製品・サービスの安全性確保

ヤマハグループは、製品・サービス・施設などにおける安全性を、当然備えるべき「基本品質」と考えています。コンプライアンス行動規準において製品・サービスの安全性確保について定め、その実践のための体制を整備するとともに、本質的安全設計に向けた設計プロセスを強化しています。

ヤマハグループでは、安全に配慮した製品設計や安全性審査、関係する法令・規格への対応を通じて、製品の安全性確保、向上に取り組んでいます。

安全に配慮した製品設計

開発時のデザインレビューにリスクアセスメントを組み込むなど、ヤマハグループでは安全に配慮した製品設計に取り組んでいます。リスクアセスメントでは、設計段階において、それぞれの製品や使い方に関わる潜在的なリスクを抽出・想定し、これらリスク要因の軽減、排除の検討を設計プロセスに組み入れます。
2017年度はリスクアセスメント手法であるR-Map手法の定着を図り、リスクアセスメントの有効性向上の活動を進めています。

  • ※ R-Map手法とは、日本科学技術連盟が提案した、リスクを6×5のマトリックス上で表現する手法。設計時のリスク低減、製品のリスク評価に用いられる。経済産業省/NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)においても、R-Map手法によりリスクを評価している。

主要製品の安全性審査

ヤマハ(株)の品質保証部門が、実際に販売されているヤマハグループの主要な製品(年間約50製品)の表示確認・安全性審査などを実施し、その結果を担当部門へフィードバックして安全性向上に努めています。

各国の製品法令・規格への対応

製品の品質や安全性、環境保護に関する世界各国の法令・規格を確実に遵守するため、各種規制情報の動向監視や社内方針の決定、運用の体制を整えています。
近年、電磁波に関する規制が国際的に強化されており、ヤマハ(株)では電磁波測定設備をはじめ、各種の測定・分析・評価機器を設置しています。これらの設備により、主に設計部門において、規制のあるすべての国に向けた製品や部品の試作品の評価などを実施しています。また、世界各国で化学物質に対する規制が強化されており、製品に含まれる化学物質の管理システムを構築、運用するとともに、「製品に係る化学物質の含有基準」を制定。製品の設計・開発にあたって、この基準に沿って含有化学物質を管理することで、遵法性の確保と環境負荷の低減に役立てています。また、基準は法規制の拡大・改定への対応や自主基準の付加などにより、随時改定しています。
各国法規制の変化に迅速・適切に対応していくために、今後、現地法人との情報連携を密にしていくとともに、法規制情報を管理する仕組みを強化していきます。

[ 画像 ] 電磁波測定に使用する電波暗室
電磁波測定に使用する電波暗室

製品事故時の速やかな対応

万一、市場で製品事故が発生した場合、事故を知った従業員が直ちに担当部門や品質保証部門に伝達し、お客さまの安全確保を最優先するための体制を整えています。報告を受けた担当部門は速やかに経営トップに事故発生を報告するとともに、品質保証部門の長は全社関係部門を招集し、被害に遭われたお客さまへの対応や行政報告、再発防止に向けての対策を推進します。

人事教育の中に2010年から製品安全教育コースを開設、2017年度からは製品安全リスクアセスメントコースを設けて、事故事例の紹介や本質的安全設計の考え方、製品安全に関する法規制、製品開発段階から製品発売後に至るまでのリスクマネジメントなどの教育を行っています。これらの教育には、2010年度から2017年度までの8年間で、技術・開発者を中心に延べ1,404時間の講義を実施し、257人が受講しました。

2017年度、ヤマハ製品における製品事故に係る市場対応が3件発生しました。
2017年11月、マーチングキャリングホルダーにおけるバスドラム落下、肩掛け接合ボルト折損が発生、12月よりすべてのマーチングキャリングホルダーにおける製品不具合についての回収、改造を開始しました。2018年4月末までに95%の対応が完了しました。
製品の安全に関する法令違反は1件(楽器ケースストラップの鉛含有量超過)で、適切に対応しました。これまでに、本件に起因するお客さま被害は発生していません。