地域コミュニティー発展への寄与

ヤマハグループは各地域での音楽イベントの企画・開催などを通じて、地域への貢献やコミュニティーの活性化に寄与したいと考えています。

音楽の街づくり事業

(株)ヤマハミュージックジャパン(以下、YMJ)では「音楽の街づくり“おとまち”」プロジェクトを展開しています。おとまちは、音楽が持つ「人と人をつなげる力」を使って、地域の活性化や企業と社会の共有価値の創造をお手伝いする事業です。自治体や企業、地域コミュニティーなどが抱えている課題を解決するため、音楽をツールにした市民参加型のプロジェクトやイベント、街づくりのためのプログラムを提案・支援します。ヤマハが目指すのは、持続可能な社会基盤となるコミュニティーを自立させることです。おとまちでは街づくりの初期段階を重点的に支援し、地域の方々が自由に参加して継続的に活動できる場や時のスキームの構築を通じて、新しいかたちの社会貢献型事業を推進しています。
2016年度より柏市社会福祉協議会とともに取り組む、地域コミュニティーリーダーの創出を目標にしたドラムサークルによるファシリテーターの育成活動においては、修了生による団体「DCBK(ドラムサークルビートオブかしわ)」の活動が地域のさまざまな場所に広がりつつあります。また、2020年2月にYMJと福井県は「福井県内の音楽を活用したまちづくり」を目指した3年間にわたる連携協定を締結しました。福井県下において、県・市町および各団体とともに多岐にわたる活動を推進し、まちなかなどにおける音楽活動者の発表機会の創出、身近な場所での鑑賞機会の提供など、福井県内の音楽普及活動を行っています。

かしわファシリテーター育成講座
ドラムサークルの様子
福井県内での音楽普及への取り組み

ヤマハ吹奏楽団による地域貢献

1961年に創部したヤマハ吹奏楽団は、ヤマハグループの従業員によって構成されたアマチュアバンドです。定期演奏会やポップスコンサート、ヤマハ野球部の野球応援、国内外の各種公演・コンクールへの出場といった定期活動のほか、新たにオープンした浜松市市民音楽ホールの開館記念コンサートに出演するなど、地域に根差した活動にも積極的に取り組み、浜松市が推進する「音楽の都づくり」に協力しています。

浜松市市民音楽ホールの開館記念コンサート

ヤマハグループでは、音楽、楽器を通じた地域貢献や音楽普及活動により、青少年の健全育成や音楽教育文化の発展に寄与しています。

「AMIGO Project」による支援活動

中南米の多くの国で、犯罪や貧困、格差が深刻な社会問題となっています。こうした環境に育つ子どもたちが犯罪・非行・暴力に走ることなく健全な精神を育めるよう、国の政策として無償の音楽教育活動が進められ、各地で青少年育成のためのオーケストラやバンドが結成されています。ヤマハはこの活動に賛同し、多くの子どもたちが参加するこの活動を長年にわたり支援してきました。

2014年からは「AMIGO Project」をスタートさせ、子どもたちが自分で楽器をメンテナンスできるようにメンテナンスセミナーを開催してメンテナンス知識を普及するほか、技術者セミナーを通じて楽器の修理に対応できる技術者の育成を推進するなど、より良い環境で子どもたちが演奏を続けられるようにサポートしています。現在、メキシコ、エルサルバドル、コスタリカ、パナマ、ドミニカ共和国、コロンビア、ペルー、ブラジルの中南米8カ国でプロジェクトを展開しています。

青少年育成オーケストラ・バンド団体(メキシコ)
技術者セミナー

「ソプロノーボ」によるリコーダー音楽普及セミナー

ヤマハ・ムジカル・ド・ブラジル(YMDB)は、2005年にSopro Novo(ソプロノーボ:新しい息吹)という活動を開始し、全国で音楽指導者を対象としたリコーダーを使った音楽普及セミナーを展開しています。
このセミナーは、楽器・教本・指導メソッドをトータルで提供する音楽指導者のための指導法レッスンです。読譜に始まり、最終的にはアンサンブル演奏を楽しむまでの楽器演奏技術を習得でき、レッスン修了後には初心者に対する音楽指導を始めることができます。ブラジルでは、義務教育課程で音楽教育体制が整っていないため、音楽指導者を育成することは多くの子どもたちに「初めての音楽学習」を提供する重要な役割を担うことになります。これまで全国189都市、1,600回以上のセミナーを開催し、4,700人もの指導者を養成。これらの指導者に教わる子どもたちは55万人以上にのぼります。
2017年には、非営利団体Fundação Sopro Novo Yamahaを設立し、政府に直接音楽教育の導入を訴求するとともに、公立学校での指導者研修、音楽教育指導に向けての活動を始めました。また2018年に、サンパウロ州からSopro Novoのこれまでの活動が認められ、税制優遇措置として活動費用のサポートを受けています。2019年には、10グループ103名の参加者にリコーダーセミナーを実施、54の公立学校でSopro Novoのメソッドを活用したリコーダークラスが開講しました。
2021年3月期は、コロナ禍でこれまで対面で行ってきたリコーダーセミナーの実施が困難な中、オンラインによるリコーダーレッスンのコンテンツを準備、10月より開始しました。2021年3月までに公立学校の教師を中心に100名以上の参加者がレッスンを受講しました。2022年3月期は、コロナの感染拡大が続く中、オンラインによるリコーダーレッスンを拡大。これまでレッスンのソプラノリコーダーコースに加えて、アルトやテナーリコーダーのコースも開始。2022年3月までに合計316名がレッスンを受講しました(うち113名が公立学校の教師)。今後はコロナの感染状況を見ながら、徐々にオフラインの活動も再開し、Sopro Novoのメソッドが学校教育の中で広く展開される環境を作っていきます。

リコーダーのオンラインレッスン風景