Yamaha Design “Synapses” ADECIA

2020 / COMPLETE & CUSTOMIZABLE AUDIO SOLUTION


音声でコミュニケーションの質を向上、遠隔会議用ワンストップサウンドソリューション。

イツマデモ何時までも / Timeless

機能性を踏まえた最低限のUIで空間を選ばないシンプルなデザインでありつつ、クリエイティブマインドを刺激する心地よい雰囲気を大切にしました。会議室の広さや人数に応じて最適なマイクを選択することで、長く使い続けられる音響システムです。

ミナオス見直す / Reconstruction

マイクを3・2・3個と斜めの千鳥配置でドッキングでき、さらにグースネックマイクが前方のマイクの間に収まり上を向くよう整頓することで、チャージャーのサイズをコンパクト化。見た目のスマートさと鳥の巣から雛が顔を出しているような可愛らしさが生まれました。

チョウワ調和 / Harmony

ADECIAオリジナルの風車状のグリルパターンが金属感を抑えて織物のような印象を表現し、部屋との調和をもたらしています。また、大きなラウンドで繋ぐような造形デザインが、役割の違う製品に統一感を与えています。

スグツカエルすぐ使える / Instantly-usable

天井にシーリングアレイマイクロフォンを備え付けることで、遠隔会議用機器を机上にセッティングすることなく入室後すぐに使用することができます。異なる空間にいることを感じさせないほどクリアな音声を届けます。


Toshihide Suzuki
Toshihide Suzuki
Designer
Yamaha Design Laboratory

異なる役割の機器を、デザインで一つに結ぶ。

ADECIAは、遠隔会議をストレスなくスムーズに行うために開発されたワンストップサウンドソリューションです。ポータブルなYVCシリーズとは異なり、会議室を新設するときに導入する備え付けの設備となります。天井用のシーリングアレイマイクロフォン、卓上用のテーブルトップアレイマイクロフォン、プロセッサー、スイッチなど複数の製品で構成されています。これらの異なる役割を持つ機器を、いかに一貫性のあるシリーズとして見せられるかがデザインに託された課題でした。
そこで、統一感をもたらすためにデザインエレメントとして力を入れたのがグリルパターンです。グリルとは、音が出入りするマイクやスピーカー、熱を逃すための開口部のことで、ここにトラック楕円形を風車状に並べたファブリックのようなオリジナルパターンをデザインしました。それを個々の製品に施すことで一体感を生み出しています。このグリルパターンをデザインパーツとして活かせたことが金属の無骨な印象を抑えることにもつながり、いっそう空間に馴染みやすい製品となりました。
また、会議室の設備として導入され、長く使用するものであることから「古くならない」「主張しすぎない」ことも、デザインに求められたポイントでした。一般的なオフィスの天井や壁の色に多い白と黒をベースカラーとして用意し、さらに納入される会議室によってはシーリングアレイマイクロフォンやアクセスポイントなどを、部屋に合わせて塗装できる仕様にしています。
ADECIAを開発したのはコロナ禍となる前でしたが、その後の社会的な情勢によって遠隔会議の普及が進み、遠隔コミュニケーション市場にはさらなる可能性があると感じるようになりました。例えば、会議の時に身の回りにあるものは、意識せずとも視界に入ります。何気なく見たものや、何気なく手に触れたものがクリエイティブのきっかけを生むことは少なくありません。日本中、世界中の会議室に納入される製品であるということは、まさにそんな種となる可能性を持っているということ。これからも、その場にあることで刺激を与えられるようなデザインを追い求めていきたいと思っています。

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