製品・サービスの環境配慮

ヤマハグループは、材料調達から製造、輸送、使用、廃棄に至る製品ライフサイクル全体を通して環境影響を評価するLCA(Life Cycle Assessment)などの手法を用いて、生産する多様な製品群それぞれの環境負荷の特徴を把握し、各製品の主要な環境負荷に対応した環境配慮設計に取り組んでいます。
また、製品に含まれる化学物質については、含有規準や管理システムの整備、グリーン調達を実施しています。

主な製品のLCA評価による特徴とその対策

  • ※ 各ライフサイクルの段階における円の大きさは、相対的な環境負荷の大きさを模式的に表しています

アコースティック楽器

特徴
  • 使用時のエネルギー消費なし(電力など不要)
  • 長寿命(数十年使用されることも多い)
  • 主材料の木材は再生可能資源であるが、違法伐採による森林破壊や資源枯渇リスクがある
  • 一般家電のような素材リサイクルインフラは未整備
対策
  • 森林破壊や資源枯渇に加担しない持続可能な木材調達
  • 保守サービスやリユースの仕組み拡充による長寿命化
  • 素材リサイクルの仕組み構築
アコースティック楽器のライフサイクル

電子楽器

特徴
  • 待機電力の不要な製品が大半で、エネルギー消費も一般家電などに比べれば少なめ
  • 製品寿命は一般家電と同程度
  • 金属は採掘・製錬など製造時の環境負荷が大きく、プラスチックや含有化学物質は自然環境中への残留による環境汚染のリスクがある
  • 一般家電のような素材リサイクルインフラは未整備
対策
  • 環境負荷物質の削減・代替
  • レトロフィッティングによる長寿命化
  • バイオマスなど再生可能資源の活用
  • 素材リサイクルの仕組み構築
電子楽器のライフサイクル

AV機器、IT機器

特徴
  • IT機器は常時稼動が多く、AV機器は待機電力を要するものがあるため、使用時のエネルギー消費が比較的大きい
  • 製品寿命は接続機器の仕様やバージョンに左右される
  • 金属は採掘・製錬など製造時の環境負荷が大きく、プラスチックや含有化学物質は自然環境中への残留による環境汚染のリスクがある
  • 一般家電のような素材リサイクルインフラは未整備
対策
  • 省エネルギー設計
  • 環境負荷物質の削減・代替
  • バイオマスなど再生可能資源の活用
  • 素材リサイクルの仕組み構築
AV機器、IT機器のライフサイクル

製品の含有化学物質の管理

流通・販売される製品に含まれる化学物質の中には、廃棄時に適切な処理を必要とするものや、人の健康や環境への影響が懸念される物質があります。このため、さまざまな国の法規制において、製品に含まれる化学物質の情報開示や使用規制が定められています。
ヤマハ(株)では、「製品に係る化学物質の含有規準」を定め、製品の設計・開発にあたってこの規準に沿って含有化学物質を管理することで、遵法性の確保と環境負荷の低減を図っています。これらの規準は法規制の拡大・改定への対応や自主規準の付加などにより、随時改定しています。

製品の含有化学物質管理システムの整備

製品の含有化学物質を管理するためには、製品に組み込む部品・材料などに含まれる化学物質を把握・管理することが重要です。ヤマハグループでは、2008年度に管理システムを構築し、調達先の協力のもとに部品含有化学物質の調査と管理を進めています。
業界標準の含有化学物質情報伝達フォーマット※1を採用し、欧州REACH規則における認可対象候補物質※2のように継続的に追加されていく化学物質規制にも、柔軟に対応できる体制を整える一方で、部品の含有化学物質管理について理解と協力を得るため、調達先向けの説明会を実施しています。

  • ※1 AIS(Article Information Sheet)の略で、JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が推奨する製品含有化学物質情報を伝達するための基本的な情報伝達シートを採用しており、現在AIS(Article Information Sheet)からchemSHERPA(chemical information SHaring and Exchange under Reporting PArtnership in supply chain)に移行中です。部品メーカーなどが、材料、原料メーカーからの含有化学物質の情報を使い、部品の含有化学物質情報を供給先に伝達するために使用されます。
  • ※2 認可対象候補物質(SVHC): REACH規則では、SVHCの性質を持つ認可対象物質の候補に指定された物質が製品に一定以上含有する場合は情報提供の義務などが生じ、管理が必要となります。SVHCはSubstances of Very High Concernの略で、発がん性物質などの高懸念物質を示します。

グリーン調達の推進

ヤマハグループでは、資源の採取から廃棄までの製品のライフサイクルにおいて環境負荷の小さい資材を調達するグリーン調達活動に取り組んでいます。取引先への要求事項をまとめた「グリーン調達基準書」を2002年に制定・公開し、納入物品の化学物質の使用・含有や管理状況の調査にご協力いただいています。調達先から提供された含有物質のデータや化学物質管理の取り組み状況をデータベースに取り込み、製品中の化学物質の含有状況確認や環境規制などへの対応に役立てています。なお、同基準書は、グローバルな環境規制の変化に合わせて適時見直しています。

ヤマハグループは、2015年に「ヤマハエコプロダクツ制度」をスタートしました。これは、製品における環境配慮の基準を明確にし、ヤマハ製品の環境配慮を推進していく取り組みです。環境配慮の自社規準を満たし、ヤマハエコプロダクツと認定した製品に「ヤマハエコラベル」を表示することで、お客さまに分かりやすい環境配慮情報を提供し、製品選びの一助となることを目指しています。

「ヤマハエコプロダクツ制度」の状況(2021年3月末時点)

2020年度は新たに29モデルを認定し、2021年3月末時点で従来製品も含め累計454モデルを認定、うち新規開発の70モデルにエコラベルを表示しています。
認定品の売上比率は、2020年度において約16%に上っています。

【2020年度に認定された製品例】

サウンドバー『SR-C20シリーズ』

認定理由:省エネ性(業界トップクラスの待機電力)

ヤマハエコラベル

ヤマハグループの製品には、一般消費者向けだけでなく法人向けの製品もあります。その中には、お客さまの事業活動において環境負荷を低減したり、お客さまが生産する製品の使用時の環境負荷低減に役立つ製品があります。 ヤマハグループは、こうした製品の開発と普及促進を通じて、社会全体の環境負荷低減に貢献していきます。