Yamaha Design “Synapses” Xeno Artist Models

2019 / TRUMPET


一流のアーティストが求める高い音楽的欲求を叶える“Xenoアーティストモデル”

カンケツ簡潔 / Minimal

伝統を重視したニューヨーク(NY)シリーズと、伝統と革新を融合させたシカゴ(CH)シリーズ。一見、同じようでも、演奏するホールや吹き心地・音色の好みに合わせられるよう、抜差管やベルの形状など違いを持たせています。

ショウジキ正直 / Honest

求められる音や演奏表現に合わせて、ベルの拡がり方まで徹底的に追求。響きの少ないホールで開発されたモデルには、早めに太く拡がるベルで豊かに響く音を、また、響きの大きなホールで開発されたモデルには、遅めに広がるベルで芯が真っ直ぐ通る音を生み出しました。

モツヨロコビ持つ喜び / Pride

ベルと吹込管を繋ぐ延べ座や指掛は伝統的な製造技術で製作し、良好な音色はもとより意匠としてもビンテージな趣きを感じられるものとなっています。また、ベルと吹込管の間を狭めることで楽器の反応が素早くなり、奏者は一体感を感じやすいとともにフォーカスされた音色を得られるようになりました。

ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring

王道の造り方や構成を踏襲するNYシリーズに対し、CHシリーズはオーケストラ演奏時のアイデアを取り入れた先進的なモデルです。C管からB♭管への持ち替えを想定し、2本並ぶ支柱の位置や吹込管の拡がり方の関連性をつよめ、同じ演奏性を維持できるようにしています。


Norihisa Fukuda
Norihisa Fukuda
Designer
FP (Flagship Products) Group

Katsuhiko Furumi
Katsuhiko Furumi
Designer
Wind & Educational Instruments Development Group B&O Instruments Development Department

進化と変化の両面からアーティストを支える。

Xenoアーティストモデルは、「演奏者の相棒となりうる究極の楽器」となるための進化を続けるXenoシリーズの中でも、超一流のアーティストと共同で開発を進めている、より先進的な位置づけとなるモデルです。
シカゴ交響楽団と開発をスタートし、“革新性と伝統性”を融合させたCHシリーズと、当時ニューヨーク・フィルハーモニックに所属していたアーティストと開発し、“伝統性”に重きを置くNYシリーズの2つがあります。また、NYシリーズにはさらに、ボストン交響楽団の方と共同で開発したモデルも追加されています。

アーティストモデルの開発では、アーティストの持つ演奏性や創造性を十分に理解し、彼らの感性に応える造形的、技術的な作り込みにまで落とし込んでいく必要がありました。例えば「怒ったような音が欲しい」といった抽象的な表現を咀嚼し、理解し、技術的な部分にまで落とし込んでいくのが私たち技術者の仕事です。
オーケストラの中には様々なレパートリーがあるので、綺麗な音だけではなく、極論すれば汚い音までも演奏できるような表現力の幅が求められます。また、音というのは国や演奏するホールによっても変わりますし、指揮者やトレンドによっても求められるものが変わります。 クラシック音楽というと同じ楽器で同じ曲を演奏していると思われがちですが、実はそうではありません。楽器自体が持っている柔軟性や拡張性がアーティストの表現を拡げていき、新しい音楽や音へと常に進化を続けています。
最近では映画音楽やゲーム音楽もあれば、ベートーヴェンやチャイコフスキーの音楽でもトレンドによって演奏方法は変化し続けています。そういったトレンドも理解した上で、演奏家や指揮者が要求する様々な要望に応えて、楽器の表現力を高め、どんな曲でも吹けるようにしていく。それが、我々の目指すアーティストモデルのコンセプトです。
クラシック音楽が変化し続けていく中で、伝統を継承していきながら進化を続けていく。そういった意味では終わりのない仕事でもあります。私たちの楽器が、アーティストにインスピレーションを与えて新しい表現を創る手助けになれば嬉しいです。

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