Yamaha Design “Synapses” A・round / Re・mind / Be・side

2018 / INTERIOR PIANO


Interior Piano Design Project.

チョウワ調和 / Harmony

ピアノの形だけではなく、“ピアノと共に過ごす時間”をデザインするというコンセプトを軸に、生活とピアノの新たな関係性を提案。家具メーカーとのコラボレーションによって3つのプロトタイプを制作しました。

テザワリ手触り / Tactile

家族団らんの中心となる「A・round」。周りで演奏に聞き入る人も思わず身を寄せたくなる、丸みのある形状と温かな木の質感。より親しみやすく気軽に触れてもらえるように、鍵盤蓋にはレザーを採用しています。

ミナオス見直す / Reconstruction

演奏していない時間の佇まいや価値も提案する「Re・mind」。正面からはスタンダードなピアノとしての存在感を、側面からは壁に立てかけた姿見鏡のようにカジュアルな雰囲気を与える二面性を持ち合わせています。

イトオシイ愛おしい / Beloved

寝室のような安らぎの空間にもマッチする「Be・side」。豊かな木の質感と丸みのある造形が生む、周囲のインテリアとも馴染みやすい穏やかな佇まい。蓋をしてもさりげなく覗く鍵盤や、グランドピアノを思わせる上品なペダルなど、楽器としての存在感もそっと主張しています。


Moe Totani
Moe Totani
Designer
Yamaha Design Laboratory

Sunao Okamura
Sunao Okamura
Designer
Yamaha Design Laboratory

Masaharu Ono
Masaharu Ono
Designer
Yamaha Design Laboratory

ピアノと共に過ごす「豊かな時間」をデザインする。

このプロジェクトは「Music in Life(音楽のある豊かな暮らし)」をテーマに新しいピアノの在り方を考え、中国の家具メーカー「Mexarts」社とのコラボレーションとして家具の展示会「Furniture China」での発表を目指すというものでした。取り組むにあたって、まずは「豊かな生活」や「音楽のある暮らし」とは具体的にどういったものなのか、というコンセプチュアルな部分から考えはじめました。その結果、今回はモノの形だけではなく、「時間」をキーワードとした価値そのものを提案するという共通認識が、我々3人の中に生まれました。
「A・round」は、家族など親しい人との団欒のひとときを共有できるピアノです。演奏者と聴いている人の関係性を深く考え、それぞれの立ち位置や姿勢、どんな表情で演奏したり聴いたりしているのかまで想像して、大量にイメージを描き起こしていきました。 楽器は演奏者以外は触れてはいけないような印象がありますが、まずはその心理的な距離感を取り払いたいと考えました。そこから、聴く人が体ごと預けてリラックスできるような、テーブルとピアノが滑らかに繋がっていくという造形が生まれました。同時に、天板の高さに変化を設けることで、演奏者と聴く人の間にちょうど良い距離感を作っています。
演奏者用の椅子を2人掛けのベンチにしたり、聴く人のための椅子をもうひとつ用意したのも、一緒に演奏したり、向かい合って演奏を眺めたり、ピアノを囲んで様々な時間を過ごしてほしいという想いを込めてのことです。
「Re・mind」は、演奏されない時間という点に着目したピアノです。一日のうち、大半の時間は演奏されずに部屋に存在するものを、どうやって生活の中で邪魔ものにせず価値として提案していくのか。その解として、特徴的な飾り棚と、壁に立てかけた一枚の絵のような造形が生まれました。
昔からピアノの上にはちょうど良いスペースがあり、物を置かれたり飾られたりしてきました。そのような使われ方をむしろ積極的に取り入れて、家族の写真や思い出の小物などを並べて飾ることのできる棚を用意しました。
ときとしてピアノの持つ存在感というのは演奏しなければいけないという無言の圧力を生みますが、姿見鏡のように“壁に立てかける”という手法を用いることで驚きとともにカジュアルな印象を持たせることができました。
「Be・side」は、ベッドに入る前に少しだけ弾いて安らぐ、そんな時間の楽しみ方を提案するピアノです。サイドテーブルにお気に入りの小物や飲み物を置いて、小さな音で心地よく好きな曲を弾き、リラックスしてから眠りにつく、といった情景を想い描きました。
温かな木の質感は気分をゆったりと落ち着かせてくれ、大きな一枚板の鍵盤蓋を閉じると、家具のような雰囲気になり周囲のインテリアとも調和します。構造を根本から見直した、すっきりとしたペダルもインテリアに映えます。
これまでピアノが置かれる機会の少なかった寝室のような場所でも、新たなピアノとの付き合い方が生まれると思っています。
今回提案したデザインは、家具を専門分野とするMexarts社とのコミュニケーションを通じてブラッシュアップを重ねていきました。インテリア領域のデザイナーや開発者たちから得られる意見は、楽器デザイナーとは違った視点があり、とても新鮮でした。今回のプロジェクトを通じて得た知見は、楽器作りや展示会など、様々な場面で活かしていきたいです。

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  • 補足の画像2
  • 補足の画像3
  • 補足の画像4

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