次世代育成への支援

ヤマハグループは地域貢献活動の一環として、事業拠点を置く世界各地域の教育機関などからの要請を受けて、職場体験学習やインターンシップ、工場見学の受け入れや学習施設の展示協力に応じています。

中学生の職場体験学習や高校生のインターンシップなどの受け入れを通じて、次世代を担う若者たちに就労体験機会を提供することで、若者たちが将来働く意欲と目標を持つことに寄与しています。

また、ヤマハは、「科学する心」を育む場である浜松科学館(静岡県浜松市)の展示に開館時から協力しています。同館は、「音・光・力・宇宙」の4分野において、アクティブラーニングの観点を重視した子どもも大人もともに科学を楽しみながら学習できる体験型ミュージアムで、地域を代表する企業各社が常設展示に協力しています。ヤマハでは以下の協力を行っています。

「音」ゾーンでの協力内容
名称 内容
響きの変わる部屋 電気音響信号処理技術を活用した展示物を寄贈。室内の響きや空間の拡がりなどをコントロールする音場支援システム(AFC:Active Field Control)が組み込まれたブース内で、「山びこ」「洞窟」「教会」の異なる場所を選択すると、前面のプロジェクターにシーンに合わせたイメージ映像が映し出され、手を叩いたり、声を出したり、楽器を鳴らしたりして、音の響きや聞こえ方の変化を体験できる。

ヤマハグループでは、子どもたちの育成を支援するさまざまな活動を行っています。毎年、地元自治体や教育機関などからの要請に応えて、出前授業の開催や「ものづくり」をテーマとした子ども向けプログラムを提供しているほか、ヤマハ野球部による少年野球教室などを開催しています。

ものづくり教室や出前授業の開催

ヤマハ(株)では、年間を通じて、地域の教育機関と連携して、子ども向けのものづくり教室を各種開催しています。ダンボールやつまようじなどの身近な素材を使って一本弦のギターをつくる「手づくりギター教室」、ピアノの製造工程で出た端材から、「親指ピアノ」と呼ばれるアフリカの民族楽器をつくる「親指ピアノづくり教室」、楽器に愛着を持ってもらえるよう常に持ち歩けるキーホルダーサイズに仕上げる「ミニ鳴子教室」などを実施し、子どもたちに楽器を通じたものづくり体験の場を提供しています。
また、地元自治体や教育機関からの要請に応じて、ユニバーサルデザイン(UD)をテーマにした小学校への出前授業も行っています。

手づくりギター教室
親指ピアノづくり教室
ミニ鳴子教室
ヤマハ発動機(株)と共同で開催したものづくり教室
SoundUDをテーマとしたUD出前授業

ピアノの端材を子どもたちの積み木へ有効利用

(株)ヤマハミュージックマニュファクチュアリングでは、地域の幼稚園や保育園、小学校、公共施設などに、ピアノの製造工程で出た木材の端材を積み木として提供しています。1998年頃から続くこの取り組みは、地域貢献と同時に廃棄物の有効利用に役立っています。2020年9月には地元の幼稚園に端材を提供しました。

端材を使って工作
端材の積み木で遊ぶ子どもたち

ヤマハ野球部による少年野球教室

ヤマハ野球部は、スポーツを通じた地域貢献・青少年育成支援として、静岡県西・中部地域の少年野球チームを対象に野球教室を開催しています。投球時の体重移動の技術、ステップの位置、内野・外野守備の基本姿勢、連携プレー、打撃時のボールの捉え方など、基本技術をヤマハ野球部員がお手本を示しながら指導するもので、健康で元気な子どもたちを育てるとともに、子どもたちの夢や成長を応援する目的で実施しています。2016年度からは、浜松市が取り組む「トップアスリート連携事業」にも協力し、中学生に対してバッテリー技術向上を目的とした座学を含む指導や未就学児へボール遊びを通じたティーボール教室を実施しています。
また、ヤマハ野球部OB会を中心とした「ジュニア野球を指導する会」による「野球検診」も同時に実施し、故障を訴える子どもたちを対象にスポーツ専門医が検診を行うことで、子どもたちの怪我や故障防止の一助となるよう取り組んでいます。

  • ※ 2016年度から浜松市が取り組む事業で、地元のトップアスリートを各競技団体や学校に派遣してスポーツ教室を開催するもの。トップアスリートの技術や経験を指導することで、次世代のアスリートの発掘、スポーツ実施者などの増加につなげることが目的
ティーボール教室
野球検診

学校教育現場でのICT活用が盛んになりつつある中で、ヤマハでは新しい学びの提案をしています。

ICTを用いた音楽教育ソリューション「Smart Education System」

ヤマハ(株)は2014年より、学校の教育現場にICTを活用した音楽教育ソリューションを提案する「Smart Education System(SES)」を展開しています。長年培ってきた音楽に関する技術や音楽教育に関するノウハウを生かし、全国の小中学校の協力のもとに実証授業を重ねてデジタル音楽教材を開発。2017年2月発売の「ボーカロイド教育版」、「ギター授業」、「箏授業」を皮切りに、「アルトリコーダー授業」や「合唱練習」、「ソプラノリコーダー授業」「うた授業」などを発売し、高い評価を得ています。
これらは主に小中学校を対象とした教材で、教材本体だけでなく学習指導要領を踏まえた授業の進め方や教える際の留意事項、また演奏に必要な基礎知識を学べる動画をパッケージにまとめ、現場の先生方が使いやすいような工夫をしています。これに沿って授業を進めることで、子どもたちの創造性や論理性を育むのと同時に、先生はより容易に効果的な指導が行えます。2020年3月には、新型コロナウイルス感染症の影響で長期休校となった小中学校の自宅学習を支援するため、一部の教材をWEB上で無料公開しました。その結果、文部科学省、経済産業省や250の自治体、学校で紹介され、約50万のアクセスがあるなど大きな反響がありました、これを受け、6月には、デジタル教材を活用した「音楽授業のアイディア発信ページ」を開設。感染拡大防止の観点から、楽器の演奏や歌唱・合唱など従来の活動に制約がある中でも実現できる、今知りたい授業のアイディアを掲載しています。
「Smart Education System」を通じて、さまざまな社会環境、情勢の変化に素早く対応できるデジタル音楽教材の特性を生かし、クラウドサービスなども含め広く提供を勧めることで新しい時代の音楽教育をサポートする予定です。

「ソプラノリコーダー授業」教材画面
ヤマハデジタル音楽教材『うた授業』
[ 画像 ] 学校の新しい生活様式に配慮した音楽授業のアイディアを発信しています。

Web会議用マイクスピーカーを活用した遠隔授業

教育現場でICT化が進むにつれて、学校間での合同授業や姉妹校との交流授業、離島や過疎地での専門教師不足を補うための協働授業などに、ICTを活用した遠隔授業が取り入れられるようになりました。文部科学省による高等学校教育現場の「遠隔授業による単位認定」の流れもあり、今後さまざまな形で遠隔授業が増えると予想されます。そこで重要になるのが授業や講義の音声品質です。ノイズや音声の途切れなどは授業内容の理解を妨げることになるだけに、クリアで安定した音声は絶対条件と言えます。
ヤマハでは、Web会議用マイクスピーカーなどの音声コミュニケーション機器を活用した遠隔授業を、各県教育委員会や教育機関、他社と連携をしながら推進しています。ヤマハの高性能Web会議用マイクスピーカーを利用すれば、設置・設定も簡単に、手軽に1~2名の小規模から40名規模までの遠隔授業を実現でき、エコーやノイズのない最適音声でストレスのない授業が可能です。

英語の授業でタブレット端末と遠隔システムを用いた英会話を実施(茨城県古河市立第一中学校)
ICT活用発表会(福島県新地町立駒ケ嶺小学校)
遠隔授業のシステムイメージ事例(宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校様の遠隔コミュニケーション)