無人オーケストラコンサート

日時 2023年3月25日(土)
会場 横浜みなとみらいホール 大ホール
主催 横浜みなとみらいホール(公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団)
概要 ヤマハ ニュースリリース

『無人オーケストラコンサート』に協力しました

3月25日に横浜みなとみらいホールで開催された『無人オーケストラコンサート』に楽器・音響機器パートナーとして協力しました。

無人オーケストラコンサートとは

『無人オーケストラコンサート』は、各楽器の演奏者一人ひとりにマイクを設置して収録したオーケストラの生演奏の音源を、収録時の演奏者と同じ舞台上の位置に配置したスピーカーから出力し、来場者が客席や舞台上、ホール内の様々な場所から、聴く位置や楽器による響きや音圧の違いを聴き比べできる体験イベントです。「横浜WEBステージ *」の関連企画として2020年12月に開催し話題を集めました。今回は、リニューアルされた「横浜みなとみらいホール」で新たに収録した作品を上演しました。演奏中は、通常のコンサートのように客席で座って聴くことができるほか、舞台にあがってスピーカーの近くで音響を体験することもできます。また、スピーカーの置き方や音の出る向きにもこだわっていますので、ホールの響きを身体いっぱいに感じながらリアルなオーケストラのサウンドを楽しむことができます。

ヤマハの持つ高い信号処理技術と音響機器が、これまでにない新たな音楽体験の実現をサポートします。

* 最新技術を用いて収録したパフォーマンスを楽しめる多様な動画コンテンツを制作・配信する、インターネット上の仮想空間で繰り広げられる芸術フェスティバル。

音響機器・楽器でのオーケストラ再現

新たな音楽体験を実現するために無人オーケストラコンサートに必要な音響機器・自動演奏ピアノを提供しました。

オーケストラは、管楽器・弦楽器・打楽器を中心にさまざまな楽器で編成されます。今回、楽器ごとに収録された演奏音を再現するため、それぞれの楽器の周波数特性・音響特性を考慮して63台のスピーカーを選定しました。また、ホールの響きをサポートするために、ステージ後方に6台のスピーカーを設置しました。スピーカーから再生される音はデジタルミキシングコンソールで制御し、自動演奏ピアノと連動させることで、無人オーケストラを実現しています。

自動演奏ピアノ

モーツァルトの「ピアノ協奏曲第20番」のソロは、ヤマハコンサートグランドピアノ「CFX」に自動演奏機能を搭載した、Disklavierで収録・再生しました。「Disklavier(ディスクラビア)™」は、ピアノをアコースティックに演奏するだけでなく、ヤマハ独自の高精度デジタル制御システムによって繊細な鍵盤タッチやペダルの動きを極めて正確に再現できる自動演奏機能を搭載したハイブリッドピアノです。

舞台上のDisklavierから、まるでピアニストがそこにいるかのように、タッチの繊細さ・力強さなど、演奏が緻密に再現されました。来場者はピアノの周りに集まり、間近で演奏に耳を傾けたり、動画を撮ったり、鍵盤やペダル・ハンマーの動きを見つめるなど、通常のオーケストラではできない方法で楽しんでいました。

音響機器

楽器そのものから出る音と、スピーカーから出る音には、指向性や周波数特性の面などで違いがあります。今回、オーケストラの演奏の再現性を高めるために、楽器ごとに最適なスピーカーを選定し、配置する高さと向きの調整を何度も重ねました。その結果、スピーカーから再生されているとは思えないような、オーケストラの演奏を再現することに成功しています。

誰でも気軽に、オーケストラの演奏を楽しめる日常

もし本格的なオーケストラの演奏を近所の公民館や体育館、公園などで楽しめるようになったら、音楽はより身近になるのではないでしょうか。今回のように、実際のホールで収録した楽器ごとの音源を用い、さらに立体音響技術: AFC Image を組み合わせることで、音響の異なる空間でも音楽ホールの豊かな響きを再現することが可能です。

ヤマハの立体音響技術

これからもヤマハでは、研究開発技術とヤマハの製品、現場で培われた感性を活かし、音楽の新しい楽しみ方を提案・実証していきます。