Yamaha Design “Synapses” YVC-200

2018 / UNIFIED COMMUNICATIONS SPEAKERPHONE


時間や場所にとらわれない、コミュニケーションスピーカーフォン。

ショウジキ正直 / Honest

音声の入出力端となる前方のマイクと後方のスピーカーは、良好な音の制御のため互いに干渉しないよう向きと間隔を調整しました。後方の頭頂部から前方に向けてなだらかに傾斜する、まるで貝殻のようなやさしい造形にしたことも、音響性能の向上に一役買っています。

シアゲ仕上げ / Well-Made

造形としての一体感を出すため、上下ケースの合わせ目を前後で変化をつけて面の繋がりをなめらかにしました。ケースなど異なる質感を持つ部品が一体となって調和し、全体として心地よいものになりました。

イトオシイ愛おしい / Beloved

スイッチやジャック類を本体と一体化させることでメカニカルな印象を抑え、周囲に威圧感を与えないやわらかな印象を目指しました。やさしく光るLEDランプと、かわいらしい操作音も特徴的です。

スグツカエルすぐ使える / Instantly-usable

バッテリー内蔵で小型なので、鞄にスッと入れられます。また、手馴染みが良く、どこでも気軽に持ち出して使用可能です。表面のハリは見た目で機能的な内部構造を伺わせ、音質の良さを感じられるようにしました。


Toshihide Suzuki
Toshihide Suzuki
Designer
Yamaha Design Laboratory

“やさしい存在感”を持つパートナー

YVC-200は、自宅やオフィスのオープンスペースでの遠隔会議など、現代のワークスタイルに合う会議用スピーカーフォンです。音楽を聴きながら仕事をしていても、着信があればボタンひとつで会議モードに切り替えることができます。
今回、小型化と高音質を両立させるために、設計担当者から要件定義と構成要素の3Dデータも受け取ったことで、初期のスケッチ段階から詳細なデザイン提案を行うことができました。マイクとスピーカーの位置を離すことで良好な性能が発揮されます。マイクユニットは最前方の床面近くで反射音の影響を抑制し、スピーカーユニットは最後方で高くしてバッテリーを内蔵するスペースを確保し、かつ全方向に音の拡がりを作り出すよう配置しました。
また、音の良さを表現する造形や、愛らしい雰囲気といったイメージ寄りの提案についても積極的に行いました。例えば、上ケースの立ち面は前方と後方で異なる形状をしています。スピーカーの穴は、同心円状かつ放射状に並んでいるように見えるパターンとしながら、場所により円の形状や穴の深さにも変化をつけています。さらに、底面のネジ穴を隠すために用意したゴム脚も独自設計で金型から成型し、配置を正五角形とすることにもこだわりました。
製造工程上での難易度が高い提案が多かったですが、「大変だけど、その方が良いよね」など、実は設計担当者もそう思っていたということも多く、立場に関わらず、全員が「良いものにしたい!」という共通認識を持っていたことが再認識できた仕事でした。
ボタンの光り方や操作音はかわいらしく、“やさしい存在感”を持っています。存在を主張しすぎず、空間に唐突感や違和感を与えないようにしているので、カジュアルにも使っていただけると思います。仕事に役立つ、良きパートナーとして傍に置いてもらえると嬉しいです。

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  • 補足の写真3
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