Yamaha Design “Synapses” YCH-7018/YCH-6018

2020 / CHIMES


グランドピアノを思わせる気品あるデザインを特長とし、音質・演奏性も大きく向上したコンサートチャイム。

チョウワ調和 / Harmony

真鍮の素材色である金色の音管と、それを支える黒色のフレームという対照的な配色。黒色で統一されたフレームは演奏者や背景と同化し、一新された金色の音管がより一層引き立ちます。

アタラシイ新しい / Revolutionary

音管は前後で別の部品に吊るされるのが一般的ですが、その部品を見直して一体化する構造を採用しました。前後の音管が近づき、かつ美しく水平に並んだ音管は従来よりも演奏性を格段に向上させています。全体の造形はその整然さを際立たせるために、ライティングのハイライトは水平方向を基調に映り込むよう工夫しています。

ミナオス見直す / Reconstruction

メーカー特有の造形を持つことが多い支柱上部には、「王冠」の造形をシンボリックに取り入れました。伝統的な西洋建築やハープなどでも用いられることのある王冠の形状は、教会の鐘をルーツにしたクラシック楽器であるチャイムとの親和性も高く、普遍的な品格を漂わせます。

ヒクスガタ弾く姿 / Dual-View

脚部のデザインは、グランドピアノのフラッグシップモデルCFXの腕木の円弧を基調とした造形言語を引用し、ヤマハとしての統一感を図っています。奏者の視界や演奏時の妨げにならず、客席から見るとひと目で判る大きな円弧というアイコンによって、ヤマハのオーケストラ楽器としてのアイデンティティを持たせました。


Hiroki Nishioka
Hiroki Nishioka
Designer
Yamaha Design Laboratory

次世代へ繋ぐ、ヤマハのアイデンティティ。

YCH-7018/YCH-6018は、ヤマハにとって約30年振りのモデルチェンジとなるチャイムです。音質も演奏性も大きく向上し、見た目にも大きな変化を感じてもらえる仕上がりとなりました。

チャイムはオーケストラの楽曲において要所で用いられることが多いため、絶対にミスが許されない楽器という位置付けとなっています。そこで演奏時のミスを無くすために徹底した整然さを追求しました。
一般的に音管を吊り下げる構造は前後で独立しており、また音管ごとに吊り下げる部品が異なるので、それぞれの音管を水平に並べることは容易ではありません。そこで今回は吊り下げる部分を見直して一体化することにより、高い水準で整列さを実現しています。また、一つ一つの音管を包み込む魚の骨のような独特のリブ形状は、全ての音管との関係を均一にしながらも強度を高め、今回の一体構造を実現するデザインになっています。全ての音管が美しく整列することは単に見た目の改善だけではなく、ミスタッチを減らす機能性も向上させています。マレットをスライドさせて音管を叩くグリッサンド奏法時にもキレイに音が揃いますし、前後の音管の距離も従来より近くなったことでより速いパッセージも可能となりました。

この他にもいくつもの改善点を取り入れて大きな成長を遂げたYCH-7018/YCH-6018ですが、今回の機会を単なるチャイムだけのモデルチェンジに終わらせたくないという想いもありました。
ビブラフォンやマリンバなど多数あるヤマハのパーカッションにおいて、今後モデルチェンジが行われた際にヤマハとしての横軸がひとつ欲しいと考えて提案したのが、ヤマハのグランドピアノに代表される大きな円弧を用いた造形言語です。既にビブラフォンでは同形状の脚やペダルが採用されており、今後は他のモデルチェンジにおいても拡げていければと考えています。
今回がそうであったように、数十年に一度というモデルチェンジの機会に自身が毎回立ち会える訳ではありません。しかし、10年20年かけてでも継続していくことで、この造形言語が浸透していき、ヤマハのアイデンティティとして成熟していけば、きっとかけがえのない財産となってくれると考えています。
実は、前作のモデルを30年前に担当された方がシニア社員となり、今回のプロジェクトにも参画されているのですが、それこそ僕が引退するくらいの歳になっても、今回の造形言語が受け継がれていたらとても幸せなことだと思います。

  • 補足の画像1
  • 補足の画像2
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