生物多様性の保全

  1. 木材使用企業としての責任
  2. 環境・生物多様性保全の取り組み

ヤマハグループは、アコースティック楽器や各種製品の原材料として木材を使用するなど、こうした天然資源およびそれらを生み出す生態系に支えられて事業活動を行っています。サステナビリティ方針および環境方針に、森林や生物多様性の保護、保全に取り組むことを定め、それらに基づいた適切な事業活動、適正な木材活用や環境保全活動を推進しています。

化学物質の対策

化学物質による環境や生態系への影響を抑止するため、管理の強化および使用量削減、漏洩対策に取り組んでいます。

水質保全

工程からの排水が公共水域や土壌、地下水を汚染しないよう、処理施設の整備およびモニタリング、監査を行っています。

工場排水の生態系影響評価(豊岡工場)

2016年、ヤマハ(株)豊岡工場で工場排水の生態系影響評価を実施しました。
豊岡工場の構内には管楽器の生産を行う(株)ヤマハミュージックマニュファクチュアリング)があり、その生産工程から出た化学物質を含む排水を無毒化処理して河川に放流しています。調査では、工場排水の影響を、生物応答を利用した「WET手法」を用いて評価し、生態系への影響がほとんどないことを確認しました。

  • ※ WET手法:Whole Effluent Toxicity (全排水毒性試験)。希釈した排水の中で、藻類・ミジンコ類・魚類の水生生物の生存、成長、生殖に与える影響を測定し、工場・事業場からの排水全体が生態系に対して有毒かどうかを評価する排水管理手法

森林・自然環境の保全

インドネシア「ヤマハの森」活動

[ 画像 ] ヤマハの森ロゴマーク

ヤマハ(株)とインドネシア現地法人6社は、2005年度から2016年度までインドネシアで、植林を通じて地域社会へ貢献していく「ヤマハの森」活動を実施してきました。
インドネシアは世界の生物種の宝庫でありながら、近年その豊かな生物多様性を育む森林が急速に失われています。2005年度からの第1期活動では、森林機能の回復に向けて、ヤマハ発動機グループと共同で、西ジャワ州スカブミ県内の県有地約127haに約11万本の苗木を植えました。このエリアは県政府によって「HUTAN KOTA」(都市林)に指定され、適正に管理されています。2010年度からの第2期では天然林の再生、生態系の回復を目的として、西ジャワ州クニンガン県チレメイ山国立公園内の荒廃地50haに約5万本の植林を行いました。地域特性に合った天然林の再生、生態系の回復を目的として、日本の(独)国際協力機構(JICA)やインドネシア政府林業省、国立クニンガン大学林学部と共同で、学術的調査に基づいて選定した樹種の植栽を実施。毎年、現地で関係者参加による植林イベントを開催し、記念植樹や参加した地元の子どもたちへの環境教育などを行いました。このエリアは2016年度にチレメイ山国立公園に移管し、現地行政、関係者による管理のもと、永続的に保全されていきます。
2017年度、「ヤマハの森」第1期と第2期の両方のエリアにおいて、衛星写真による森林の育成状況の確認と森林が吸収したCO2量の推計を実施しました。これまでに合わせて約42,000tのCO2が吸収されたと見込まれています。

インドネシア「ヤマハの森」活動実績
  第1期(2005年度~2009年度) 第2期(2010年度~2014年度)
主催 ヤマハ(株)および関連現地法人6社
ヤマハ発動機(株)および関連現地法人2社
ヤマハ(株)および関連現地法人6社
協力 (公財)オイスカ (独)国際協力機構(JICA)、現地国立公園管理事務所、国立クニンガン大学林学部
場所 インドネシア 西ジャワ州スカブミ県 インドネシア 西ジャワ州クニンガン県チレメイ山国立公園内
期間 2005年12月から2010年3月 2010年12月から2015年3月(植林活動)
2015年4月から2017年3月(メンテナンス)
森林消失の主因 乱伐 森林火災
植林目的 生物多様性の回復、水源涵養、土壌浸食防止、CO2吸収固定 生物多様性の回復、水源涵養、土壌浸食防止、CO2吸収固定
面積 126.7ha 50ha
本数 115,110本 52,870本
樹種 マホガニー、チーク、センゴン、ユーカリ、メリナ、メランティなど 21種 植生調査に基づく在来種(バユール、クラアサム、サラム、ミモザアカシア、タラップなど) 46種
活動内容
  • 植林および管理
  • 植林セレモニー(延べ9,180人参加)
  • 環境教育活動(農民グループや学校での育苗活動ほか)
  • 教育支援(机・椅子などの支援)
  • 地域支援(共同水場の建設など)
  • 植林および管理(JICAの「生態系保全のための荒廃地回復プロジェクト」に参画)
  • 植林セレモニー(延べ1,300人参加)
  • 小学生への環境教育
CO2吸収量
2017年度推計
30,929t(12年間) 11,542t(7年間)
[ 画像 ] 植林イベントの様子
[ 画像 ] 左:植林開始時(2011年)と、右:順調に育った木々(2017年)
左:植林開始時(2011年)と、右:順調に育った木々(2017年)
[ 画像 ] 植林エリア衛星写真(左:2009年、右:2017年/調査:国際航業株式会社)
植林エリア衛星写真(左:2009年、右:2017年/調査:国際航業株式会社)

遠州灘海岸林の再生支援活動

ヤマハ(株)は、2007年3月に静岡県および浜松市と「しずおか未来の森サポーター」協定を締結しました。この協定に基づいて、浜松市の市有地である遠州灘海岸林の再生支援活動に取り組んでいます。これは、松くい虫被害の深刻な海岸林に、継続的に苗木を植える活動です。植林した樹木は順調に育っています。
2017年10月、第10回の植林活動をヤマハ発動機(株)と合同で実施予定でしたが台風接近のため、両社グループの従業員とその家族、一般の方々の参加を取り止め、天候回復後に社内環境担当者と浜松市公園管理スタッフや造園関係者で植栽しました。

植樹実績
時期 本数 樹種
第1回 2008年 115本 ウバメガシ、ヤブツバキ、ヤマモモ
第2回 2009年 180本 ウバメガシ、ヤブツバキ、ヤマモモ、モチノキ
第3回 2010年 150本 ヤブツバキ、ウバメガシ、モチノキ、クスノキ、シャリンバイ、エノキ、トベラ
第4回 2011年 155本 エノキ、クスノキ、モチノキ、ウバメガシ、カクレミノ、シャリンバイ
第5回 2012年 160本 ヤマモモ、クロガネモチ、トベラ、カクレミノ、イボタノキ
第6回 2013年 200本 ヤブニッケイ、クロガネモチ、ヒメユズリハ、マサキ、イボタノキ
第7回 2014年 300本 ヤマモモ、ウバメガシ、エノキ、シロダモ、クロマツ
第8回 2015年 480本 ウバメガシ、マサキ、シャリンバイ、トベラ、クロマツ
第9回 2016年 245本 ウバメガシ、マサキ、クロマツ
第10回2017年 330本 抵抗性クロマツ
累計 2,315本  
[ 画像 ] 植樹後の様子
植樹後の様子
[ 画像 ] 植栽したスタッフ
植栽したスタッフ

なお、この活動に対し、「しずおか未来の森サポーター」事務局である静岡県くらし・環境部環境局環境ふれあい課より、認定ラベル(smileラベル)が付与されました。これは本活動が、労力による貢献(smile1)、資金による貢献(smile2)、地域との連携(smile3)の全てを満たしていることが認められたものです。

[ 画像 ] Smile1:労力による貢献
Smile1:労力による貢献
[ 画像 ] Smile2:資金による貢献
Smile2:資金による貢献
[ 画像 ] Smile3:地域との連携
Smile3:地域との連携

希少生物の保護活動

2017年9月、静岡県浜松市の遠州灘海岸でヤマハ発動機(株)企画による「子ガメ観察&サスティナブルビーチ作戦」が開催され、ヤマハ(株)グループから82人が参加しました。ヤマハ発動機(株)では、絶滅危惧種であるアカウミガメを守るために、海岸の生態系を保全する活動を1991年から続けています。
当日は、アカウミガメの生態や海岸環境についての講話を聞いた後、子ガメを海に帰したほか、砂浜のごみ拾いと砂浜に生息する希少生物であるカワラハンミョウを守るため、砂浜にはびこる外来植物の駆除を実施しました。

[ 画像 ] 海に帰したアカウミガメの子
海に帰したアカウミガメの子
[ 画像 ] 外来植物の駆除作業
外来植物の駆除作業