スクールプロジェクト - 関係者の声 -

スクールプロジェクトは産官学の連携によって事業を推進しており、ヤマハから相手国教育機関へ楽器・教材提供、指導者育成などを提案しています。

推進体制

ヤマハスクールプロジェクト推進体制図

1.日本国政府機関

「EDU-Portニッポン」の意義について

日本型教育を海外で展開することは、国際貢献に役立つと同時に、逆に日本の教育の課題を浮き彫りにします。その課題を自国へフィードバックして日本の教育をよりよく改善していくこと。この双方向性が本事業の最も大切な部分だと認識しています。

ヤマハの器楽教育導入事業について

エジプトでは近年、「日本型教育」に強い関心が寄せられており、エジプト日本学校においては清掃活動など日本の学校での特徴的な教育活動が導入されています。また、器楽教育などを通じた学校教育における非認知能力の育成の重要性は、近年、世界的にも広く認識されています。ヤマハには、これまでの他国での経験を活かしながら、現地の教育事情に寄り添ったかたちで事業を展開していただき、エジプトでの取り組みの成果や知見をぜひとも日本の教育にも還元していただきたいと思います。この事業がエジプトと日本両国の水平的で双方向の学びの機会となることを期待しています。

文部科学省大臣官房国際課教育改革調整官、村上尚久様

文部科学省大臣官房国際課教育改革調整官
村上尚久様

2.学術機関

今回のプロジェクトでは、エジプト教育省やJICA、東京学芸大こども未来研究所といった様々な立場の機関が協働して、エジプトの音楽教育への貢献を目指し研究を進めています。連携をすることは、それぞれの機関が持っている専門性をこれまでの成果に融合し、内容を深めたり、成果を更に広めたりする貴重な機会です。これまでのスクールプロジェクトの成果を踏まえ、私たちのチームでは、学術的専門性を活かしながら、現地の実態を踏まえて音楽教育の可能性を探求しています。

世界には、まだ音楽教育が学校内のカリキュラムとして十分に位置づいていない国も多くあります。学校での音楽教育は、他者と音楽活動をすることで社会的なスキルを養い、集団での音楽活動の喜びを経験できる場所でもあります。子どもたちの音楽的な成長だけでなく、社会面や情緒面など様々な成長に貢献する音楽教育の可能性を、本プロジェクトを通じて展開していきたいと考えています。

東京学芸大学、森尻有貴准教授

東京学芸大学
森尻有貴准教授

3.現地教育省

エジプト教育省事業管理部は2020年12月にヤマハとの協業を開始し、それ以来とても協力的な関係を築いています。この協業を通じて、両者は小学3・4年の児童に対するリコーダーの指導法の研修を、エジプト日本学校10校の10人の音楽教員に提供してきました。

私たちは、器楽教育を通じて子ども達が芸術的なセンスを磨くことや、クリエイティブになること、チームワークを学ぶこと、国際的な芸術を進んで受け入れていくことを楽しみにしています。器楽教育は、子ども達の才能をよりクリエイティブにし、チームワークを理解し、自尊心を育むという点において、子ども達にとって有益なものであると考えています
(エジプト、Nevine Hamouda様, Advisor to minister of Education for strategic affairs and EJS supervisor)

4.学校教員

楽器を演奏することでリズム感が身につくだけでなく、リコーダーは皆で合奏するので子どもたちがお互いの音をよく聞くようになり、集中力が養われました。クラスの一体感も高まり、チームワークが良くなりました。達成感に満ちた子どもたちの顔を見ていると、とても幸せな気持ちになります。

ベトナム、The Brendon Primary School 音楽教師、Phung Ngoc Ha 様

ベトナム、The Brendon Primary School 音楽教師
Phung Ngoc Ha 様

5.児童

リコーダーの音が美しく、鳥の鳴き声に似ていて面白いです。リコーダーを演奏したり、音楽を聴いたりしながら、音楽の授業を楽しんでいます。(エジプト、小学3年児童 Ali Ibrahim Algoharyさん)

6.保護者

リコーダーは、音楽とは何か、演奏している曲への感情移入の仕方を娘に教えてくれます。そしてそれは彼女の音楽性やプレーヤーとしてのセンスを上達させるだけでなく、演奏を通じて指先などの身体的能力の向上や協調性のスキルを上達させることにも貢献しています。

リコーダーは小さくて持ち運びやすく、どこにでも持っていくことができ、祖母の前でも演奏を披露できるので、娘も気に入っています。(エジプト、小学3年児童保護者)

7.ヤマハ

ヤマハ・ミュージック・インディア(YMIN)では、学校教育での器楽教育の推進に全力で取り組んでいます。

公教育で楽器演奏の機会がなく、また音楽教師も不足しているインドでは、器楽教育に関心はあるものの、多くの学校で導入をためらってしまう現状があります。

私たちYMINは、すべての子どもたちが少なくとも一生に一度は楽器を学ぶことができるように、器楽教育の重要性を社会に訴求していきたいと思っています。楽器を演奏する喜びを広めるために、音楽教師のスキルアップのための研修や、教育関係者などに必要なガイドラインを提供するなど、インドの音楽教育全体のレベルアップのために全力で取り組んでいきます。

ヤマハ・ミュージック・インディア スクールプロジェクト担当、Sharad Banerjee

ヤマハ・ミュージック・インディア スクールプロジェクト担当
Sharad Banerjee