製品・サービスの安全性確保

ヤマハグループは、製品・サービス・施設などにおける安全性を、当然備えるべき「基本品質」とし、お客さまをはじめ、製品・サービスのライフサイクルに関わる全ての人々の生命、身体および財産に対する被害を防ぎます。
コンプライアンス行動規準において製品・サービスの安全性確保について定め、その実践のための体制を整備するとともに、本質的安全設計に向けた設計プロセスを強化しています。

ヤマハグループでは、安全に配慮した製品設計や安全性審査、関係する法令・規格への対応を通じて、製品の安全性確保、向上に取り組んでいます。

安全に配慮した製品設計

開発時のデザインレビューにリスクアセスメントを組み込むなど、ヤマハグループでは安全に配慮した製品設計に取り組んでいます。リスクアセスメントでは、設計段階において、それぞれの製品や使い方に関わる潜在的なリスクを抽出・想定し、これらリスク要因の軽減、排除の検討を設計プロセスに組み入れます。
そのためにリスクアセスメント手法であるR-Map手法の定着を図り、リスクアセスメントの有効性向上の活動を進めています。

  • ※ R-Map手法とは、日本科学技術連盟が提案した、リスクを6×5のマトリックス上で表現する手法。設計時のリスク低減、製品のリスク評価に用いられる。経済産業省/NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)においても、R-Map手法によりリスクを評価している

製品の安全性評価環境

リチウムイオンバッテリーを始めとする部品、製品の安全性確保のため、耐火・防爆性能を完備した試験棟を整備しました。安全性評価を社内で完結できる環境を整えることで、設計・開発部門へ迅速にフィードバックする体制を整えています。

試験棟
試験設備

主要製品の安全性審査

ヤマハ(株)の品質保証部門が、実際に販売されているヤマハグループの主要製品(年間約20製品)の表示確認・安全性審査などを実施し、その結果を担当部門へフィードバックして安全性向上に努めています。

安全性審査の様子

各国の製品法令・規格への対応

製品の品質や安全性、環境保護に関する世界各国の法令・規格を確実に順守するため、各種規制情報の動向監視や社内方針の決定、運用の体制を整えています。
法規制の拡大・改定や自主基準の付加などにより社内基準を制改定する一方で、現地法人との情報連携により、各国法規制の変化に迅速・適切に対応し、法規制情報を管理する仕組みを強化しています。
近年、電磁波や省エネに関する規制が国際的に強化されていることから、ヤマハ(株)では電磁波測定設備をはじめ各種測定・分析・評価機器を社内に設置し、規制のあるすべての国に向けた製品や部品の試作品評価などを実施しています。また、化学物質に対する規制が世界各国で強化されていることを受けて、製品に含まれる化学物質の管理システムを構築・運用するとともに、「製品に関わる化学物質の含有基準」を制定しています。製品の設計・開発にあたっては、この基準に沿って含有化学物質をサプライチェーン全体で管理し、順法性の確保と環境負荷の低減に役立てています。
法規制順守を実現していくために、これを理解し、担い手となる人材の育成を行っています。2022年3月期からはeラーニングによる、製品に関する法規制の概要とヤマハにおける対応の枠組みの教育を開始しました。

電磁波測定に使用する電波暗室

製品事故時の速やかな対応

万一、市場で製品事故が発生した場合、事故を知った従業員が直ちに担当部門や品質保証部門に伝達し、お客さまの安全確保を最優先するための体制を整えています。報告を受けた担当部門は速やかに経営トップに事故発生を報告するとともに、品質保証部門の長は全社関係部門を招集し、被害に遭われたお客さまへの対応や行政報告、再発防止に向けての対策を推進します。

人事教育の中に製品安全リスクアセスメントコースを設けて、事故事例の紹介や製品開発段階から製品発売後に至るまでのリスクマネジメントなどの教育を行っています。2019年3月期まで実施していた製品安全コースも合わせて、2011年3月期から2022年3月期までの12年間で、技術・開発者を中心とした従業員347人が受講し、延べ1,820時間の講義を実施しました。

2022年3月期、製品の安全面での不具合に関わる市場対応が1件発生しました。なお、この1件に起因する人的な被害は発生しておらず、また、罰則をともなう法令違反もありませんでした。