Yamaha Design “Synapses”
EAD10 / DT50S / DT50K
2017 / ELECTRONIC ACOUSTIC DRUM MODULE & DRUM TRIGGERS
ドラマーの表現を自由にするモジュール&マイクシステムとドラムトリガー。
※左から DT50S、DT50K、EAD10
ミナオス見直す / Reconstruction
ドラムにおける周辺機材はどう在るべきなのかという点から考え、アナログな操作感が特徴のモジュールや、激しい演奏にも耐えうるセンサーユニット、ドラムと一体感のあるトリガーが誕生しました。
タノモシイ頼もしい / Professional
ドラムの音を拾うセンサーユニットは、厚みの異なる板金を組み合わせた機能的な構造にしています。コの字に折り曲げた前面はスティックが当たることも想定してマイクを保護し、上側は音抜けのために全周がパンチングメタルで覆う処理となっています。
ツカイゴコチ使い心地 / Intuitive
EADの頭脳といえるモジュールは、大きな6つのツマミでほぼすべてのエフェクトや音量を変化させることが可能な設計に。エンコーダーはLED指標によって視覚的にも解りやすく、多彩な効果をフィーリングに合わせて試すことができます。
チョウワ調和 / Harmony
スネアやタム、バスドラムに取り付けて使用するトリガーは、電子ドラムモジュールと合わせて使用することで、アコースティックサウンドにエレクトロニックサウンドを付加することができます。ドラムの佇まいを阻害しないように、ラグと同じ製法とすることで部品の一つであるように馴染み、ドラムと一体化するデザインに仕上げています。
スグツカエルすぐ使える / Instantly-usable
モジュールとセンサーユニットは,簡単に取り付けられ、従来の複雑なマイキングや専門的なPA知識がなくても高音質のモニター環境での練習や演奏、ドラムレコーディングが行えます。
- Toshihide Suzuki
- Designer
- Yamaha Design Laboratory
ドラム周辺機材のデザインのあり方。
EAD10(音源モジュール&センサーユニット)は、アコースティックドラムを拡張することで、より高音質での練習や演奏、そしてレコーディングが手軽にできるようになるシステムです。
これまでアコースティックドラムの周辺機材や電子ドラムの開発を担当してきて、常に「ドラムにおけるデジタル音源とはどうあるべきなのか」と考えていました。機能としてはシンセサイザーなどと近しいものではありますが、「いくつものメニューの中からボタンを押して操作するというのは、ドラマーのマインドとは合わないのではないか?」という思いもあり、今回のモジュールではアナログな操作感にこだわりました。基本的には左側にある大きな6つのノブを回すだけで直感的に操作でき、簡単にエフェクトや機能を楽しめるデザインにしています。
センサーユニットは演奏中にスティックが当たることも想定し、厚みのある板金で覆っています。また、音抜けを良くする必要のある上側は薄く、ネジ留めの際に外圧がかかる下側では厚くするなど、構造部材を兼ねた板金を折り曲げたり組み合わせたりして複雑な内部を構造的にしっかりと保護しています。センサーユニットとモジュールにあしらった2本線のストライプは、ドラマーの間でもポピュラーなグラフィックパターンです。
ドラムトリガーを組み合わせて使用すると、スネアやタムを叩いたタイミングをモジュールへと伝達し、拡張された機能を正確かつ細かく設定することができるようになります。トリガーのデザインも、ドラムの周辺機材としてのあり方を考えた結果、ラグのようにパーツの一つとして見える造形としました。ドラムの一部として存在し、視覚的にも演奏の邪魔をしないようにしました。デジタル機器でありながらアナログな質感にこだわったのは、アコースティックドラムを製造しているヤマハらしい視点ともいえます。
EADはこれまで数時間を要したマイキングを数分で終わらせることができ、動画サイトへの投稿やスマホアプリを活用した練習などにも適応しています。演奏者のマインドともマッチする形でアコースティックドラムを強化したので、電子ドラムなどに抵抗のある人でもぜひ気軽に試してもらいたいです。