対応を各事業所に周知しています。また各事業所の管理部門・生産部門による「リスク低減ワーキンググループ」を設置し、施策を講じています。改正水質汚濁防止法で定められた設備の構造などに関する基準には、改正法の適用開始よりも2年早く2013年に対応しました。近年、環境法が頻繁に改正されている中国に関しては、順法体制を強化するため、現地法人と連携を密にするなど、国内外で取り組みを進めています。

[ 画像 ] 環境測定
環境測定

環境監査

ヤマハグループでは、ISO 14001統合マネジメントシステムに基づく内部環境監査に加えて、環境事故の未然防止や法令違反などの環境リスクを低減することを目的とした環境監査をグループ全体で実施しています。 この監査はヤマハ(株)環境部門によるもので、監査スタッフは環境保全にかかわる専門の技術とスキルを習得し、ISO 14001に基づく内部環境監査員としての資格に加え、公害防止管理者、作業環境測定士などの公的資格を取得しています。
2016年度から、「ヤマハグループ環境設備基準」に則した監査に移行し、さらなるリスク低減を図っています。リスク度合いによって頻度を設定、定期的に監査しており2016年度は、国内4サイト、海外4サイトの環境監査を実施しました。

[ 画像 ] 環境監査
ヤマハ(株)環境部門の監査スタッフによる環境監査

緊急事態への備え

ヤマハグループでは、事業所からの有害物質や油分の漏えいによる環境の汚染を未然に防ぐため、「緊急事態」を想定し事故防止に取り組んでいます。
グループ統一の評価基準によるリスク抽出を行い、その結果浮かび上がった各事業所の「緊急事態」について、改善や手順を整備することにより事故の未然防止に取り組んでいます。また、万一事故が起こってしまった場合の応急措置の手順や設備・備品を整えるとともに「緊急事態対応訓練」を実施しています。

[ 画像 ] 緊急事態対応訓練
緊急事態対応訓練

ヤマハグループでは、1997年度にグループ企業を含むすべての生産拠点を中心に土壌および地下水の調査を実施し、2事業所で塩素系有機溶剤による汚染を確認しました。これを契機にそれぞれ浄化対策を実施した結果、地下水についてはヤマハ(株)豊岡工場が2008年度末に浄化を完了し、県への報告とともに、地域の皆さまに説明会を実施しました。ヤマハ(株)本社事業所についても基準値近くまで回復し、現在も継続的に浄化を実施しています。 土壌汚染については、汚染が確認されたすべての事業所で2000年度までに浄化を完了しました。
排水先の水域の水質や生物多様性についての調査も定期的に実施しており、事業所からの排出水によって水域および関連生息地に悪い影響を与えないよう、常に排出水の監視を行っています。
また、国内全拠点において、高濃度PCBを含有するトランスやコンデンサーなどの大型機器廃棄物の処分を2015年4月までに完了しました。蛍光灯安定器類の小型高濃度PCB廃棄物についても、すでに予備登録を終え、適正な処分のための体制を整えています。
さらに、低濃度PCBを含有する機器についても2016年度に処分を開始しました。

[ 画像 ] 本社事業所の地下水浄化装置
本社事業所の地下水浄化装置

ヤマハグループでは、化学物質の使用による人や環境への悪影響を最小化するために、PRTR※1法対象物質などの化学物質管理の徹底と、生産工程や製品からの排出削減に取り組んでいます。2013年に、工場で使用している化学物質についての管理規定を見直し、環境負荷の低減と労働環境の向上をさらに推進することを目的に「ヤマハグループ化学物質使用規準」を策定、国内外の主要全工場で運用しています。
現在、ヤマハグループの生産工程から排出される化学物質は、製品の塗装・接着時に発生するVOC※2(揮発性有機化合物)が中心です。VOCの排出量については、全国楽器協会の定める自主目標「2010年度までに2000年度比で30%削減」という目標に準拠して、2006年度に活動開始。2008年度に目標を達成した後も同水準を維持しています。VOC排出量の経年推移については、環境データのページに掲載しています。
2015年度から、ヤマハグループ化学物質使用規準に則って、ジクロロメタンの全廃と1-ブロモプロパンの使用量削減活動に取り組んでいます。
2016年度は2拠点でジクロロメタンを廃止、1-ブロモプロパンの80%について代替を実施しました。また中国の工場でVOC処理施設を導入し、排出削減を進めています。

  • ※1 PRTR:Pollutant Release and Transfer Register (環境汚染物質排出・移動登録)の略。PRTR法は「特定化学物質の環境への排出量の把握などおよび管理の改善の促進に関する法律」の略称
  • ※2 VOC(揮発性有機化合物):塗料や接着剤に希釈剤などとして含まれ、光化学オキシダントや浮遊粒子状物質(SPM)の発生原因の一つと考えられている

塗装工程における化学物質の排出削減

楽器や自動車用内装部品などに外観の美しさと耐久性を与える塗装工程において、塗料の使用量や有機溶剤の排出を抑え環境への影響を少なくする塗装法を研究、導入しています。これまでに静電塗装、粉体塗装、フローコーター塗装などを自社製品に合わせて用途開発し、生産に使用しています。
(株)ヤマハミュージックマニュファクチュアリングでは、ピアノの生産工程で、部品の塗料を有機溶剤含有のものから水性塗料に切り替えを進めています。水性塗料は作業環境の改善効果もあります。
また、ヤマハファインテック(株)では、型の内部で被膜を形成する「型内塗装」工法を開発、自動車用内装部品に採用しています。従来のスプレー塗装から型内塗装に切り替えることで、90%以上の塗着効率※3を得ることができ、塗料使用量と有機溶剤の大気排出量を削減するとともに、作業現場の換気稼動を大幅に削減、省エネルギーにも寄与しています。

  • ※3 塗着効率:塗料の使用量に対し、被膜として残留する割合
[ 図 ] 型内塗装(YMC:Yamaha Mold Coating)の工程
[ 図 ] スプレー塗装の工程

オゾン層の保護

ヤマハグループでは、オゾン層保護のためにフロン類の使用量削減に取り組み、特定フロン、代替フロンの使用を全廃しています。1993年度に生産工程で使用する特定フロン(CFC類)を全廃した後、金属材料の脱脂洗浄工程において、特定フロンに比べてオゾン層破壊係数が小さい代替フロン(HCFC類)を洗浄剤として使用していましたが、地球温暖化への影響が大きいことから、2005年度までに全廃しています。

2016年度において、環境にかかわる法令違反や罰金、科料、訴訟はありませんでした。また、外部に影響を及ぼす事故や重大な苦情などもありませんでした。